注目の判例

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2020.02.04
詐欺、窃盗、詐欺未遂被告事件
LEX/DB25570664/最高裁判所第一小法廷 令和 2年 1月23日 判決 (上告審)/平成29年(あ)第2073号
被告人が知人女性から預かった鞄の中にあった財布内からクレジットカードを窃取した上、さらに同人になりすまして同カードを使用して商品を詐取し、あるいは詐取しようとしたが未遂に終わったとして起訴され、クレジット機能付きポイントカードを詐取し、さらにこれを使用して財布等を詐取した犯行については、被告人が犯人である可能性が高いとは言えるものの、被告人以外の人物が各犯行を行ったことを否定できるほどの事情は認められないとして、無罪を言い渡し、その余の犯行については犯人と認め、第1審判決は懲役2年6月、執行猶予4年を言い渡したため、双方が控訴し、控訴審判決は、一切事実の取調べをしていないが、直ちに判決をすることができるとして自判し、被告人を本件公訴事実についても有罪として、懲役2年6月に処したため、双方が上告した事案で、控訴審判決は、本件公訴事実の存在を確定せず無罪を言い渡した第1審判決を事実誤認で破棄し、およそ何らの事実の取調べもしないまま本件公訴事実を認定して有罪の自判をしたのであって、控訴審判決は、最高裁判例(昭和31年7月18日最高裁大法廷判決、昭和31年9月26日最高裁大法廷判決)と相反する判断をしたものであるとして、控訴審判決を破棄し、高等裁判所に差し戻した事例。
2020.02.04
投稿記事削除請求事件
「新・判例解説Watch」憲法分野 4月上旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25580335/東京地方裁判所 令和 1年10月11日 判決 (第一審)/平成30年(ワ)第66号 等
原告が、ツイッターに投稿された原告の過去の逮捕歴に係る本件各投稿記事により原告の前科等を公表されない利益や社会生活の平穏を害されない利益が侵害されていると主張して、同ウェブサイトを管理運営する被告に対し、前記各利益に係る人格権及び人格的利益に基づく妨害排除請求権に基づき、本件各投稿記事の削除を求めた事案において、本件各投稿記事がグーグルにおける検索結果では表示されず、ツイッターにおける検索結果においてのみ表示されるものであって、本件各投稿記事が伝達される範囲は一定程度限られたものであることを考慮したとしても、本件逮捕に関する事実を公表されない原告の法的利益は、本件各投稿記事により本件逮捕に関する事実の公表を継続する法的利益ないし必要性に優越するものと認められるとして、原告の請求を認容した事例。
2020.02.04
親子関係不存在確認事件
「新・判例解説Watch」国際私法分野 2月中旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25580357/名古屋家庭裁判所豊橋支部 平成30年10月 2日 判決 (第一審)/平成30年(家ホ)第18号
原告が被告に対し、原告の母である原告法定代理人母は、被告と婚姻中に原告を懐胎したが、懐胎当時、母と被告が性交渉をもった可能性がなく、原告は被告の子ではないとして、原告と被告との間の親子関係が存在しないことの確認を求めた事案において、準拠法についての検討で、親子関係の成立という法律関係のうち嫡出性取得の問題を一個の独立した法律関係として規定している法の適用に関する通則法28条、29条の構造上、親子関係の成立が問題になる場合には、まず嫡出親子関係の成立についての準拠法により嫡出親子関係が成立するかどうかを見た上、そこで嫡出親子関係が否定された場合には、嫡出とされなかった子について嫡出以外の親子関係の成立の準拠法を別途見いだし、その準拠法を適用して親子関係の成立を判断すべきであるとし、本件の母(本国法:ルーマニア法)及び被告(本国法:日本法)は、日本で婚姻し、婚姻生活を送り、離婚していることから、離婚当時、婚姻の効力を規律した法律は日本法であるとし、法の適用に関する法律41条により、日本法が適用されることとなり、被告の本国法も日本法であることから、嫡出親子関係に係る準拠法は日本法となるとした上で、母と被告とは、母が原告を懐胎した頃には、事実上離婚状態にあり、また、科学的証拠により原告と交際相手eとの間に親子関係が存在することが認められるところ、翻って、原告と被告との間に親子関係が存在しないことが明らかであるから、原告は民法772条の推定を受けるものではなく、かつ、原告は、被告の子ではないことが明らかであるとし、原告と被告との間には、親子関係は存在しないとして、原告の請求を認容した事例。
