2018.07.24
未払給与請求控訴事件
LEX/DB25560640/名古屋高等裁判所 平成30年 6月26日 判決 (控訴審)/平成29年(ネ)第346号
被控訴人(被告。NHK)の従業員(職員)であった控訴人(原告)が,精神的領域における疾病による傷病休職の期間が満了したことにより解職となったところ、同期間満了前に精神疾患が治癒していたと主張して、解職が無効であり、被告との間の労働契約が存続しているとして、労働契約上の権利を有する地位の確認を求めるとともに、傷病休職中に行った被告のテスト出局(一般に、試し出勤、リハビリ出勤などと称され、心の健康の問題ないしメンタルヘルス不調により、療養のため長期間職場を離れている職員が、職場復帰前に、職場復帰の可否の判断等を目的として、本来の職場などに一定期間継続して試験的に出勤をするもの)により、労働契約上の債務の本旨に従った労務の提供をし、途中でテスト出局が中止され、これにより労務の提供をしなくなったのは被控訴人の帰責事由によるものであるとして、テスト出局開始から傷病休職満了までの期間について、労働契約に基づき、職員給与規程(職員就業規則)による賃金の支払を、テスト出局の中止や解職に至ったことに違法性があると主張し、不法行為に基づく損害賠償金(慰謝料)の支払を求め、原審は、控訴人の各の請求をいずれも棄却したため、控訴にあたり、仮にテスト出局中に控訴人の行った作業が労働契約上の本来の債務の本旨に従った労務の提供に該当しないとしても、労働基準法及び最低賃金法上の労働に該当し、最低賃金額以上の賃金が支払われるべきであるとして、テスト出局開始から傷病休職満了までの期間について、労働契約に基づき、最低賃金額相当の賃金の支払を求め、予備的請求原因を追加主張し、控訴人が控訴した事案において、控訴人の請求のうち、本件テスト出局期間中について賃金の支払を求める請求は、職員給与規程による賃金の支払は認められないものの、最低賃金額相当の賃金の支払を求める限度で理由があるとして、原判決を変更し一部認容し、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認を求めるとともに休職期間経過後の賃金及び賞与を求めた請求、本件テスト出局の中止や解職に至ったことについての不法行為に基づく損害賠償金の支払を求めた請求については、棄却した事例。




















