2021.12.14
殺人、殺人未遂、住居侵入、建造物侵入、銃砲刀剣類所持等取締法違反被告事件
LEX/DB25591126/神戸地方裁判所 令和 3年11月 4日 判決 (第一審)/平成30年(わ)第453号
被告人は、【第1】被告人方で、祖母b(当時83歳)に対し、その頭部等を金属製バットで殴打し、その後頸部及び背部を文化包丁(刃体の長さ約16.3センチメートル)で突き刺すなどし、左総頸動脈及び左椎骨動脈切損、右外頸静脈切断並びに右肺刺創により失血死させて殺害した事案、【第2】同日、被告人方敷地内で、祖父c(当時83歳)に対し、その頭部等を前記金属製バットで殴打し、その頸部等を文化包丁で突き刺すなどし、右総頸動脈及び右内頸静脈切損により失血死させて殺害した事案、【第3】同日、被告人方で、母d(当時52歳)に対し、その頭部等を金属製バット及び合板(重量約2キログラム)等で殴打し、その頸部を両手で絞め付けるなどして殺害しようとしたが、同人が逃走したため、加療約32日間を要する頭部挫創等の傷害を負わせたにとどまり、その目的を遂げなかった事案、【第4】同日、別宅の敷地内に侵入し、e(当時79歳)に対し、その頸部等を文化包丁で突き刺すなどし、左内頸動脈及び左外頸動脈切断並びに左内頸静脈切損により失血死させて殺害した事案、【第5】同日に、fが看守する小屋内に侵入し、g(当時65歳)に対し、その頭部等を文化包丁で突き刺すなどして殺害しようとしたが、抵抗されたため、全治約14日間を要する頭部刺創等の傷害を負わせたにとどまり、その目的を遂げなかった事案、【第6】同日、路上で文化包丁1本を携帯した事案で、被告人が5人を殺傷した当時、心神耗弱状態にあったことに間違いがないとまでは認められず、心神喪失状態にあったのではないかとの合理的疑いを払拭することができないとして、被告人に無罪を言い渡した事例(裁判員裁判)。