2023.04.25
傷害被告事件
LEX/DB25594344/福岡高等裁判所 令和 5年 1月25日 判決 (控訴審)/令和4年(う)第277号
被告人は、Aと数年来同棲していたものであるが、令和4年4月25日夜、同人と2軒で飲酒するなどして共にタクシーを降りた同日午後11時頃から、自ら119番通報した同日午後11時30分頃までの間に、当時の居住先である北九州市内のA方において、A(当時40歳)から馬乗りになられて首を絞められたりする暴行を加えられたのに伴い、自己の身体を防衛するため、防衛の程度を超え、Aに対し、手に持ったペティナイフ(刃体の長さ約11.8cm)で、その左腹部を1回、背部を3回刺す暴行を加え、よって、同人に加療約43日間を要する左腹部刺創、背部刺創、鋭的肝損傷、左外傷性血気胸、第12肋骨骨折及び肋間動脈損傷の傷害を負わせたとして、原審は、被告人の過剰防衛の成立を認め、被告人に対し、懲役1年6月、3年間の刑の執行を猶予を言い渡したため、これに不服の被告人が控訴した事案で、被告人による暴行が、防衛の程度を超えた行為であると認めた原判決の認定、判断は、被告人の原審公判供述の信用性評価を誤り、ひいては防衛行為の相当性の判断を誤ったもので、論理則、経験則等に照らし不合理なものであり、正当防衛を否定した原判決には、事実誤認があると判断し、被告人の行為は、Aによる急迫不正の侵害に対する防衛行為として必要かつ相当なものであり、正当防衛が成立し、よって、本件公訴事実は、犯罪の証明がないから、刑事訴訟法336条により被告人に対し、無罪の言渡しをした事例。




















