2017.12.26
詐欺未遂被告事件
LEX/DB25449113/最高裁判所第三小法廷 平成29年12月11日 決定 (上告審)/平成29年(あ)第1079号
被告人が、氏名不詳者らと共謀の上、A(当時84歳)をして、違約金を支払えばロト6に必ず当たる特別抽選に参加できる旨誤信させ、現金をだまし取ろうとしたが、警察官に相談したAがうそを見破り、現金が入っていない箱を発送したため、その目的を遂げなかった事案において、第1審判決は、被告人は詐欺未遂罪の共同正犯の罪責を負うとは認められないとして、被告人に対し、無罪を言い渡したため、検察官が控訴し、原判決は、被告人が欺罔行為後の共謀に基づき被害者による財物交付の部分のみに関与したという事実関係を認定し、これを前提として、だまされたふり作戦の開始にかかわらず、被告人については詐欺未遂罪の共同正犯が成立するとし、これを認めなかった第1審判決には、判決に影響を及ぼすことの明らかな事実誤認があるとして、第1審判決を破棄し、被告人を懲役3年、執行猶予5年に処したため、被告人が上告した事案において、被告人が共犯者らと共謀の上被害者から現金をだまし取ろうとしたとして、共犯者による欺罔行為の点も含めて詐欺未遂罪の共同正犯の成立を認めた原判決は正当であるとして、上告を棄却した事例。