2020.01.28
投稿記事削除仮処分命令申立事件
LEX/DB25580250/大阪地方裁判所堺支部 令和 1年12月27日 決定 (第一審)/令和1年(ヨ)第66号
債権者(歯科医院)が、債務者の管理・運営するウェブサイト上に投稿された記事により債権者の人格権(名誉権)が侵害されていると主張して、債務者に対し、人格権(名誉権)に基づき、上記記事の削除を求める仮処分命令の申立てをした事案において、本件記事の削除請求を基礎付ける被保全権利の存在について疎明があるとはいえないとして、債権者の申立てを却下した事例。
2020.01.28
相続税返還請求控訴事件
LEX/DB25564618/大阪高等裁判所 令和 1年10月10日 判決 (控訴審)/平成31年(行コ)第25号
平成18年11月8日に死亡したCを相続し、その相続税に係る納税申告(平成20年12月19日)において相続財産である株式の価額を同申告当時の財産評価基本通達に従って評価して納税した控訴人(原告)らが、被控訴人(被告。国)に対し、同申告に係る納税額(控訴人Aにつき3億1872万7000円、控訴人Bにつき848万4200円)と同申告後に改正された同通達の関係部分に従って株式の価額を評価して算出した納税額との差額を被控訴人が保持することには法律上の原因がない旨主張して、不当利得返還請求権に基づき、控訴人Aにおいては6692万0300円及び法定利息の支払を、控訴人Bにおいては106万2800円及び法定利息の支払をそれぞれ求め、これと選択的に、国税庁長官には、上記相続に係る相続税の申告納付期限である平成19年9月10日までに上記通達を改正すべき職務上の注意義務があり、伊丹税務署長には、平成24年3月2日(後述する判決により改正前の通達の合理性を否定する地方裁判所の判断がされた日)までに上記相続税につき減額更正処分をすべき職務上の注意義務があったにもかかわらず、これらの注意義務に違反したことにより控訴人らは前同額の損害を被ったと主張して、国家賠償法1条1項に基づき、前同額の金員及び遅延損害金の支払をそれぞれ求めたところ、原審は、控訴人らの請求をいずれも棄却したことから、これを不服とする控訴人らが控訴した事案で、控訴人らの本件各請求はいずれも理由がないとし、本件控訴を棄却した事例。
2020.01.21
地位確認等請求事件
LEX/DB25564433/東京地方裁判所 令和 1年 8月 7日 判決 (第一審)/平成29年(ワ)第23597号
被告の入社試験を受け、採用内定を得た原告が、その後、被告から内定を取り消されたが、本件内定取消しは、採用内定当時知ることができず、また知ることが期待できないようなものであって、取り消すことが解約権留保の趣旨、目的に照らして客観的に合理的と認められ、社会通念上相当として是認することができない事実に基づきなされたものであるから無効であり、被告との労働契約は成立しているとして、被告に対する労働契約上の地位確認及び賃金の支払を求めた事案で、「本件採用内定が被告の錯誤により無効といえるか」について、本件全証拠に照らしても、原告が被告に対し、その経歴や能力を詐称したこと(原告による欺罔行為)を認定することはできず、また被告において、これらの事情が本件採用内定の判断の基礎とした事情となったことや、これらの事情に関する認識が真実に反すること等についての主張及び的確な立証はなされていないから、被告の主張を採用することはできないとする一方、遅くとも、試用期間満了後の時点では、原告の雇用状況は一応安定していたと認められ、原告の被告における就労意思は失われたと評価するのが相当であるところ、本件訴えのうち、原告の被告に対する労働契約上の地位確認を求める部分(請求1)については、もはや訴えの利益がなく、却下を免れないが、本件採用内定通知に定められた労働契約の始期(平成29年1月1日)から同年7月9日までの賃金(バックペイ)請求については、使用者たる被告の責めに帰すべき事由により、原告が労務の提供ができなかった期間に当たり、原告はその間の賃金請求権を失わないから(民法536条2項)、その限度において理由があるというべきであるとして、原告の確認請求を却下し、賃金請求を一部認容した事例。
