事務所経営

「サクセス2018」で大切な関与先の事業承継支援に取り組もう!

とき:令和元年8月19日(月) ところ:TKC東京本社

平成30年度税制改正で特例事業承継税制が創設され、その適用条件となる「特例承継計画」の提出件数は今年6月末時点で3700件を超えた。一方でTKC会員の実践件数は全体の約1割と、さらなる実践が期待されている。TKC全国会特例事業承継税制対応プロジェクトの今仲清サブリーダーの司会のもとに行われた座談会では、事業承継支援を事務所経営の柱の一つと位置づけて積極的に取り組んでいる3名の会員が、関与先への提案や契約の方法、TKCシステムを活用した特例承継計画の策定、支援フローなどについて語り合った。

出席者(敬称略・順不同)
 鎌田裕次郎会員(TKC東北会)
 西方太地会員(TKC関東信越会)
 宇野元浩会員(TKC中国会)

司会/今仲 清会員(全国会特例事業承継税制対応プロジェクトサブリーダー)

座談会風景

期限は令和5年(2023年)3月末まで まずは適用条件となる計画を提出しておく

 今仲(司会)特例事業承継税制が昨年創設され、今年6月末までに「特例承継計画」の確認書は3718件交付されています。そのなかでTKC会員の実践は248事務所・335件にとどまっています。全体の約1割という実績は少し寂しいなと感じていました。
 そこで今日は、事業承継支援に力を入れている会員の皆さんに実際の取り組みや成果などを具体的にお話しいただきたいと思います。まず自己紹介を兼ねて、これまでの事業承継支援の取り組みや、特例承継計画の提出状況などについてお話しいただけますか。

宇野元浩会員

宇野元浩会員

 宇野 岡山県にある税理士法人エフ・エム・エスの所長の宇野です。2010年に現在の会長(楢原巧会員)から事務所を引き継ぎました。会長は事務所の承継を真剣に考えていて、65才のときに私に承継し、それからは事務所経営の前面には立たないという決断をされました。
 私自身がそういう経験をしているので関与先の事業承継を重視してきましたし、特に自分が所長になってからは事務所経営の柱に中堅企業の事業承継支援を位置づけています。
 特例承継計画については提出に向けて取り組んでいる企業が2件あります。1件は巡回監査先の関与先で、来年早々に計画を提出する予定です。もう1件は同じTKC会員から、関与先の事業承継支援業務のみを頼まれている企業です。特例事業承継税制が創設される以前は持ち株や種類株方式など会社法を駆使するようなかたちで事業承継支援を行っていましたが、いまは企業に有利なこの特例税制を提案しています。

 西方 新潟県の長岡市で開業している西方です。2018年6月に勤務していた会計事務所から暖簾分けしていただき独立開業しました。スタッフは5名います。関与先数は約70件で、そのうち約40件が暖簾分けのお客さまです。
 お世話になっていた事務所は老舗で優良なお客さまが多く、事業承継支援にはその頃から取り組んでいます。一般型の事業承継税制についてはこれまで4件活用しました。
 特例承継計画は5件提出していて、そのうち4件が関与先、1件が金融機関から紹介された会社です。計画の提出期間が令和5年3月末までと限られているので、あまりかしこまらずに対象と思われる先はとりあえず計画を提出しておこうというスタンスです。そうすることでお客さまの選択肢やこの特例事業承継税制の裾野が広がり、ひいては我々のビジネスチャンスにもつながると思っています。

 ──すでに特例承継計画を5件提出しておられるというのは積極的ですね。

 西方 事業承継支援に真正面から取り組もうと思っているのは事務所を大きくしたいという気持ちからです。業界では開業したばかりの後発の立場なので巡回監査を徹底しながら、そこに事業承継支援というパッケージを加えることでより高付加価値の業務を提供してお客さまに貢献できると考えています。
 ですから特例事業承継税制の創設を知り、全国で一番初めの計画提出を目指しました。この特例を使うのにふさわしいお客さまに提案し、計画書の記載例が公表された翌日に提出しました。実際に一番だったかどうかは分かりませんが(笑)。

