2018.08.15
人身保護請求事件
(平成30年7月17日名古屋高等裁判所(平成30年(人ナ)第4号)の第一審)
(平成30年7月17日名古屋高等裁判所(平成30年(人ナ)第4号)の第一審)
LEX/DB25560799/名古屋高等裁判所金沢支部 平成29年11月 7日 判決 (第一審)/平成29年(人ナ)第1号
米国に居住する請求者(被拘束者の父。日本人)が、日本に居住する拘束者(被拘束者の母。日本人)に対し、人身保護法に基づき、被拘束者(請求者と拘束者の二男。アメリカ合衆国で出生し、日本との二重国籍を保有)の釈放を求めた事案において、被拘束者が拘束者によって身体の自由を拘束されているとは認められず、請求者の本件請求は被拘束者の自由に表示した意思に反するから、被拘束者の監護権の帰属が問題となることはないのであり、請求者の主張するように別件米国裁判によって拘束者が被拘束者の監護権を失い、請求者が監護権を有するとしても、本件の結論は左右されないとし、また、拘束者による監護状況や13歳という年齢(自己の置かれた状況を理解してその意思を表明し得る年齢)にある被拘束者の意向などを考え、拘束者による監護が被拘束者の福祉に反するとはいえず、監護(拘束)の違法性が顕著であるとも解せられないとして、本件請求を棄却した事例。