2014.07.22
傷害被告事件(乳児揺さぶり無罪事件)
LEX/DB25504001/広島地方裁判所 平成26年4月21日 判決 (第一審)/平成24年(わ)第878号
被告人が、長男Aに対し、その身体を両脇から抱え上げて激しく揺さぶる暴行を加え、よって、Aに完治不能の中枢神経障害後遺症を伴う急性硬膜下血腫の傷害を負わせたとして起訴された事案において、本件公訴事実記載の日時以前に、Aに慢性硬膜下血腫が生じており、それによって脳表と硬膜を結ぶ微細な血管が引っ張られ、その欠陥が自然にあるいは何らかの外部的圧力によって切れて急性硬膜下血腫を発症したというF医師の見解は否定できず、身体を激しく揺さぶる暴行がなくてもAに急性硬膜下血腫等の傷害が生じた可能性があり、間接事実を併せ考えても、被告人がAの身体を激しく揺さぶったと推認することはできないとし、無罪を言い渡した事例。