2020.08.04
損害賠償請求事件
LEX/DB25566236/高知地方裁判所 令和 2年 6月30日 判決 (第一審)/平成28年(ワ)第135号
被告が運営する被告病院の集中治療室(ICU)において、ベッドから転落して頭蓋骨骨折等の傷害を負い、脳死とされる状態となり、そのまま意識を回復することなく約3か月半後に死亡した患者(当時26歳・男性)の両親である原告らが、被告に対し、患者がベッドから転落し、脳死とされる状態という重篤な傷害を負った事故が発生したのは、被告病院が患者の転落を防止し、又は、転落により重篤な傷害が発生することを防止するための措置を講ずべき義務を懈怠した過失があったためであり、さらに、患者が死亡したのは、本件事故に加え、その後の不適切な輸液投与を行った過失があったためであるとして、主位的に患者が死亡したことによる損害につき、予備的に患者が脳死とされる状態となったことによる損害(金額は死亡の場合と同額)について、原告ら固有の慰謝料と併せて、債務不履行又は不法行為に基づき、それぞれ損害金の支払等を求めた事案で、被告に本件事故の予見可能性が認められず、また、2月の輸液投与についても、被告に過失があったとは認められないとして、原告らの請求を棄却した事例。