注目の判例

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2019.07.02
損害賠償請求事件
LEX/DB25563059/東京地方裁判所 令和 1年 5月27日 判決 (第一審)/平成24年(ワ)第31999号
昭和42年8月に発生した本件強盗殺人事件(いわゆる布川事件)について、逮捕及び勾留をされた上で公訴を提起され、有罪判決を受けて服役し、再審において無罪判決が確定した原告が、被告(国・茨城県)らに対し、検察官及び茨城県警所属の警察官による捜査、検察官による公訴の提起、検察官及び警察官の公判における活動並びに検察官の再審請求審及び再審における活動に違法があったなどと主張して、国家賠償法1条1項に基づき,連帯して、損害賠償金の支払等を求めた事案において、警察官による取調べには国賠法上の違法があったとし、また、確定審の公判における警察官又は検察官の活動にも国賠法上違法なものが含まれていたとして、原告の請求を一部認容した事例。
2019.07.02
障害基礎年金支給停止処分取消請求事件
「新・判例解説Watch」行政法分野 10月中旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25570262/大阪地方裁判所 平成31年 4月11日 判決 (第一審)/平成29年(行ウ)第220号
(1)原告ら8名が、いずれも、1型糖尿病にり患し、国民年金法30条2項による委任を受けた国民年金法施行令別表の定める障害等級2級に該当する程度の障害の状態にあるとして障害基礎年金の裁定を受けてこれを受給していたが、厚生労働大臣から、国民年金法36条2項本文の規定に基づく障害基礎年金の支給停止処分を受けたため、本件各支給停止処分は、〔1〕行政手続法14条1項本文の定める理由提示の要件を欠くとともに、〔2〕国民年金法36条2項本文所定の事由を欠くから、違法であると主張して、その取消しを求めた事案(第220号、第223号ないし229号事件)と、(2)原告Iが、原告ら8名と同様に、1型糖尿病にり患し、障害等級2級に該当する程度の障害の状態にあるとして障害基礎年金の裁定を受けてこれを受給していたところ、厚生労働大臣から、支給停止処分を受け、その後、厚生労働大臣に対し、国民年金法施行規則35条1項本文に基づき、支給停止の解除の申請をしたが、支給停止を解除しない旨の処分を受けたため、本件不解除処分は、〔1〕行手法8条1項本文の定める理由提示の要件を欠くとともに、〔2〕支給停止事由を欠くから,違法であると主張して、その取消し及び行政事件訴訟法3条6項2号に基づき支給停止を解除する処分をすべき旨を命ずること(同号所定の義務付け)を求めた事案(第230号事件)で、(1)原告ら8名の請求は、障害基礎年金の支給を停止する旨の各処分をいずれも取り消し、請求を認容し、(2)本件不解除処分の取消しを求めた原告Iの請求は、障害基礎年金の支給停止を解除しない旨の処分を取消し、請求を認容した事例。
2019.06.25
在留資格認定証明書交付処分仮の義務付け申立却下決定に対する即時抗告事件
「新・判例解説Watch」国際公法分野 8月上旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25562968/名古屋高等裁判所 平成31年 3月27日 決定 (抗告審(即時抗告))/平成31年(行ス)第2号
外国籍を有する外国人女性の抗告人(申立人)が、本邦内の大学に入学する目的で入管法7条の2第1項所定の証明書(在留資格認定証明書)の交付の申請(本件申請)をしたところ、法務大臣から権限の委任を受けた名古屋入管局長から、入管法5条1項9号ロに掲げる上陸拒否事由に該当することを理由として在留資格認定証明書を交付しない旨の処分を受けたため、本件不交付処分には名古屋入管局長がその裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した違法があると主張して、本件不交付処分の取消し及び本件申請に係る在留資格認定証明書の交付の義務付けを求める訴えを提起した上、行訴法37条の5第1項に基づき、在留資格認定証明書を仮に交付することの義務付けを求め、原審は、本案事件である本件申請に係る在留資格認定証明書の交付の義務付けの訴えは、行訴法37条の3第1項2号の要件を欠く不適法なものであり、本案事件が適法なものとして係属しているとはいえず、本件申立ては不適法であるとして却下したため、抗告人は、これを不服として本件抗告を申し立てた事案において、名古屋入管局長が、抗告人に対し、上陸拒否の特例の適用の前提となる在留資格認定証明書を交付しないと判断したことは、社会通念上著しく妥当性を欠くものといわざるを得ないから、その裁量権の範囲を逸脱し、これを濫用したものというべきであると判示し、本件申立てを却下した原決定を取消し、名古屋入管局長に対し、抗告人に在留資格認定証明書を仮に交付することを命じた事例。
