2014.02.10
損害賠償等請求事件
LEX/DB25502655/東京地方裁判所 平成25年12月11日 判決 (第一審)/平成21年(ワ)第47912号等
被告証券会社(被告銀行の子会社)の従業員であった原告らが、被告証券会社に対しては、主位的に労働契約に基づく賞与の支払いを、予備的に賞与請求権侵害の不法行為に基づく損害賠償金の支払いを、被告銀行(ドイツ連邦共和国内に本店を有する会社)に対しては、賞与請求権侵害の不法行為に基づく損害賠償金の支払いを求めた事案において、原告らの被告銀行に対する訴えについて、我が国に国際裁判管轄権があると認めた上で、被告らが原告らの本件裁量賞与の請求権を侵害した事実を認めることはできないから、原告の主張の不法行為の成立を認めることはできないとして、原告らの請求をいずれも棄却した事例。
2014.01.28
文書提出命令申立て却下決定に対する抗告審の一部変更決定に対する許可抗告事件
LEX/DB25446108/最高裁判所第一小法廷 平成25年12月19日 決定 (許可抗告審)/平成25年(許)第6号
抗告人の設置するY大学の人文学部教授である相手方らが、それぞれ同学部長等からハラスメントを受けたとして抗告人に苦情を申し立てたところ、同大学に置かれたハラスメントの防止、対策又は調査に係る委員会の運営及び調査の方法が不当であったために不利益を被ったなどと主張して、抗告人に対し、再調査の実施、損害賠償の支払等を求める本案事件において、抗告人が所持する本件各文書について文書提出命令を申し立てた事案の許可抗告審で、国立大学法人が所持し、その役員又は職員が組織的に用いる文書についての文書提出命令の申立てには、民事訴訟法220条4号ニ括弧書部分が類推適用されるとした事例。
2014.01.14
担保取消申立却下決定に対する抗告事件
LEX/DB25502118/東京高等裁判所 平成25年7月19日 決定 (抗告審)/平成25年(ラ)第1260号
抗告人を被告、相手方を原告とする本案損害賠償請求事件の仮執行宣言付判決に対する控訴の提起に伴い、抗告人に担保を立てさせて強制執行の停止の裁判が行なわれた後、担保提供者である抗告人が、担保の事由が消滅したとして担保取消を求めた事案の抗告審において、控訴の提起に伴う強制執行停止決定がされた場合において、担保を立てた者が「担保の事由が消滅したことを証明したとき」は、当該担保を決定により取り消し得る(民事訴訟法405条2項による民事訴訟法79条1項の準用)ところ、抗告人は、本件控訴審判決後に、同判決により支払を命じられた損害賠償金等の全額について弁済をし、本件控訴審判決が確定したのであるから、本件控訴審判決に基づく損害賠償請求権を行使する余地がなくなったことは明らかであるとして、原決定を取り消し、担保を取り消した事例。
2013.12.16
再審請求棄却決定に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件
LEX/DB25446040/最高裁判所第一小法廷 平成25年11月21日 決定 (許可抗告審)/平成24年(許)第43号
株式会社の成立後における株式の発行の無効の訴えに係る請求を認容する確定判決の効力を受ける抗告人が、上記確定判決につき、民事訴訟法338条1項3号の再審事由があるとして再審を申し立てた事案において、新株発行の無効の訴えに係る請求を認容する確定判決の効力を受ける第三者は、上記確定判決に係る訴訟について独立当事者参加の申出をすることによって、上記確定判決に対する再審の訴えの原告適格を有することになるとした事例。
2013.12.10
売却許可決定取消申立却下決定に対する執行抗告事件
LEX/DB25502090/東京高等裁判所 平成25年7月12日 決定 (抗告審(執行抗告審))/平成25年(ラ)第1206号
基本事件において、本件土地につき売却許可決定を受けて買受人となった申立人(抗告人)が、民事執行法75条1項に基づき、売却許可決定の取消しを求めたところ、申立てが却下されたため、申立人が抗告を申し立てた事案において、本件土地の買受人となる者は、本件土地の引渡しを受けるためには、本件隣接地建物の居住者である暴力団幹部等との折衝を含む容易ならざる対応を迫られる蓋然性が高いというべきであり、合理的な経済人であれば、本件土地の取得を欲しないのが通常であると考えられ、本件土地をめぐるこれらの事情は、本件土地の交換価値を著しく損なうものであり、民事執行法75条1項にいう「損傷」に該当するとし、原決定を取り消し、本件売却許可決定を取り消した事例。
2013.09.24
損害賠償請求事件
LEX/DB25445837 / 大阪地方裁判所 平成25年 3月21日 判決 (第一審) / 平成22年(ワ)第2795号
普通地方公共団体である原告が、被告との間で本件工事に係る請負契約を締結したところ、本件工事に係る指名競争入札の際、入札業者が被告を受注予定者とする談合を行い、原告に損害を与えたと主張して、被告に対し、損害賠償を求めた事案において、本件においては、原告に損害が生じたことは認められるものの、損害の性質上その額を立証することが極めて困難であるときに該当するといえるから、民事訴訟法248条を適用して、相当な損害額を認定するのが相当であるところ、想定落札価格に基づく契約金額と本件談合により現実に締結された本件契約の契約金額との差額として原告が被った損害は、本件代金の10パーセント相当額と認定するのが相当であるとし、請求を認容した事例。
2013.08.06
損害賠償請求,民訴法260条2項の申立て事件
LEX/DB25445729 / 最高裁判所第二小法廷 平成25年 7月12日 判決 (上告審) / 平成22年(受)第1163号等
亡Aの相続人である被上告人らが、Aは勤務先の建物の壁面に吹き付けられた石綿(アスベスト)の粉じんを吸入したことにより悪性胸膜中皮腫に罹患し、自殺したと主張して、上記建物の所有者である上告人に対し、民法717条1項ただし書の規定に基づく損害賠償を求めた事案の上告審において、壁面に吹き付けられた石綿が露出している建物が通常有すべき安全性を欠くと評価されるようになった時点を明らかにしないまま、同建物の設置又は保存の瑕疵の有無について判断したことには審理不尽の違法があるとして、原判決を破棄し、本件を原審に差し戻した事例。
2013.08.06
LEX/DB25501345 / 最高裁判所第一小法廷 平成25年 6月27日 決定 (上告審) / 平成25年(受)第821号
一審被告(申立人)が経営するY病院でAが原告X1を出産後、別の病院に転院し死亡したことにつき、Aの相続人である一審原告(相手方)らが、本件病院の医師ないし看護師に注意義務違反があったと主張して、一審被告に対し、不法行為に基づく損害賠償を求めたところ、原判決が一審原告らの控訴に基づき第一審判決を変更し、一審被告の附帯控訴を棄却したため、一審被告が、上告受理を申し立てた事案において、本件申立ての理由によれば、民事訴訟法318条1項により受理すべきものとは認められないとし、本件を上告審として受理しないとした事例。