 鎌田 宮城県仙台市から来ました鎌田です。税理士法人クラフトマンを、髙谷新悟会員と共に2017年9月に設立しました。関与先数は約100件です。
 事業承継支援に取り組み始めたのは2017年11月です。知人から、株式の承継・集約に困っている会社があるが、そこの顧問税理士が相談に乗ってくれないからと紹介を受けたのがきっかけです。事業承継支援に取り組んでみると、正解は一つではないという難しさとともに、いろいろな手法を駆使することでその企業により深く関わり、存続発展のお手伝いができることに面白さも感じています。
 特例承継計画は4件の提出を予定しています。内訳は巡回監査対象先の関与先が2件で、事業承継の相談を機に関与先になった先が1件、事業承継のみの支援先が1件です。それ以外に相談を受けている企業が1社あります。
 私も西方さんと同じように、計画を事前に出しておかなければ特例の措置が受けられないので、株式承継の予定がある関与先に積極的にご提案しています。

スポット業務ではなく企業に寄り添っていく 会計事務所だから長期的に支援できる

 ──最近よく耳にするのが、金融機関や大手税理士法人などから事業承継について提案を受けた関与先あるいは一般の企業が、その内容に疑問があって会計事務所に相談しにくるというケースです。そのあたり皆さんの事務所はどうですか。

 宇野 関与先があるコンサルティング会社から提案を受けましたが、そういう提案があったらほとんどのケースはすぐに事務所に連絡してくれています。知らないところでコンサルタントの提案通りに実行されてしまったら関与先が大変なことになってしまう可能性がありますから。
 コンサルタントの提案全てを否定するつもりはありませんが、今後10年、20年と関与先に寄り添って支援していくのは我々会計事務所です。関与先の歴史も見てきたし、経営者一族についても把握しています。私の場合、コンサルタントの提案全てを否定することなく承継対策の提案をしていますが、お客さまは「うちの会社のことをよく分かってくれているし、今後もフォローしてもらわないといけないので」と最終的にこちらの提案を取り入れられます。

西方太地会員

西方太地会員

 西方 私のいる新潟県でも、首都圏の大手税理士法人と地方の金融機関がタッグを組んで、企業へ攻勢をかけています。当然、彼らがターゲットにしているのは私たちの関与先の中でも優良な、業績も財務基盤も安定している企業です。ですから提案を受けた関与先から「こんな相談受けたけど先生どう思う?」と言ってもらえる関係作りは重要です。私の事務所では中堅企業や事業承継支援の候補先に、巡回監査時に情報提供を行い、定期的な株式移転など事業承継対策について頻繁に話をしています。
 コンサルタントなどの提案はあまり企業の実態を踏まえたものとは言えず、間違ってはいないけれども適切ではないと思える内容が多いという印象です。事業承継に必要なことは関与先の実態に合わせた「オーダーメイド型の提案」だと思うので、巡回監査を通じて関与先の実情をよく知っている我々は最適な提案を考えることが可能です。

 鎌田 以前、コンサルタントの提案内容を採用したものの本当にそれで良いかどうか不安になった企業を紹介されたことがあります。不安の主な要因は保険と銀行借入れの提案ばかりだった点でした。

 ──よくあるパターンですね(笑)。

 鎌田 スポット業務ゆえにその後良かったか悪かったかも分からず、会社の将来を真剣に考えてくれた提案だったのか疑問が生じたということです。この経験から事業承継支援はスポット業務で行うべきではないし、また行えるものではないと感じました。「長期的に見て継続的な支援」でなければ真に企業に役立つ事業承継支援にはならないのだと。
 私のいる地域でも特例事業承継税制創設をきっかけに首都圏の大手税理士法人と地域金融機関が優良企業に積極的に攻勢をかけているので、「事業承継支援から逃げることなく真正面から取り組まねば」とより強く決意しています。

お客さまへのヒアリングを重ねて最適な手法を考え抜く

 ──事業承継支援業務を行う際、関与先には皆さん自身で対応していますか?

