2017.10.17
決定取消請求控訴事件
LEX/DB25546970/東京高等裁判所 平成29年 6月29日 判決 (控訴審)/平成28年(行コ)第334号
原告(被控訴人)は、N証券のキャピタル・マーケット部従業員らがT社との間の引受契約の締結の交渉に関し知り、その後N証券の機関投資家営業二部営業員がその職務に関し知った、T社が株式の募集を行うことについての決定をした旨の事実について、同営業員から伝達を受けながら、上記事実が公表される前に,自己の計算においてT社の株式200株を売り付けたとして、金融商品取引法175条1項1号、同法166条3項に基づき、処分行政庁から、課徴金6万円を納付すべき旨の決定を受けたのに対し、原告が、本件決定は、法の解釈適用を誤り事実を誤認した違法があるなどと主張して、本件決定の取消しを求めたのに対し、原審は、N証券の営業員が、T社が株式の募集を行うと決定したことや、それが平成22年9月29日に公表されることを知ったとは認められないとして、原告の本件請求を認容し、本件決定を取消したため、被告(控訴人。国)が、これを不服として控訴した事案において、原告について金融商品取引法166条3項に該当する事実はなく、これがあるとしてされた本件決定は違法であるから、被告の本件請求を認容した原判決は結論において相当であるとして、控訴を棄却した事例。