2020.01.21
損害賠償請求事件
LEX/DB25563894/名古屋地方裁判所 令和 1年 7月30日 判決 (第一審)/平成28年(ワ)第3483号
他人名義の偽造旅券を行使して日本に入国したスリランカ国籍の原告が、退去強制令書の発付処分を受けた後、難民不認定処分を受け、その後前記処分に対する異議申立てをし、同申立てが棄却された場合は難民不認定処分に対して取消訴訟等をする意向を示していたにもかかわらず、入国警備官らが、前記異議申立棄却決定の後、原告による難民不認定処分に対する取消訴訟等の提起を妨害するために、同棄却決定の告知をあえて遅らせて原告を収容し、同棄却決定の告知後は弁護士との連絡もできなくしたほか、原告に対してスリランカ帰国後に訴訟ができるとの虚偽の説明をするなどして、原告を強制送還したという一連の違法な公権力行使により、原告の裁判を受ける権利が違法に侵害されたとして、国家賠償法1条1項に基づき、損害賠償金及びこれに対する遅延損害金の支払を求めた事案で、国際慣習法上、国家は外国人を受け入れる義務を負っているわけではなく、裁判所における裁判を受ける権利が保障されていることを直接の根拠として、退去強制を受ける立場にあった原告について、本件不認定処分に対する取消訴訟を提起するまでの合理的期間、強制送還されない具体的権利が保障されていたと認めることはできないが、原告がスリランカに送還されてしまえば訴えの利益が失われることになるにもかかわらず、入国警備官らは、原告がスリランカに送還されてもなお前記訴訟を提起することが可能であるかのような誤った教示を行っており、これは、公務員たる入国警備官が職務上通常尽くすべき義務を尽くさなかったことにほかならないというべきであるから、国家賠償法上違法であると認めるのが相当であるところ、原告においては、裁判を受ける権利そのものが侵害されたのではなく、その前提となる適切な教示を受ける権利が侵害されていると認められ、原告の請求は、それによる慰謝料を求める限度で理由があるとして、請求を一部認容した事例。
2020.01.14
選挙供託金制度違憲国家賠償請求控訴事件 
LEX/DB25564528/東京高等裁判所 令和 1年12月11日 判決 (控訴審)/令和1年(ネ)第2797号
控訴人(原告)が、第47回衆議院議員総選挙における小選挙区選出議員の選挙に立候補しようとしたところ、公職選挙法92条1項1号が立候補のために必要と定める300万円または同額の国債証書を供託することができず、上記選挙に立候補することが許されなかったが、上記公職選挙法の規定は、憲法15条1項が保障する立候補の自由を侵害し、立候補資格について財産又は収入による差別を禁止する憲法44条ただし書並びに市民的及び政治的権利に関する国際規約25条に違反することが明らかであり、国会は、上記公職選挙法の規定を改正して供託の定めを廃止し又は少なくとも供託金の額を減額することが必要不可欠であったにもかかわらず、正当な理由なく、長期間にわたってそのような立法措置を怠ったものであるから、この立法の不作為は国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受けるものであると主張して、被控訴人(被告)である国に対し、同法1条1項に基づき慰謝料の支払を求め、原判決が、控訴人の請求を棄却したところ、控訴人が控訴した事案で、原判決は相当であるとし、控訴人の本件控訴を棄却した事例。
2020.01.14
損害賠償請求控訴事件
「新・判例解説Watch」財産法分野 1月下旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25564331/名古屋高等裁判所 令和 1年 8月22日 判決 (控訴審)/平成30年(ネ)第936号