2019.06.25
所得税増額更正処分等取消請求事件
LEX/DB25555318/東京地方裁判所 平成30年 6月29日 判決 (第一審)/平成28年(行ウ)第487号
原告が、西大寺税務署長から、平成19年ないし平成25年分の所得税についての更正処分及びこれらの所得税に係る重加算税の賦課決定処分を受けたことから、西大寺税務署長が所属する被告(国)に対し、〔1〕平成19年ないし平成22年分の所得税の各更正処分のうち、期限内申告及び修正申告の額を超える部分について、原告に「偽りその他不正の行為」はなく、更正処分の除斥期間である3年を経過してされたものであり、違法であるとして、〔2〕平成19年ないし平成22年分の所得税に係る重加算税の各賦課決定処分について、違法な更正処分を前提とし、かつ、重加算税の賦課要件である「隠蔽又は仮装」の事実がないのにされた違法なものであるとして、〔3〕平成23年ないし平成25年分の所得税に係る重加算税の各賦課決定処分のうち、過少申告加算税相当額を超える部分について、「隠蔽又は仮装」の事実がないのにされた違法なものであるとして、それぞれ、その取消しを求めた事案において、原告の請求は理由がないとして棄却した事例。
2019.06.25
商標権侵害行為差止等請求事件
「新・判例解説Watch」知的財産法分野 10月中旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25570186/東京地方裁判所 平成31年 2月22日 判決 (第一審)/平成29年(ワ)第15776号
本件商標権を有する原告が、被告商品に付された被告各標章が原告商標と類似することから、被告が被告商品を販売等する行為は、原告商標権を侵害すると主張して、被告に対し、商標法36条1項に基づき、被告各標章を付した腕時計又は被告商品の販売等の差止めを求めるとともに、民法709条、商標法38条3項に基づき、損害賠償を求めた事案において、要証期間内において、原告商標が腕時計について使用されたとは認められず、原告商標の指定商品中「腕時計」は、不使用取消審判によって取り消されるべきものであるから、原告による差止請求は、権利の濫用として許されないと示しつつ、商標法54条2項により原告商標権の指定商品中の「腕時計」が消滅する効果が発生する日よりも、原告が損害賠償を求めている期間のほうが以前であるから、損害賠償請求との関係では、権利濫用の抗弁は失当であるとして、原告の請求を一部認容した事例。
2019.06.18
損害賠償請求事件
LEX/DB25562953/大阪地方裁判所 令和 1年 5月22日 判決 (第一審)/平成29年(ワ)第12006号
原告Aが所有し、原告Bが運転する普通乗用自動車(原告車)と、Eが所有し運転する普通乗用自動車(E車)との間の交通事故により損害を被ったとして、原告らが、E車に付保された自動車保険契約の保険者である被告に対し、本件保険契約に定める損害賠償請求権者の直接請求権に基づき,損害金相当額の支払等を求めた事案において、被告の主張のとおり、本件保険契約は、F(Eの妻)の代理人であるEの欺罔によって締結されたものであり、詐欺取消の対象となるとし、原告らの請求をいずれも棄却した事例。
2019.06.18
殺人被告事件
LEX/DB25570289/東京高等裁判所 平成31年 4月24日 判決 (控訴審)/平成30年(う)第1882号
