2020.04.14
損害賠償請求事件、共同訴訟参加事件
LEX/DB25565089/東京地方裁判所 令和 2年 2月13日 判決 (第一審)/平成29年(ワ)第40038号等
パチスロ機及びパチンコ機並びにその周辺機器の開発、製造、販売等を行い、東京証券取引所ジャスダック市場に上場している原告が、海外事業統括の業務を委嘱された取締役であり、かつ、海外子会社の代表者であった被告に対し、これらの役職に在任していた当時、被告が、〔1〕被告及び被告の親族の資産管理会社であり、原告の親会社でもある香港法人の第三者に対する貸金債権を回収する目的等で、原告の海外子会社の代表者として、当該第三者が関与する会社に対して1億3500万香港ドルを貸し付けた行為、〔2〕自己の個人的な利益を図る目的で、原告の海外子会社の代表者として、受取人白地の1600万香港ドルの小切手を振り出した行為、〔3〕上記資産管理会社が金融機関から借入れを行う際に、原告の海外孫会社の取締役に指示をし、当該会社の預金を担保に供させた上で、同資産管理会社が負担すべき利息相当額等を当該会社に支払わせたとして、被告の上記各行為は、原告の取締役としての善管注意義務、忠実義務に反するものであり、原告はその調査のために調査委員会を設置してその費用を支払ったところ、被告の任務懈怠と原告の同費用の支払との間には相当因果関係が認められるとして、会社法423条1項に基づき、同費用相当額の損害金の支払等を求めた事案で、被告の任務懈怠と原告が支払った調査費用との間に相当因果関係を認め、原告の請求を認容した事例。