控訴人が、被控訴人従業員らによる不招請勧誘禁止違反、適合性原則違反、説明義務違反、新規委託者保護義務違反、実質的一任売買、過当取引等の一連の違法行為が存在したとして、被控訴人従業員らに対し、不法行為又は債務不履行に基づく損害賠償請求として、また、被控訴人従業員らの不法行為は被控訴人会社の事業の執行についてなされたものであるとして、被控訴人会社に対し、民法715条に基づく損害賠償請求として、さらに、被控訴人役員らには、被控訴人会社における教育指導体制等の内部統制システム整備・運営義務違反があったとして、被控訴人役員らに対し、会社法429条1項に基づく損害賠償請求として、連帯して1698万3780円の支払等を求めたところ、原審は、被控訴人T及び被控訴人Iの新規委託者保護義務違反、被控訴人従業員らの指導・助言義務、信任・誠実公正義務違反、被控訴人会社の使用者責任及び被控訴人役員らの法令等遵守及び内部管理体制を確立・整備し、適正な勧誘・受託の履行を確保すべき任務の懈怠を認め、控訴人の過失割合を4割、控訴人の損害額は1019万0268円と認めるのが相当であるとし、控訴人の請求を、被控訴人従業員ら、被控訴人会社及び被控訴人役員らに対し、連帯して、1019万0268円の支払を求める限度で一部認容したため、双方がこれを不服として控訴した事案で、控訴人の請求は、被控訴人らが、控訴人に対し、連帯して、1018万3880円の支払等を求める限度で理由があると判断し、原判決を変更した事例。
2020.01.14
懲戒処分無効確認等請求控訴事件 
LEX/DB25564423/東京高等裁判所 令和 1年 6月27日 判決 (控訴審)/平成31年(ネ)第630号
被控訴人(被告。放送法に基づく基幹放送事業及び一般放送事業等を目的とする株式会社)の従業員である控訴人(原告)が、被控訴人に対し、控訴人の受けたけん責処分が懲戒権の濫用に当たり無効であって、違法な懲戒処分により精神的苦痛を被ったと主張して、けん責処分の無効確認とともに、不法行為に基づく損害賠償金の支払等を求め、原審は、控訴人の請求について、けん責処分の無効確認請求に係る訴えを却下し、その余の請求を棄却し、控訴人が控訴した事案で、当審における当事者の補充主張についても、控訴人の主張は採用することができないとし、本件控訴を棄却した事例。
2020.01.07
遺留分減殺請求事件
LEX/DB25570618/最高裁判所第三小法廷 令和 1年12月24日 判決 (上告審)/平成30年(受)第1551号
亡Aの長女である被上告人が、Aがその所有する一切の財産を長男である上告人に相続させる旨の遺言をしたことにより遺留分が侵害されたと主張して、上告人に対し、遺留分減殺請求権の行使に基づき、第1審判決別紙遺産目録記載の各不動産について遺留分減殺を原因とする持分移転登記手続を求めるとともに、上告人が上記遺言によって取得した上記財産のうち解約済みの預貯金及び現金並びに上記各不動産の一部について上告人がAの死後に受領した賃料に係る不当利得の返還等を求め、被上告人の遺留分の侵害額の算定に関し、合資会社の無限責任社員であったAが、退社により本件会社に対して金員支払債務を負うか否かが争われた事案の上告審において、無限責任社員であるAが本件会社を退社した当時、本件会社は債務超過の状態にあり、退社時における計算がされた結果、Aが負担すべき損失の額がAの出資の価額を超える場合には、定款に定めがあるなどの特段の事情のない限り、Aは、本件会社に対してその超過額の支払債務を負うことになるとした事例。
2020.01.07
覚せい剤取締法違反被告事件
LEX/DB25570614/最高裁判所第二小法廷 令和 1年12月20日 判決 (上告審)/平成30年(あ)第437号
被告人は、Aとの間で、覚せい剤100gを代金80万円で譲り渡すこと、覚せい剤は80gと20gに分けて引き渡すことを約束し、代金全額を被告人名義の預金口座に入金させた。被告人は、その約束に係る覚せい剤の一部として、覚せい剤78.76gを、宅配便により発送し、Aに覚せい剤を譲り渡そうとしたが、未遂に終わった事件で、原判決は、被告人が薬物犯罪である本件譲渡未遂により得た財産は、本件覚せい剤の代金相当額に限られるとし、被告人は、約束した覚せい剤100gのうち、その8割に相当する分として本件覚せい剤を発送したと認め、麻薬特例法2条3項にいう「薬物犯罪の犯罪行為により得た財産」は64万円であり、既に費消されて没収することができないので、同額を追徴すべきものとしたが、当最高裁では、被告人は、覚せい剤100gを代金80万円で譲渡するという約束に基づき、代金の支払を受けるとともに、本件覚せい剤の譲渡の実行に着手したもので、代金全額が、その約束に係る覚せい剤の対価として本件譲渡未遂と結び付いており、本件譲渡未遂を原因として得た財産といえるから、麻薬特例法2条3項にいう「薬物犯罪の犯罪行為により得た財産」として薬物犯罪収益に該当するとした事例(補足意見がある)。