被告人は、かつて覚せい剤を使用したことにより30代頃から覚せい剤精神病にり患し、自分の頭の中に年配の男性がいるとの妄想や、同男性から自殺や殺人を命ぜられる幻聴を生じ、入退院を繰り返していた状況の中、被告人の自宅で、同男性から「人を殺せ。」と命ぜられる妄想・幻聴を何度も体験し、同妄想・幻聴によって、隣室に、家事手伝いに来ていた被害者(当時73歳)を殺害しようと決意し、被害者が1人であることを確認した後、ビニール手袋を着用し、ビニール袋で両足を覆った上、毛染め用ガウンを着て、ペティナイフを持ち、隣室に赴き、被害者に対し、本件ナイフで、その左前胸部と前頸部を突き刺し、その頸部と左手首を複数回切り付け、被害者を前頸部と左前胸部の刺突に基づく右上甲状腺動脈の完全切断と左鎖骨下静脈の損傷による失血により死亡させて殺害した事件で、原判決は、本件犯行当時、覚せい剤精神病の影響により、心神耗弱の状態にあった、という事実認定をし、懲役8年6月に処したため、弁護人が、原判決には事実の誤認があるとして控訴した事案において、被告人に、妄想・幻聴以外に犯行の原因が全くない事案であるところ、原判決は、論理則、経験則等に反して、被告人の精神障害の本件犯行への影響の強さについては過少に評価し、行動制御能力については、犯行発覚防止行為を二重の意味で過大に評価しているといわざるを得ず、被告人の精神障害が本件犯行に及ぼした影響が圧倒的なもので、被告人が、本件犯行当時、行動制御能力が失われ、心神喪失であったことの合理的疑いは残り、原判決には事実誤認があるとして、原判決を破棄し、被告人に対し、無罪を言い渡した事例。
2019.06.18
損害賠償請求事件
「新・判例解説Watch」財産法分野 11月上旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25570190/大津地方裁判所 平成31年 2月19日 判決 (第一審)/平成24年(ワ)第121号
中学2年生で自殺した亡Xの両親である原告らが、亡Xの自殺の原因は、同学年の生徒であった被告少年らから受けたいじめにあるとして、被告少年らの親又はその配偶者である被告父母らに対し、被告少年らに責任能力がなかった場合には民法714条1項に基づくなどして、連帯して、損害賠償の支払をそれぞれ求め、選択的に、被告少年らに対し、責任能力があった場合には、民法709条に基づき、被告父母らと連帯して、損害賠償金の支払等を求めた事案において、被告A1及び被告B1の亡Xに対する度重なる本件加害行為は、亡Xに対し、希死念慮を抱かせるに足りる程度の孤立感・無価値感を形成させ、さらに、被告少年らとの関係からの離脱が困難であるとの無力感・絶望感を形成させるに十分なものであったなどとして、同被告らの加害行為と亡Xの自殺との間に相当因果関係を認定して、同被告らに対する原告らの請求をそれぞれ一部認容した事例。
2019.06.11
道路交通法違反被告事件 
LEX/DB25570266/最高裁判所第一小法廷 令和 1年 6月 3日 判決 (上告審)/平成29年(あ)第67号
被告人は、過失により、信号機の表示する赤色の灯火信号を看過してこれに従わないで、停止線を越えて普通乗用自動車を運転して進行したとして、第1審判決は、公訴事実どおりの犯罪事実を認定し、被告人を罰金9000円に処した。被告人が、第1審判決に対して訴訟手続の法令違反、量刑不当を理由に控訴し、職権で、本件公訴の提起は、道路交通法130条各号に掲げる場合でないのに、同条に掲記された手続が行われることなくされたもので無効であるから、第1審裁判所は不法に公訴を受理したものであるとして、刑訴法397条1項、378条2号により第1審判決を破棄し、同法338条4号により本件公訴を棄却したため、検察官が上告した事案において、道路交通法130条2号に当たると解するのは信義に反するなどとして、同号該当性を否定した原判決には、法令の解釈適用を誤った違法があるとして、原判決を破棄し、法令違反及び量刑不当を主張する被告人の控訴は理由がないから、本件控訴を棄却した事例(補足意見がある)。
2019.06.11
株主総会決議不存在確認等請求事件(アドバネクス株主総会決議不存在確認請求事件)
「新・判例解説Watch」商法分野 7月中旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25562719/東京地方裁判所 平成31年 3月 8日 判決 (第一審)/平成30年(ワ)第27434号
被告の株主である原告らが、平成30年6月に開催された第70期定時株主総会(本件総会)において、被告提案の原告X1、Y2、G、H、D、E及びFを取締役に選任する旨の議案(本件会社提案)が可決し、Iが議長と称して行った原告X1、D、E及びFに代えてA、B及びCを取締役に選任するとの決議(本件決議)には重大な瑕疵があるから不存在であるとして、主位的に原告X1、D、E及びFが被告の取締役の地位を有することの確認及び本件決議の不存在確認を求めるとともに、予備的に本件決議に決議の方法が法令若しくは定款に違反し又は著しく不公正という会社法831条1項1号の取消事由があるとして本決決議の取消を求めた事案で、原告らの主位的請求についてはいずれも棄却し、予備的請求については、本件決議で、不存在であるとはいえないものの、取消事由があるといえ、本件会社提案については可決したとはいえないとし、本件総会におけるA、B及びCを取締役に選任するとの決議を取り消した事例。
