2018.04.10
大崎事件第3次再審請求開始決定に対する即時抗告棄却決定
★「新・判例解説Watch」刑事訴訟法分野 7月上旬頃 解説記事の掲載を予定しています★
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LEX/DB25549643/福岡高等裁判所宮崎支部 平成30年 3月12日 決定 (抗告審(即時抗告))/平成29年(く)第19号
請求人が、殺人、死体遺棄被告事件(いわゆる大崎事件)で懲役10年に処せられた確定判決について、第3次再審請求をし、請求審における新証拠である鑑定及び新鑑定は、確定審、第1次再審請求及び第2次再審請求において提出された全証拠と併せて総合評価すれば、請求人の本件犯行への関与を認定した確定判決の事実認定には合理的な疑いがあるとし、原決定の再審開始決定に対し、検察官から即時抗告をした事案において、P2鑑定が確定審において提出されていた場合、その立証命題に関連する旧証拠に及ぼす影響により、確定1審判決の事実認定は維持し得なくなり、新旧全証拠をもってしても確定1審判決の認定した殺人、死体遺棄の事実を認定するに十分な証拠はないこととなり、新証拠であるP2鑑定は、新旧全証拠との総合判断により、確定1審判決の認定した殺人、死体遺棄の事実認定に合理的疑いを生じさせるに足りる証拠であると認められ、刑事訴訟法435条6号所定の「無罪を言い渡すべきことが明らかな証拠」に該当し、検察官の本件即時抗告を棄却した事例。