ニュースリリース
―日本政策金融公庫からのデータ還元による調査結果より―「TKCモニタリング情報サービス」利用企業はデフォルト率が著しく低いことを確認できました。―TKC会員事務所と金融機関との強固な連携により中小企業の持続的な成長を支援―
2025年7月29日
税理士、公認会計士が組織するTKC全国会(会長:税理士 坂本孝司、事務局:東京都新宿区、会員約11,400 名)は、中小企業の存続・発展を支援しています。
このたび、日本政策金融公庫(国民生活事業)(総裁:田中一穂、本店:東京都千代田区)から還元を受けた「TKCモニタリング情報サービス(MIS)」を利用する企業の貸付状況等のデータを基に、MIS利用先企業の信用リスクを分析しました。
その結果、TKC会員からの融資紹介企業については、大幅にデフォルトが抑制されており、信用リスクが顕著に低いことがわかりました。このことはTKC会員が毎月、月次決算を支援することにより、関与先企業の黒字化ならびに持続的な存続・発展を支援している結果であると考えます。TKC全国会では「黒字決算と適正申告の実現」に向けて、「税理士法33条の2による書面添付」による決算書の信頼性向上や「TKCモニタリング情報サービス」を利用した決算書のデジタルデータによる開示等に積極的に取り組んでいます。
今後もTKC全国会は金融機関との連携を強化し、「会計で会社を強くする」運動を展開していまいります。
MIS(TKCモニタリング情報サービス)とは?
金融機関に信頼性の高い決算書・試算表を
デジタルデータで提供するクラウドサービスです。
2016年10月に提供を開始したTKCモニタリング情報サービスは、TKC全国会会員(税理士・公認会計士)が毎月の巡回監査と月次決算を実施した上で作成した月次試算表、年度決算書などの財務情報を、関与先企業の経営者からの依頼に基づいて、インターネットを通じて無償で金融機関に開示するクラウドサービスです。開示のタイミングは、月次試算表の場合は月次決算終了直後、年度決算書の場合は税務署に対して電子申告した直後になります。なお、年度決算書には決算書の信頼性を向上させる“3種の神器”を添付することができます。
決算書の信頼性を向上させる“3種の神器”とは?
1.税理士法33-2による書面添付
書面添付制度は、税理士が法人税申告書等の作成に際し、「計算し、整理し、又は相談に応じた事項」を明らかにするものです。法人税法第74条の確定決算主義の下では、この税理士による「税務申告書の適正性の表明」は、その前段階にある決算書の信頼性を保証することにつながります。いま、この制度は、中小企業の決算書の品質を確認できる法的制度として注目を集めています。
2.中小会計要領チェックリスト
「中小企業の会計に関する基本要領(中小会計要領)」は、国際会計基準(IFRS)の影響を排除し、税務と会計の一気通貫を堅持する「確定決算主義」(法人税法第74条)の下で、中小企業が決算書を作成する際に準拠すべき会計基準です。同チェックリストは、日本税理士会連合会が「中小会計要領」の利用を促進するために作成・公表(2012年3月27日)したものです。
3.記帳適時性証明書
TKC全国会では、会員(税理士・公認会計士)に対して、毎月、関与先企業を訪問して行う巡回監査と月次決算の実践を義務としています。月次決算データはTKCデータセンターに送信されるため、株式会社TKCではその事実に即して、かつ、年度末には電子申告される決算書と税務申告書とのデータの整合性を確かめて「記帳適時性証明書」を発行しています。
金融機関からの評価
当サービスは税務署へ電子申告した財務情報と同じデータが自動で金融機関に開示される仕組みであるため、財務情報の改ざんの余地がありません。金融機関はこのサービスを通じて提供される財務データを融資判断の“拠り所”として信頼することができます。
現在、当サービスを利用する金融機関は497機関を超えており、メガバンク、地銀、第2地銀、信用金庫の9割超で融資判断や融資先のモニタリングに活用されています。
また、全国の信用保証協会(51協会)のうち、86.2%にあたる44協会で当サービスが利用されています。
「TKCモニタリング情報サービス」は、経営者保証ガイドラインで示された3つの要件(法人と個人の関係を区分・分離、財務基盤の強化、財務状況の正確な把握と適時適切な情報開示による経営の透明性の確保)を確認できます。こうした点が評価され、中小企業の経営支援に取り組む金融機関や信用保証協会において融資先企業の支援に活用されています。

ご参考
「TKCモニタリング情報サービス」のサービス内容について
詳細はこちら → https://www.tkc.jp/fx/bank/
(1) 決算書等提供サービス
TKC全国会会員が顧問先企業からの依頼に基づいて、法人税の電子申告直後に金融機関へ決算書や申告書等のデータを提供するサービス
(2) 月次試算表提供サービス
TKC全国会会員が顧問先企業からの依頼に基づいて、TKC会員事務所による月次決算終了後に、金融機関へ月次試算表等のデータを提供するサービス
上記に加え、経営革新等支援機関であるTKC会員が「TKC継続MASシステム」(経営計画策定システム)で作成した早期経営改善計画書や「TKCローカルベンチマーク・クラウド」で作成したローカルベンチマークのデータを、当サービスを通して金融機関へ提供できます。
当サービスは、2018年7月に「ネットワーク認証に関する特許」(特許第6375425号)を、2018年10月に「月次試算表データおよび決算書データの提供方法に関する特許」(特許第6419378号)を、それぞれ取得しています。

TKCのデータセンター(TISC)
以上
当リリースに関するお問い合わせ先
株式会社TKC 東京本社 広報部
TEL:03-3266-9200