2019.06.11
国家賠償請求事件
「新・判例解説Watch」刑事訴訟法分野 6月7日解説記事が掲載されました
LEX/DB25562664/秋田地方裁判所 平成31年 3月 1日 判決 (第一審)/平成29年(ワ)第140号
受刑者として秋田刑務所に収容されていた原告が、服役中、秋田刑務所長から、〔1〕原告代理人のO弁護士宛の信書の発信許否の判断を長期間留保されるなどしたこと、〔2〕O弁護士から原告宛の信書について内容の検査が行われたこと、〔3〕O弁護士に対する書類の宅下願いを不許可とされたことが違法であると主張して、国家賠償法1条に基づき,被告(国)に対し、慰謝料300万円の支払等を求めた事案において、原告の請求を損害賠償金5万円の支払限度で一部認容した事例。
2019.06.04
(刑事確定記録閲覧請求不許可処分準抗告事件)
LEX/DB25562806/東京地方裁判所 平成31年 4月23日 決定 (第一審)/平成29年(む)第83309号
逮捕監禁、爆発物取締罰則違反、火炎びんの使用等の処罰に関する法律違反被告事件の刑事確定訴訟記録について閲覧請求をしたところ、保管検察官がした閲覧不許可処分に対し、申立人が準抗告の申立てをした事案において、本件準抗告は、第3回公判前整理手続調書2頁13行目から3頁1行目までに関する閲覧不許可処分を取消し、検察官は、本件閲覧不許可処分を取り消した部分を、申立人に閲覧させるよう命じた事例。
2019.06.04
配転命令無効による地位確認等請求事件
LEX/DB25562769/津地方裁判所 平成31年 4月12日 判決 (第一審)/平成29年(ワ)第273号
原告は、被告会社(レンタカー会社)との間で、反復継続して労働契約を更新してきており、被告会社のD店に勤務してきたが、雇止めがされたことから、雇止めが合理的な理由を欠き、社会通念上相当であるとは認められないとして、〔1〕労働者の地位確認及びそれに伴う賃金の支払を求めるとともに、〔2〕被告会社には、社会保険の加入手続を取っていなかった不法行為責任があるとして、それに基づく損害の支払、〔3〕未払割増賃金の支払並びに〔4〕付加金の支払を求める訴訟を提起したところ、控訴審において、〔1〕を認容し、〔2〕ないし〔4〕を一部認容する判決(〔2〕については,以上に加え,控訴審における拡張請求を一部認容する判決)がなされ,同判決は,平成29年6月3日確定した。被告会社は、原告に対し、同月26日付けで就業場所をC店とする旨の配転命令(本件配転命令)を出したが、原告は、本件配転命令が無効であると主張して、被告会社に対し、C店において勤労する労働契約上の義務がないことの確認を求めるとともに、被告会社が社会保険の加入手続をとっていなかったことが債務不履行に当たるとして、被告会社に対しては債務不履行に基づき、被告Bに対しては会社法429条1項に基づき、連帯して損害賠償金の支払等を求めた事案で、原告が、被告会社に対し、原告がC店において勤労する労働契約上の義務がないことの確認を求めること、損害賠償の金員の支払については、請求を認容したが、被告Bに対しては、請求を棄却した事例。
2019.05.28
否認請求事件の排除決定に対する即時抗告事件
「新・判例解説Watch」民事訴訟法分野 7月上旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25562764/福岡高等裁判所那覇支部 平成31年 4月10日 決定 (抗告審(即時抗告))/平成31年(ラ)第15号
U企画(平成28年11月11日解散)を債務者とする破産手続開始申立事件(基本事件)において、同年10月5日にされた破産手続開始決定に伴って選任された破産管財人である相手方が、U企画から抗告人に対してされた本件金銭交付について、破産法に基づき否認する旨を主張して、抗告人に対し、同金員の返還を求める否認請求事件(本件事件)を申し立てたところ、弁護士Aらが抗告人の代理人として本件事件の手続に関与し、本件は、弁護士Aらは破産手続開始決定以前にU企画との間で委任契約を締結していたが、同契約に基づく委任事務と本件事件は同一の事件であるから、同弁護士らの代理行為は弁護士法25条1号に違反すると主張する相手方が、本件事件における弁護士Aらの代理行為の排除を求め、原審は、本件事件が弁護士Aらにおいて「相手方の(略)依頼を承諾した事件」(弁護士法25条1号)に該当するとして、弁護士Aらの代理行為を排除する旨の決定をしたため、抗告人が即時抗告した事案で、相手方の申立ては理由があり、これを認容した原決定は正当であるとして、本件抗告をら棄却した事例。
