2024.03.26
損害賠償請求控訴事件
LEX/DB25596756/札幌高等裁判所 令和 5年12月26日 判決 (控訴審)/令和5年(ネ)第216号
賃貸物件の管理業務等を業とする控訴人(原告)会社が、元従業員である被控訴人(被告)に対し、退職後の競業禁止を合意していたところ、退職直後に競業会社に就職し、退職前後に顧客に虚偽の事実を述べるなどして、当該顧客と控訴人の管理委託契約を解約させ、競業会社との間で同契約を締結させたとし、競業避止義務違反の債務不履行又は不法行為に基づく損害賠償金等の支払を求め、原審が控訴人の請求をいずれも棄却したことから、控訴人が控訴した事案で、被控訴人は控訴人に対し、本件合意のうち、控訴人が本店を置く市内において、退職後6か月の間、競業会社に就職して控訴人在職時に担当していた顧客に対して営業活動を行わないとの範囲で競業避止義務を負っていたと認められるところ、被控訴人にはそれに違反する行為があったといえるから、控訴人の請求は、被控訴人の競業避止義務違反による債務不履行と相当因果関係のある損害賠償を求める限度で認容すべきであるとして、原判決を変更した事例。