注目の判例

2026年

2026.01.06
現住建造物等放火、殺人被告事件 
LEX/DB25574581/札幌地方裁判所 令和 7年 9月17日 判決(第一審)/令和5年(わ)第27号
被告人は、A(当時71歳)及びB(当時51歳)ら14名が現に住居に使用し、かつ、同人らが現にいる無料低額宿泊所「C」(本件施設)に放火して前記Aを殺害しようと考え、前記Bら他の入居者が死亡するかもしれないことを認識しながら、本件施設213号室の当時の被告人方居室及び2階廊下等に灯油をまいたうえ、殺意をもって、ライターで紙片に火をつけ、これを用いて同居室内のカーテンに点火して火を放ち、その火を本件施設の床面及び壁等に燃え移らせ、よって、本件施設を全焼させて焼損するとともに、本件施設201号室において前記Aを、本件施設206号室において前記Bを、それぞれ焼死させて殺害したとして、現住建造物等放火、殺人の罪で懲役30年を求刑された事案で、本件犯行当時の被告人には、善悪の識別に従って自分の行動をコントロールできる能力が失われていた疑いが残るといわざるを得ず、完全責任能力を有していたとは認められないし、心神耗弱であったとも認められず、責任能力が失われていたとの合理的な疑いが残るから、被告人による本件行為は、心神喪失者の行為として罪とならない(刑法39条1項)として、被告人に無罪を言い渡した事例(裁判員裁判)。
2026.01.06
〔1〕出資持分払戻等、〔2〕損害賠償請求反訴、〔3〕損害賠償請求控訴事件 
「新・判例解説Watch」民事訴訟法分野 令和8年3月中旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25624120/高松高等裁判所 令和 7年 4月16日 判決(控訴審)/令和7年(ネ)第77号
甲事件本訴は、被控訴人医療法人の理事長であったWの相続人(妻)である控訴人が、被控訴人医療法人の定款に基づくWの出資持分払戻請求権等を相続したとして、被控訴人医療法人に対し金員及び遅延損害金の支払を求め、甲事件反訴は、被控訴人医療法人が、理事であった控訴人による社員総会決議を経ない財産処分等が善管注意義務・忠実義務の違反に当たるとして、債務不履行に基づき、控訴人に対し、金員及び遅延損害金の支払を求めた事件であり、乙事件は、控訴人が、〔1〕被控訴人医療法人による甲事件反訴の提起が不当訴訟の提起に当たるとして、不法行為に基づき、被控訴人医療法人に対し、金員及び遅延損害金の支払を求め、また、〔2〕被控訴人医療法人による告訴(控訴人が背任、有印私文書偽造・同行使、電磁的公正証書原本不実記載・同供用、業務上横領の各罪に該当する行為をしたとするもの)が虚偽告訴に当たるとして、不法行為に基づき、被控訴人医療法人に対し、金員及び遅延損害金の支払を求めた事件において、原審が、甲事件本訴の各請求のうち出資持分払戻請求を一部認容し、その余を棄却し、甲事件本訴のその余の請求並びに甲事件反訴及び乙事件の各請求をいずれも棄却したところ、控訴人が、原判決のうち乙事件に係る部分を不服として控訴した事案で、被控訴人医療法人は、原審の口頭弁論終結後、原判決の言渡し前に、破産手続開始の決定を受けたところ、本件訴訟手続のうち被控訴人医療法人に係る部分は、破産財団に関する訴訟手続に当たり、上記破産手続開始の決定により中断し(破産法44条1項)、現在も中断中であって、本件控訴のうち被控訴人医療法人に係る部分は、本件訴訟手続(法人関係)の中断中に行われたものであるから、不適法であるとして、本件控訴のうち被控訴人医療法人に係る部分を却下した事例。