2019.05.28
虚偽診断書作成、同行使被告事件
LEX/DB25570215/京都地方裁判所 平成31年 3月19日 判決 (第一審)/平成29年(わ)第421号
被告人は、病院のセンター所長を務める医師であり、指定暴力団総長Eの診療を担当していたものであるが、Eの病状等に関する高等検察庁検察官からの平成28年1月27日付け裁判執行関係事項照会書に対し、同月29日頃から同年2月5日までの間に、同病院で、真実はEがその当時に重篤な心室性不整脈であるなどの事実はなかったのに、『当院での現在の病状については、継続して起こる心室性の不整脈であり、その出現頻度は日によって異なるが概ね7,000回から10,000回は出現していると思われ、時間帯によって多く出現する時間帯が認められ、時には2連発までの出現が確認されている。』、『E氏の心室性不整脈は…かなり重篤な状況であるといえる。』、『特に最近については強い自覚症状を訴えて時間外に受診されることもあり』、『現在の症状から、今後、心室性不整脈が頻発し、症状が重篤化することが安易に予測できる。』などと虚偽の事実を記載して同年2月5日付け同検察官宛ての回答書を作成し、もって公務所に提出すべき診断書に虚偽の記載をした上、高等検察庁に郵送し、同月8日、同検察庁執行係職員に対し、同回答書を真正な内容のものであるように装い提出して行使したもので、本件では,被告人が作成・行使した本件回答書の記載内容が虚偽であるかどうか、すなわち、被告人が、客観的真実に反する診断内容を、自己の認識又は判断に反して記載したかどうかが争われた事案において、被告人が作成した本件回答書の記載内容が、医学的・客観的にみて真実に反するというには合理的な疑いが残り、本件回答書の記載内容が虚偽であると認めることはできないとして、被告人に対し、無罪を言い渡した事例。
2019.05.28
損害賠償等請求控訴事件 
LEX/DB25562588/東京高等裁判所 平成31年 2月21日 判決 (控訴審)/平成30年(ネ)第4535号
被控訴人が提供しているスマートフォンアプリ(本件ゲーム)のプレイヤーである控訴人ら及び、A、Bが、本件ゲーム内における本件表示は、ピックアップそうび以外のそうびが低い確率で排出される場合があることを示しているにもかかわらず、実際には、ピックアップそうびが極めて低い確率でしか提供されなかったとして、〔1〕控訴人ら及びAらは、被控訴人が、ピックアップそうび以外のそうびを低い確率で提供する義務があったにもかかわらず、これを怠ったとして、控訴人ら及びAらと被控訴人との間の本件ふくびき契約、並びに控訴人ら及びAらと被控訴人との間のジェム購入契約を債務不履行により解除した、〔2〕本件ふくびきに係る契約の締結に関する控訴人ら及びAらの意思表示は、ピックアップそうびの出現率に関し、要素の錯誤があるため無効である、〔3〕本件表示は詐欺であるから、控訴人ら及びAらは、詐欺を理由に、ジェムの購入に係る契約を取り消した、〔4〕本件表示は、消費者契約法上の「契約の目的となるものの質」について誤認させる表示であるから、控訴人ら及びAらは、同法4条1号により、ジェムの購入に係る契約を取消した、〔5〕本件表示は、景表法5条1号又は同条2号に反する違法な表示であるから、控訴人ら及びAらに対する不法行為を構成するとして、〔1〕については解除を原因とする原状回復請求権に基づき、〔2〕ないし〔4〕についてはいずれも不当利得返還請求権に基づき、〔5〕については不法行為を原因とする損害賠償請求権に基づき、被控訴人に対し、それぞれ、損害賠償金の支払を求め、原審は、控訴人ら及びAらの各請求をいずれも棄却した。そこで、これを不服とする控訴人らが本件控訴をした事案(Aらは、控訴をしなかったので、Aらの請求部分に関する原判決は確定した。)において、控訴人らの被控訴人に対する請求を棄却すべきであるところ、これと同旨の原判決は相当であるとし、本件各控訴を棄却した事例。
2019.05.21
間接強制決定に対する執行抗告棄却決定に対する許可抗告事件 
