2022.08.23
準強制わいせつ被告事件
LEX/DB25593012/福岡高等裁判所 令和 4年 7月21日 判決 (控訴審)/令和3年(う)第316号
診療放射線技師である被告人が、学校敷地内に停めた胸部検診車内において、正当な胸部レントゲン検査を受けるものと誤信して抗拒不能の状態にあるA(当時15歳)に対し、その背後に立って脇の下から両手を回し、着衣の上からAの両胸をもみ、もって人の抗拒不能に乗じてわいせつな行為をしたとしたて起訴され、原審は、被告人が公訴事実記載の犯行を行ったことの証明がないとして、被告人に対し無罪を言い渡したため、検察官が控訴した事案で、原裁判所の訴訟手続には、本件各証拠の特信性について必要な審理を尽くさないまま刑事訴訟法321条1項2号後段該当性を否定して証拠調べ請求を却下し、A証言の信用性を否定して無罪判決をした点に審理不尽の違法があり、この訴訟手続の法令違反が判決に影響を及ぼすことは明らかであると判断し、原判決を破棄し、本件を原審に差し戻すこととした事例。