2020.01.07
発信者情報開示請求事件
LEX/DB25564448/大阪地方裁判所 令和 1年12月 3日 判決 (第一審)/令和1年(ワ)第7518号
被告の提供するインターネット接続サービスを介してインターネット上のウェブサイトに投稿された投稿記事は、原告(NHK)の社会的評価を低下させるものであり、原告の権利を侵害することは明らかであると主張して、被告に対し、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律4条1項に基づき,本件投稿に関する発信者情報の開示を求めた事案で、被告は、本件投稿に関してプロバイダー責任制限法4条1項の「開示関係役務提供者」に該当し、本件発信者情報を保有していることが認められ、本件投稿により原告の名誉ないし信用が侵害されたことが明らかであるから、原告が本件投稿の発信者に対する損害賠償請求等を行うために、被告に対して本件発信者情報の開示を求めることには正当な理由が認められるとして、原告の請求を認容した事例。
2020.01.07
管理組合資料等閲覧謄写請求事件
LEX/DB25564404/名古屋地方裁判所 令和 1年10月25日 判決 (第一審)/令和1年(ワ)第2323号
マンション管理組合である被告が保管する各銀行預金通帳、訴訟代理人弁護士への委任にかかる費用についての請求書及び銀行振り込み領収書(本件各文書)について、当該マンションの区分所有者である原告が、民法645条に基づき、閲覧及び謄写(コピー各1部)を請求した事案において、原告の請求のうち、被告の管理事務所で閲覧及び閲覧の際の写真撮影について、一部認容した事例。
2019.12.24
器物損壊,道路交通法違反,窃盗被告事件 
LEX/DB25570599/最高裁判所第一小法廷 令和 1年12月10日 決定 (上告審)/平成30年(あ)第1409号
被告人の記名のみがあり署名押印がいずれもない控訴申立書による控訴申立ては、同申立書を封入した郵便の封筒に被告人の署名があったとしても、無効と解すべきであり、これと同旨の原判断は正当として是認できるとし、本件上告を棄却した事例。
2019.12.24
損害賠償請求控訴事件
LEX/DB25564418/東京高等裁判所 令和 1年 7月17日 判決 (控訴審)/平成30年(ネ)第4718号
心臓病でA医療センターに入院中の本件患者が、ペースメーカー植込手術が必要になったが、体重の重さが原因で手術に伴う所要の検査の安全な実施が確保できないために、被告病院に転院することになり、本件患者は、転院当日、救急車で被告病院の救急外来の処置室に到着し、所要の診察・検査を終えた後、徒歩で病室に移動中に突然倒れ込んで一時心肺停止状態になり、その50日余り後に死亡した。そこで、本件患者の両親である第1審原告らは、被告病院の医師には、〔1〕病室への移動に当たっては、致死性不整脈の発症を予見し、移動用ベッド等を利用すべきであった(徒歩移動がやむを得なかったとしても、酸素投与、移動用モニターの装着等の措置をとるべきであった。)、〔2〕徒歩移動中に本件患者が苦しいと申告した時点で、直ちに酸素投与、移動用モニターの装着等の措置をとった上で移動用ベッド等を利用すべきであったところ、これらを怠った注意義務違反ないし過失があるなどと主張して、第1審被告に対し、債務不履行又は不法行為に基づき、損害賠償金の支払を求め、原判決は、第1審原告らの請求を全部棄却したため、これに不服とする第1審原告らが控訴した事案で、被告病院の医師が、前院であるA医療センターにて本件患者に許可されていた歩行の範囲を超えて本件患者を歩行させたとの事実を認めることはできず、被告病院の医師に注意義務違反ないし過失があったとする第1審原告らの主張は採用できないなどとして、本件控訴を棄却した事例。
2019.12.24
保険金請求事件
LEX/DB25564387/大阪地方裁判所 平成31年 3月27日 判決 (第一審)/平成29年(ワ)第4633号
