2018.11.27
神奈川県議会議員政務活動費不正受給確認請求事件
LEX/DB25449809/最高裁判所第二小法廷 平成30年11月16日 判決 (上告審)/平成29年(行ヒ)第404号
神奈川県の住民である被上告人(被控訴人・原告)が、県議会の会派であるB(本件会派)が平成23年度から同25年度まで(本件各年度)に交付を受けた政務調査費及び政務活動費に関し、収支報告書に支出として記載されたものの一部は実際には支出されていないから、本件会派はこれを不当利得として県に返還すべきであるにもかかわらず、上告人はその返還請求を違法に怠っているとして、地方自治法242条の2第1項3号に基づき、上告人(控訴人・被告。県知事)を相手として、上告人が本件会派に対する不当利得返還請求権の行使を怠ることが違法であることの確認を求めた住民訴訟で、被上告人の請求を認容したため、上告人が上告した事案で、神奈川県議会政務活動費の交付等に関する条例に基づいて交付された政務活動費等について、その収支報告書上の支出の一部が実際には存在しないものであっても、当該年度において、収支報告書上の支出の総額から実際には存在しないもの及び使途基準に適合しないものの額を控除した額が政務活動費等の交付額を下回ることとならない場合には、当該政務活動費等の交付を受けた会派又は議員は、県に対する不当利得返還義務を負わないものとし、これと異なる原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、原判決を破棄し、第1審判決を取消し、被上告人の請求を棄却した事例。