2015.02.24
憲法違反及び無効確認等請求事件(集団的自衛権巡る訴え)
LEX/DB25505492/東京地方裁判所 平成26年12月12日 判決 (第一審)/平成26年(ワ)第17722号
原告が、内閣総理大臣及びその他の国務大臣である被告らが行った平成26年7月1日付け「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」と題する閣議決定(本件閣議決定)のうち「3 憲法第9条の下で許容される自衛の措置」の部分が憲法9条に違反し無効であることの確認を求める(本件無効確認の訴え)とともに、被告らが本件閣議決定をしたことにより原告の憲法上の権利が侵害されたと主張して、被告らに対し、連帯して、不法行為(民法709条、民法710条)に基づき、慰謝料10万円の支払を求めた(本件損害賠償請求)事案において、本件閣議決定のうち、「3 憲法第9条の下で許容される自衛の措置」の部分によって、原告の権利義務に直接の影響が生ずるものとは認められないから、本件無効確認の訴えは、原告と被告らとの間の具体的な権利義務ないし法律関係の存否に関する紛争とはいえず、法律上の争訟に当たらないとし、また、公権力の行使として職務を行った公務員である被告らが、個人として民法709条に基づく損害賠償責任を負うことはないとして、原告の本件無効確認の訴えは、いずれも不適法であるからこれを却下し、本件損害賠償請求は、いずれも理由がないからこれを棄却するとした事例。