 西方 事業承継は関与先の一番センシティブな話題ですし、民法や会社法などさまざまな法律が絡む難易度の高い業務です。何かあったら信頼関係にもかかわるので、スタッフ任せにせずに基本的に自分で対応しています。ただお客さまとの打ち合わせには必ずスタッフを同席させて今後の対策案や会社の実情などについて同じ認識を持ってもらっています。
 私は、巡回監査を“内科診断”と考え、それを踏まえた事業承継支援は“手術”と捉えています。通常とは異なる業務で、お客さまの会社にメスを入れるイメージです。手術の方法は特例事業承継税制も一つの有効な手段ですし、種類株や組織再編のスキームなどさまざまです。メスを入れる以上責任も伴ってきますので、お客さまへのヒアリングを徹底的に重ねて最もふさわしい手法を考え抜いています。

 鎌田 私の事務所も事業承継支援業務は私自身が担当し、スタッフの専担者は置いていません。巡回監査担当者が事業承継に関して関与先から相談を受けたときはその報告が上がってくる仕組みにし、担当者と共に関与先へ伺っています。

 宇野 事業承継に関する打ち合わせ、提案業務は私が、株価評価については担当スタッフが行っています。事業承継は難しいテーマです。事業を本当に引き継げるかという問題だけでなく、それを支援する会計事務所が、経営者と後継者の考え方の深い理解、一般常識、経験、法律など幅広く対応することが求められています。

提案時に業務工程表や株価算定をもとにした猶予税額と報酬額を提示する

 ──事業承継支援の提案はどのように行っていますか。業務工程表の使い方や報酬の提示のタイミングなども合わせてお聞かせいただけますか。

 宇野 ProFITに掲載されている今仲先生の契約書のひな形などを活用しています。巡回監査先でないお客さまには提案書を持参して毎月訪問し、人柄や考え方を理解することに力を入れています。資産面とともに経営者の経験、事業への思い全てを引き継いでいくのが事業承継なので、いかに本音の言葉を聞き出せるかが勝負です。業務工程表をお見せするとお客さまはやはり安心されます。
 また議決権の移動について、経営者に「後継者に株式を譲るということは、後継者からクビと言われたら本当にそうなる可能性があります。承継するというのはそういうことで、その意思決定は社長ご自身がするのですよ」ときちんと説明しています。言いにくいことですが、後々もめたら皆が不幸になるからです。

 西方 おっしゃるように事業承継という関与先の覚悟に寄り添っていく我々も覚悟が必要と感じています。
 事業承継支援業務の関与先への提案については、直近で行った2件はProFITに掲載されている今仲先生の事務所の業務工程表を利用させていただきました。シンプルかつ有益な情報のみ記載するのでとても役立っています。
 特例事業承継税制を活用する場合は事前にお客さまと打ち合わせを行い、スケジュール表を使って提案しています。株式移転と経営権の移転時期を中心に、いつ何をするか可視化したものです。
 その際、事前に実施しておいた株価評価をもとに、贈与税、相続税の猶予額を示して、「ついては今回の報酬の御見積もりはこうなります」とお伝えしています。前もって猶予税額を示すことでお客さまも取り組む価値がよく分かり、報酬にも納得していただけます。
 報酬については巡回監査とは異なる作業が発生するため、巡回監査先であっても別扱いとし、株価評価を含め付随業務で行うことはありません。

 宇野 会計事務所は報酬を得るのが上手ではないとよく思っていたのですが、それではいけないと気づかせてくれたのがお客さまです。通常業務で株式を後継者にスムーズに渡すための支援をしていたのですが、事務所の経営方針発表会の懇親会の席で、「手間暇のかかる仕事をしてその対価をきちっと取らない。それではあなた、経営者としてだめだ」と。はっとさせられて、それからは株価評価を行う際にも報酬をいただいています。