LEX/DB25570221/最高裁判所第三小法廷 平成31年 4月26日 決定 (許可抗告審)/平成30年(許)第13号
相手方(妻)が、抗告人(夫)に対し、両名の長男の引渡しを命ずる審判を債務名義として、間接強制の申立てをし、原決定は、抗告人に対し、長男を相手方に引き渡すよう命ずるとともに、これを履行しないときは1日につき1万円の割合による金員を相手方に支払うよう命ずる間接強制決定をしたため、抗告人が許可抗告した事案で、現時点において、長男の心身に有害な影響を及ぼすことのないように配慮しつつ長男の引渡しを実現するため合理的に必要と考えられる抗告人の行為は、具体的に想定することが困難というべきであり、本件審判を債務名義とする間接強制決定により、抗告人に対して金銭の支払を命じて心理的に圧迫することによって長男の引渡しを強制することは、過酷な執行として許されず、権利の濫用に当たるとして、原決定を破棄し、原々決定を取消し、相手方の本件申立てを却下した事例(補足意見がある)。
2019.05.21
排除措置命令取消請求事件
LEX/DB25562718/東京地方裁判所 平成31年 3月28日 判決 (第一審)/平成29年(行ウ)第196号
農業協同組合が、自ら以外の者になすを出荷することを制限する条件を付けて、その組合員から、なすの販売を受託しており、これは不公正な取引方法に該当し、独占禁止法19条に違反するとして、同組合に対し、同法20条2項に基づき、公正取引委員会が、当該行為を行っていない旨を確認することなどを命ずる排除措置命令(本件命令)をしたところ、農業協同組合を吸収合併した原告が、本件命令には違反行為をした主体の認定に誤りがあり違法であるなどと主張して、被告(公正取引員会)に対し、本件命令の取消しを求めた事案において、上記行為が排除されたことを取引の相手方に確実に認識させる必要があると判断して本件命令をしたことが、合理性を欠き、裁量権の範囲を超え又はその濫用があったとはいえないとし、本件命令は「特に必要があると認めるとき」(独禁法20条2項、7条2項本文)に当たるとして、原告の請求を棄却した事例。
2019.05.21
準強制性交等被告事件(性的犯罪 父親に無罪)
LEX/DB25562770/名古屋地方裁判所岡崎支部 平成31年 3月26日 判決 (第一審)/平成29年(わ)第549号 等
被告人は、同居の実子であるA(当時19歳)が、かねてから被告人による暴力や性的虐待等により被告人に抵抗できない精神状態で生活しており、抗拒不能の状態に陥っていることに乗じて、Aと性交しようと考え、会議室で、同人と性交し、もって人の抗拒不能に乗じて性交をした(平成29年11月7日付け起訴状記載の公訴事実)、及び、被告人は、同居の実子であるA(当時19歳)が、かねてから被告人による暴力や性的虐待等により被告人に抵抗できない精神状態で生活しており、抗拒不能の状態に陥っていることに乗じて、Aと性交しようと考え、ホテルで、同人と性交し、もって人の抗拒不能に乗じて性交をした(平成29年10月11日付け起訴状記載の公訴事実(但し,同年11月7日付け訴因変更請求書による訴因変更後のもの))事案において、Aが本件各性交当時に抗拒不能の状態にあったと認定することはできず、本件各公訴事実について、刑事訴訟法336条により、被告人に対し無罪を言い渡した事例。
2019.05.14
不当利得返還請求事件
「新・判例解説Watch」環境法分野 6月下旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25562586/宇都宮地方裁判所 平成31年 3月 7日 判決 (第一審)/平成28年(ワ)第403号
地方公共団体である原告が,被告(国)から補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律にいう補助金等を交付された後に、被告から当該補助金相当額である1億9659万0956円の納付を命じられ(本件納付命令)、同金員を被告に支払った(本件返納)ところ、本件納付命令は無効であるから、被告は本件返納により法律上の原因なく1億9659万0956円を利得し、原告は同額の損失を被ったものであると主張して、被告に対し、不当利得返還請求権に基づき1億9659万0956円の返還の支払等を求めた事案において、本件返納は、本件納付命令を根拠にするものと認められず、返還合意を根拠にするものとも認められないから、法律上の原因がないものと認められるとして、原告の請求を全て認容した事例。