1階で飲食店を営み2階の一部で居住していた原告が、損害保険会社である被告に対し、本件建物は本件火災により半焼したものであるなどと主張して、火災保険契約に基づき、火災保険金の支払等を求めたところ、被告は、本件火災は原告又はその意を受けた者によって起こされたものであって、免責条項の適用があるから、火災保険金の支払義務を負わないなどと主張して争っていた事案において、原告の請求が認容された事例。
2019.12.17
損害賠償請求事件
「新・判例解説Watch」行政法分野 1月下旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25570514/神戸地方裁判所 令和 1年10月 8日 判決 (第一審)/平成29年(ワ)第1051号
兵庫県三木市内に住所を有する住民である原告らが、三木市長等倫理条例4条1項に基づき当時の被告市長Eに審査請求をしたところ、Eが、同条例4条2項に反して、直ちに審査請求書及び添付書類の写しを三木倫理審査会に提出してその審査を求めず、これらの書類を審査請求者代表者の原告Aに返却したことが、国家賠償法上違法であり、これにより原告らが精神的苦痛を被ったと主張して、被告に対し、国家賠償法1条1項に基づき損害賠償を求めた事案において、Eは、原告らに対し、直ちに本件各書類について市長等倫理条例に施行規則3条に基づく形式的審査を行い、形式的要件を満たしている場合には、直ちに本件各書類を倫理審査会に提出して、審査を請求すべき職務上の法的義務を負っていたがこれに違反したと示し、Eが本件各書類を受け付けず、本件返却を行った過程には看過しがたい過誤があったなどとして、原告らの請求をそれぞれ一部認容した事例。
2019.12.17
自己株式処分不存在確認等請求事件(第1事件)、株主総会決議不存在確認等請求事件(第2事件)
LEX/DB25564355/大阪地方裁判所 平成31年 1月16日 判決 (第一審)/平成29年(ワ)第4267号 等
被告の本件株主総会の議事録に、被告の自己株式1000株をP6に対して譲渡する件について出席株主が満場一致でこれを賛成した旨の記載があり、また、その後、株主名簿においてP6が1000株を取得したことを前提とする記載があるところ、原告らが、主位的に、本件自己株式処分が不存在であることの確認を求め、予備的に、本件自己株式処分を無効とするとの判決を求めた事案(第1事件)、また、本件株主総会議事録に記載された、本件選任決議と本件自己株式処分決議について、主位的に、これらの決議が不存在であることの確認を求め、予備的に、これらの決議を取消しを求めた事案(第2事件)において、本件自己株式処分の不存在確認等の請求(第1事件)については、その不存在の確認を求める主位的請求については棄却し、これを無効とするとの判決を求める予備的請求については認容し、また、本件各決議の不存在確認等の請求(第2事件)のうち、不存在の確認を求める主位的請求については棄却し、決議取消しの判決を求める予備的請求については、本件選任決議のうちP5の取締役選任に係る部分及び本件自己株式処分決議の取消しを求める部分については認容し、その余の請求については棄却した事例。
2019.12.10
殺人、銃砲刀剣類所持等取締法違反被告事件(心斎橋通り魔殺人事件上告審判決)
LEX/DB25570577/最高裁判所第一小法廷 令和 1年12月 2日 判決 (上告審)/平成29年(あ)第621号
覚せい剤中毒後遺症の状態にあって「刺せ刺せ」などという幻聴が連続的に聞こえていた被告人が、頼ろうとしていた実兄に見捨てられ、知人に紹介された仕事も期待外れであったという思いから、将来に強い不安を抱く中、自殺することもできず自暴自棄となり、もう幻聴に従ってしまおうと考え、白昼の繁華街で、一人目の被害者(当時42歳)に背後から突進して包丁を突き刺した上、倒れた同人に馬乗りになって包丁を何回も突き刺し、その後、自転車を押しながら逃げようとしていた二人目の被害者(当時66歳)の背後から突進して包丁を突き刺した上、倒れた同人に包丁を何回も突き刺し、さらに、一人目の被害者が動いたことからその場に向かい同人に包丁を突き刺し、両名を殺害したという無差別殺人で、原判決が、被告人を死刑に処した第1審判決を量刑不当として破棄し無期懲役に処したため、検察官側、被告人側の双方が上告した事案で、原判決の刑の量定が甚だしく不当であり、原判決を破棄しなければ著しく正義に反すると認めることはできないとして、原判決の量刑を維持し、本件上告を棄却した事例。