年間契約で継続的に関与するから事業承継支援のノウハウが蓄積される

 ──鎌田先生は事業承継支援の提案や報酬などはどうしていますか。

鎌田裕次郎会員

鎌田裕次郎会員

 鎌田 契約時のプレゼンテーションは書面で行い、工程表に基づいて業務内容と料金の目安を話しています。工程表などは私も今仲先生の事務所のひな形をベースにさせていただきました。
 報酬は、お客さまの年取引金額(売上)、所得金額、総資産をベースに、月額で提示しています。事業承継支援に取り組んで実感したのは、業務の量や知識の量、責任とリスクの面から考えて、決して廉価ではできないということです。

 ──正直、大手税理士法人などのように一件○千万円といった報酬を得ないと利益が出ないのがこの仕事の特徴だと思います。けれども一時的なスポット業務ではお客さまのためにならない。事業承継支援は大変な面もありますが、我々税理士の社会的責任の一つです。日本の優良な中小企業がいなくなってしまうのですから。そうしたことからお客さまを第一に考え、また適正な報酬も考慮して、業務工程表や契約書を準備し、一時的ではない年間契約が重要になると考えたのです。

 鎌田 年間契約で2年目の延長を依頼された会社があります。中堅企業で知識が豊富なためこちらも勉強して必死に取り組んできましたが、1年経った今、その経験が大きな自信になっていると感じます。

 ──事業承継支援が1年で終わることはほとんどないですよね。1年契約を終えたらそれまでに行った仕事を事後工程表にして、今後の支援内容についてお客さまと話し合って決めていけばよいと思います。

後継者は特例承継計画の作成を通じて経営者としての意識が芽生える

今仲 清全国会特例事業承継税制対応プロジェクトサブリーダー

今仲 清全国会特例事業承継税制対応
プロジェクトサブリーダー

 ──特例承継計画の作成方法についてお聞かせください。

 宇野 会計事務所主導だと絵に描いた餅になってしまうので、後継者にも入ってもらい関与先に主体的に考えてもらうように促し、それをフォローしています。いざ後継者が会社を継いだときに計画の作り方や数字の仕組みなどが分からないということのないよう、引き継ぐ前に腹に落とせているかどうかが大切です。

 ──後継者の育成は事業承継において極めて重要ですね。TKC全国会中小企業支援委員会が制作した『後継者塾テキスト』などを活用して、継続的に取り組んでいくべきテーマだと思います。

 鎌田 私も計画の作成は後継者が会社の将来を考える機会と捉えています。自社の強み、弱みを真剣に考え、5年後にどうなりたくて何を伸ばせばそれが実現できるかという目標を持っていただく。
 そのために計画の様式と記載例を渡して主体的に考えてもらい、原案を作っていただいています。その計画をベースにヒアリングを重ね、会計事務所としての観点から補正し、我々の意見を書いて県への提出版を作り上げます。

 西方 計画を作る基本的な流れは、「関与先と打ち合わせ→計画策定・スケジュール表作成→打ち合わせ→見直し計画策定」です。打ち合わせは最低2回実施し、経営者だけでなく後継者、奥様など家族の方にも参加してもらいます。社長と後継者の仲が良い悪いなどにかかわらず、あとから「言った・言わない」となると大変だからです。議事録も作成しています。
 計画は基本的にはその話し合いの内容をもとに、私のほうである程度かたちにしています。もともと策定している継続MASでの将来の計画に、社長が退任する時期や不動産の対策をする時期などを詳細に入れていきます。
 これまでどちらかというと会計事務所主導でしたが、皆さんのお話をうかがい、ラフでもよいから後継者に計画を作成してもらい、「この時期までに会社をこうしたい」といった経営者としての意識が芽生える機会にしていきたいと思います。

