2013.10.01
損害賠償請求事件
LEX/DB25445882 / 仙台地方裁判所 平成25年 9月17日 判決 (第一審) / 平成23年(ワ)第1274号
宮城県石巻市内の被告B1学院が設置する本件C幼稚園に子供を入園させていた原告らが,平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)によって発生した本件津波に流されて、子供らが乗車した本件幼稚園Cの送迎バスが横転し,その後に発生した火災にも巻き込まれるなどし、上記子供らが死亡するに至ったのは,本件地震発生当時の本件幼稚園Cの園長であった被告B2園長らが津波に関する情報収集を懈怠し、送迎バスの出発や避難に係る指示・判断を誤ったことなどによるものである旨主張して、被告B1学院に対しては安全配慮義務違反の債務不履行又は民法715条1項の不法行為による損害賠償請求権に基づき、被告B2園長に対しては民法709条の不法行為による損害賠償請求権に基づき、それぞれ損害金及びその遅延損害金の連帯支払を求めたという事案において、被告B1学院の履行補助者(被用者)である被告B2園長が本件地震発生後に津波に関する情報収集義務の履行を怠った結果、本件小さいバスを眼下に海が間近に見える高台にある本件幼稚園Cから海側の低地帯に出発させて本件被災園児ら4名の津波被災を招いたといえるから、原告ら主張のその余の責任原因について判断するまでもなく、被告B1学院には安全配慮義務違反の債務不履行責任及び民法715条1項(使用者責任規定)の不法行為による損害賠償責任があり、被告B2園長には民法709条の不法行為による損害賠償責任があるとして、原告らの請求を一部認容した事例。