2021.07.06
市町村長処分不服申立て却下審判に対する抗告棄却決定に対する特別抗告事件
★「新・判例解説Watch」憲法分野 令和3年10月上旬頃解説記事の掲載を予定しております★
★「新・判例解説Watch」憲法分野 令和3年10月上旬頃解説記事の掲載を予定しております★
LEX/DB25571588/最高裁判所大法廷 令和 3年 6月23日 決定 (特別抗告審)/令和2年(ク)第102号
婚姻届に「夫は夫の氏、妻は妻の氏を称する」旨を記載して婚姻の届出をしたところ、国分寺市長からこれを不受理とする処分(本件処分)が不当であるとして、戸籍法122条に基づき、抗告人らが、同市長に上記届出の受理を命ずることを申し立て、本件処分は、上記届出が、夫婦が婚姻の際に定めるところに従い夫又は妻の氏を称するとする民法750条の規定及び婚姻をしようとする者が婚姻届に記載しなければならない事項として夫婦が称する氏を掲げる戸籍法74条1号の規定が憲法14条1項、24条、98条2項に違反して無効であるなどとして、抗告人らが不服申し立てをしたが、原々審は却下決定をし、原審も抗告棄却決定をしたため、抗告人らが特別抗告をした事案で、民法750条の規定が憲法24条に違反するものでないことは、当裁判所の判例とするところであり(最高裁平成26年(オ)第1023号同27年12月16日大法廷判決・民集69巻8号2586頁(平成27年大法廷判決))、上記規定を受けて夫婦が称する氏を婚姻届の必要的記載事項と定めた戸籍法74条1号の規定もまた憲法24条に違反するものでないことは、平成27年大法廷判決の趣旨に徴して明らかであり、平成27年大法廷判決以降にみられる女性の有業率の上昇、管理職に占める女性の割合の増加その他の社会の変化や、いわゆる選択的夫婦別氏制の導入に賛成する者の割合の増加その他の国民の意識の変化といった原決定が認定する諸事情等を踏まえても、平成27年大法廷判決の判断を変更すべきものとは認められないとして、本件抗告を棄却した事例(反対意見、補足意見、意見がある)。