サクセス2018でワンランク上の支援を

 ──TPS8000シリーズや今年6月に提供された「サクセス2018(事業承継基本方針書作成システム)」などTKCシステムはどう活用していますか。

 西方 4件の特例承継計画を作りましたが、TPS7000シリーズ、8000シリーズはすばらしいシステムです。何が良いかと言うと相続税の評価や申告だけでなく、相続前の生前対策を含めて複合的な視点から設計されている点です。
 具体的にはまずTPS8100(財産評価システム)を使って株価算定。それがなければ始まりません。それからTPS8800(事業承継税制適用支援システム/特例事業承継税制対応版)を事業承継税制の適用時の検討に使用します。このシステムは事業承継税制の報告をすでに行った関与先のスケジュール管理ができ、過去の記録も残るので便利です。申請手続きのフローを覚える意味でも分かりやすい。
 TPS8000(相続税申告書作成システム)は簡単に相続税の申告ができますし、TPS8200(相続税対策支援システム)は相続税対策としてお客さまの目の前でシミュレーションを見せられます。それによってお客さまも腑に落ちるので、「だからこそ、今その対策が必要なのです」とお伝えできます。
 このようにTKCシステムで事業承継支援業務の一括管理が可能で、特例承継計画をスムーズに提出することができています。

 宇野 一度使ってみるとその緻密さ、便利さに驚きますよね。

 西方 それに加えて最近提供された事業承継基本方針書が作成可能な「サクセス2018」がこれまたすばらしい。新たな案件で利用してみたのですが、継続MASTPS8000シリーズが連携されているので、我々の普段の業務との親和性が極めて高い。業務工程表の一部を代替できますし、事業承継基本方針書で承継計画を細かくシミュレーションできるので提案ツールとしての機能が果たせます。今後は独自の工程表を作成するよりも「サクセス2018→TPS8800」の流れで取り組むつもりです。
 この方針書は、事業承継の関係者が、いつ、何をすべきかが一目瞭然です。私の頭の中だけで処理されていたものが可視化されるので、事業承継支援業務を職員レベルに落とし込む上で、つまり職員錬成という面においても有効だと感じています。

 ──サクセス2018は我々の通常業務の積み重ねの上にできたシステムで、労力をかけることなくワンランク上の事業承継支援が行えるという優れものです。

 鎌田 私もサクセス2018で作成される事業承継基本方針書のひな形を見たときすごいと思いました。お客さまにお伝えすべき事項がこの1枚に詰まっているからです。さっそく所内会議でこの内容についてスタッフと共有しましたが、使わない手はないと思います。

事業承継支援は大切な関与先を守ること 自信を持って取り組んでいこう!

 ──最後にこれから事業承継支援に取り組もうとしている会員へひと言をお願いします。

 宇野 事業承継支援にチャレンジすることで事務所全体の力が向上したと感じています。企業が永続的に繁栄していくために必要なノウハウが、事業承継支援業務には全て詰まっているからです。
 大きなことを言えば事業承継問題が解決されずにいると日本経済は衰退します。ぜひお客さまの発展を願い、日本を支えるという気持ちでも共に取り組んでいけたらと思います。

 西方 事業承継は会社にとって最もセンシティブな部分ですが、我々TKC会員事務所の武器は、何よりも巡回監査を通じて関与先のことを熟知していることです。その自負を持ち、関与先に合わせたオーダーメイド型の事業承継を設計できるように取り組んでいきます。
 まだ取り組んだことのない会員はまずは株価算定から始めてほしいと思います。TPS8100と事業承継対策立案のためにTPS8200TPS8800サクセス2018をぜひ使ってください。

 鎌田 事業承継支援は会計事務所にとってもはや避けて通れない業務です。優良関与先企業の離脱防止、事務所防衛の観点からも必須です。特例事業承継税制が創設されて関心も高まっているので、事業承継支援を事務所経営の柱の一つとしていきたいと思います。関与先が発展し続けるための力に必ずなれると信じて、ぜひ前向きに取り組んでいきましょう。

 ──事業承継支援は大切な関与先を守っていくものであり、国も特例事業承継税制を創設するなど環境は整いました。1人でも多くの会員が取り組まれることを願って座談会を終えたいと思います。

(構成/TKC出版 清水公一朗)

(会報『TKC』令和元年10月号より転載)