2016.03.15
法人税更正処分等取消請求事件
LEX/DB25447797/最高裁判所第二小法廷 平成28年 2月29日 判決 (上告審)/平成27年(行ヒ)第177号
平成21年2月2日にb社から新設分割により設立された原告(控訴人・上告人)が、当該分割は法人税法2条12号の11の適格分割に該当しない分割(非適格分割)であり、法人税法62条の8第1項の資産調整勘定の金額が生じたとして、同日から平成21年3月31日まで、同年4月1日から同22年3月31日まで、同年4月1日から同23年3月31日まで及び同年4月1日から同24年3月31日までの各事業年度に係る各法人税の確定申告に当たり、上記の資産調整勘定の金額からそれぞれ所定の金額を減額し損金の額に算入したところ、四谷税務署長が、組織再編成に係る行為又は計算の否認規定である法人税法132条の2を適用し、上記の資産調整勘定の金額は生じなかったものとして所得金額を計算した上で、上記各事業年度の法人税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分をしたため、原告が、被告(被控訴人・被上告人)国を相手に、上記各更正処分等の取消しを求め、原審は、原告の控訴を棄却したため、原告が上告した事案において、新設分割により設立された分割承継法人の発行済株式全部を分割法人が譲渡する計画を前提としてされた当該分割が、法人税法132条の2にいう「法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」に当たるとし、原審の判断は是認することができるとし、また、本件計画を前提とする当該分割が、各更正処分等を受けた原告の行為ではなく、当該分割の分割会社(同条1号)であるb社の行為であるからといって、同条による否認の対象とならないとはいえないとし、これと同旨の原審の判断は正当として是認することができるとして、上告を棄却した事例。