2018.08.28
不当利得返還等請求控訴事件
★「新・判例解説Watch」財産法分野 10月下旬頃 解説記事の掲載を予定しています★
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LEX/DB25560652/東京高等裁判所 平成29年 3月 9日 判決 (控訴審)/平成28年(ネ)第2611号
訴外A社に対して金属スクラップを継続・反復して売却する取引を行い、A社が代金を完済するまで売買目的物の所有権を留保する旨を合意していた被控訴人(被告)が、A社の支払停止に伴い、被控訴人がA社に売却し、同時点で同社の工場内に保管されていた金属スクラップ等についての動産引渡断行の仮処分命令に基づき上記動産を当該工場から引き揚げ、処分したところ、A社に対する融資を担保するため、A社が同社の工場内で保管する在庫製品等に対して集合動産譲渡担保を設定していた控訴人(原告)が、上記動産について、控訴人と被控訴人とは対抗関係に立ち、対抗要件を具備しない被告による処分行為は不法行為を構成し、又は、これにより得た利益は不当利得に当たると主張して、被控訴人に対し、上記動産の価格に相当する金額及び遅延損害金又は民法704条所定の利息の支払を求めたところ、原判決は控訴人の請求を棄却したため、これを不服として控訴した事案において、本件動産譲渡担保の範囲は、目的物の種類(非鉄金属製品の在庫製品等)、数量(全部)及び保管場所(本件工場)により特定されており、被控訴人自認超過部分(一部の各品目を除いたもの)について留保所有権の消滅が認められる以上、その品目及び数量に係る損害が発生したものと認め、控訴人に対する不法行為を構成するとして、原判決を変更し、控訴人の請求を一部認容した事例。