2025.06.24
        
        松橋事件国家賠償請求事件 
★「新・判例解説Watch」刑事訴訟法分野 令和7年7月下旬頃解説記事の掲載を予定しております★
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LEX/DB25574199/熊本地方裁判所 令和 7年 3月14日 判決(第一審)/令和2年(ワ)第766号
熊本県下益城郡(現宇城市)松橋町内において昭和60年1月に発生した本件殺人事件について、任意取調べを経て逮捕・勾留されたうえで公訴を提起され、有罪判決を受けて服役した亡Aの相続人である原告らが、本件殺人事件における熊本県警の警察官及び熊本地検の検察官による捜査活動並びに熊本地検の検察官による公訴提起及び公訴追行等が違法に行われたため、亡Aが損害を被ったと主張して、(1)原告X1が、国家賠償法1条1項に基づき、被告県及び被告国に対し、連帯して、亡Aに生じた損害金及び遅延損害金の支払を求め、(2)原告X2が、同法1条1項に基づき、被告県及び被告国に対し、連帯して、亡Aに生じた損害金及び遅延損害金の支払を求めた事案で、本件公訴提起の時点において、検察官が現に収集した証拠資料及び通常要求される捜査を遂行すれば収集し得た証拠資料を総合勘案した合理的な判断過程によると、本件公訴事実について、亡Aには有罪と認められる嫌疑があったというべきであるから、本件公訴提起が国賠法上違法であるとは認められないとする一方、確定審第一審において、各種証拠調べや一通りの被告人質問を経た後、検察官が第19回公判期日で論告をする頃には、検察官が現に収集した証拠資料及び通常要求される捜査を遂行すれば収集し得た証拠資料を総合勘案した合理的判断過程によれば、本件公訴事実について、亡Aに有罪と認められる嫌疑があるとは判断できない状況に至っていたものであるところ、そうであるにもかかわらず、検察官は、職務上通常尽くすべき注意義務を尽くすことなく、漫然と公訴追行をしたものと認められるから、その公訴追行は、国賠法上違法であるとして、原告らの被告国に対する請求をそれぞれ一部認容し、被告県に対する請求をいずれも棄却した事例。
        
 
    



























