注目の判例

民法(家族法)

2021.12.28
夫婦間の協力扶助に関する処分申立事件
「新・判例解説Watch」家族法分野 令和4年3月下旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25591233/東京家庭裁判所立川支部 令和 3年11月30日 審判 (第一審)/令和2年(家)第2510号
別居中の夫婦間において、夫である申立人が、妻であり、未成年者らを実際に監護養育している相手方に対し、民法752条に基づき(主位的申立て)又は民法766条を類推適用して(予備的申立て)、養育計画に従って申立人と相手方が協力して、未成年者らの利益のために親権を共同行使せよとの審判を求めた事案で、申立人の主位的申立てについては却下し、予備的申立てについて、相手方は、申立人に対し、本審判確定の日の属する月の翌月から、毎月2回、実施日と実施時間等の要領を取り決めたうえで、申立人が未成年者らと面会交流することを認めた事例。
2021.12.14
性別の取扱いの変更申立て却下審判に対する抗告棄却決定に対する特別抗告事件
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LEX/DB25571834/最高裁判所第三小法廷 令和 3年11月30日 決定 (特別抗告審)/令和2年(ク)第638号
性同一性障害者が、戸籍上の性別の取扱い変更の申立てをした審判で却下され、抗告審でも却下されたため、特別抗告をした事案において、性同一性障害者につき性別の取扱いの変更の審判が認められるための要件として「現に未成年の子がいないこと」を求める性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項3号の規定が憲法13条、14条1項に違反しないとし、本件抗告を棄却した事例(反対意見がある)。
2021.11.16
財産分与申立て却下審判に対する抗告一部却下等決定に対する許可抗告事件
LEX/DB25571781/最高裁判所第一小法廷 令和 3年10月28日 決定 (許可抗告審)/令和2年(許)第44号
離婚をした相手方と抗告人が,それぞれ,財産の分与の審判を申立てをしたところ、原々審は、第1事件(相手方の申立てに係る事件)及び第2事件(抗告人の申立てに係る事件)の各申立てをいずれも却下する審判をし、原審は、本件即時抗告のうち第1事件に係る部分を却下したため、抗告人が許可抗告をした事案において、財産分与の審判の申立てを却下する審判に対し、夫又は妻であった者である当該申立ての相手方は、即時抗告をすることができるものと判示し、本件即時抗告のうち第1事件に係る部分を却下した原審の判断には、裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、原決定中、主文第1項を破棄し、更に審理を尽くさせるため,同部分につき本件を原審に差し戻し、その余の抗告を棄却した事例。
2021.06.29
遺言確認申立却下審判に対する抗告事件
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LEX/DB25569562/東京高等裁判所 令和 2年 6月26日 決定 (抗告審)/令和2年(ラ)第560号
遺言者がした危急時遺言について、その証人となった抗告人A(原審申立人)が、民法976条4項に基づき遺言の確認を求め、原審が原審申立人の申立てを却下したところ、原審申立人及び利害関係人(遺言者の長男)である抗告人Bが即時抗告した事案で、本件遺言の際における原審申立人と遺言者とのやりとりの内容については、原審申立人を含む3人の証人が一致しているところ、これらの証人がいずれも弁護士からの依頼に基づいて証人となった行政書士であることからすると、各供述の信用性は高いというべきであり、また、本件遺言の内容は遺言者の状況からみて合理性を有する内容といえることからしても、本件遺言は遺言者の真意に適うものであると考えられるところ、原審申立人の申立てを却下した原審判は失当であるとして、原審判を取り消したうえで、遺言者が本件遺言をしたことを確認した事例。
2021.06.01
長男の居所及び通園先開示等仮処分命令申立却下決定に対する抗告事件
LEX/DB25569498/東京高等裁判所 令和 3年 5月 6日 決定 (抗告審)/令和2年(ラ)第2137号
相手方の夫である抗告人が、抗告人と相手方との間の長男と共に別居している相手方に対し、監護権を含む親権及び人格権に基づき、〔1〕親権を共同で行う者として長男の利益のために抗告人と協力すること、〔2〕長男の通園先の施設及び居所をいずれも開示すること、〔3〕抗告人の承諾なく長男の居所を移転させないこと及び〔4〕抗告人が長男の保護者として長男を心身ともに健やかに育成することについて第一義的責任を負うことの確認を求めた仮処分命令の申立てをしたところ、原審は本件申立てをいずれも却下したので、抗告人が即時抗告をした事案において、相手方も親権に基づいて長男を監護しているものであるし、相手方が長男を連れて抗告人と別居するに至った経緯を見ても、相手方による長男の監護が不当であると認めることはできず、他に相手方による親権の行使が不当であることあるいは不当な親権行使がされるおそれがあることを認めるに足りる証拠はなく、抗告人は相手方に対し、長男の居所等の開示や抗告人の承諾なく長男の居所を移転させないことを求めることはできないなどとして、本件申立てを却下した原決定は相当であり、本件抗告を棄却した事例。
2021.05.11
 
LEX/DB25569269/東京地方裁判所 令和 3年 4月21日 判決 (第一審)
アメリカ合衆国のニューヨーク州において婚姻を挙行したとする原告らが、千代田区長に対し、「婚姻後の夫婦の氏」につき「夫の氏」と「妻の氏」のいずれにもレ点を付した婚姻の届書を提出して婚姻の届出をしたところ、民法750条及び戸籍法74条1号に違反していることを理由として不受理とする処分を受けたことから、被告(国)に対し、(1)主位的に、戸籍法13条等に基づき、戸籍への記載によって原告らが互いに相原告と婚姻関係にあるとの公証を受けることができる地位にあることの確認を求め、(2)予備的に、〔1〕憲法24条等に基づき、被告が作成する証明書(戸籍への記載以外の方法によるものと解される。)の交付によって原告らが互いに相原告と婚姻関係にあるとの公証を受けることができる地位にあることの確認を求めるとともに、〔2〕外国の方式に従って「夫婦が称する氏」を定めないまま婚姻した日本人夫婦について,婚姻関係を公証する規定を戸籍法に設けていない立法不作為は憲法24条に違反するなどと主張して、国家賠償法1条1項の規定に基づき,慰謝料各10万円の支払を求めた事案において、本件訴えのうち地位の確認に係る部分はいずれも不適法であるとして却下し、原告らのその余の請求を棄却した事例。
2021.04.27
遺言有効確認請求事件
LEX/DB25571463/最高裁判所第二小法廷 令和 3年 4月16日 判決 (上告審)/令和2年(受)第645号
上告人が、被上告人に対し、両名の母であるAを遺言者とする平成20年4月17日付け自筆証書(本件遺言書)による本件遺言が有効であることの確認を求め、原審が、本件訴えを却下したため、上告人が上告した事案で、前訴において、上告人は、被上告人に対し、被上告人がAの立替金債務を法定相続分の割合により相続したと主張し、その支払を求めて前件反訴を提起したが、上告人による立替払の事実が認められないとして請求を棄却する判決がされ、前件反訴によって利益を得ていないのであるから、本件訴えにおいて本件遺言が有効であることの確認がされたとしても、上告人が前件反訴の結果と矛盾する利益を得ることになるとはいえず、本件訴えの提起が信義則に反するとはいえないとし、これと異なる見解の下に、本件訴えを却下すべきものとした原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとし、原判決を破棄し、第1審判決を取消し、更に審理を尽くさせるため、本件を第1審に差し戻しを命じた事例。
2021.04.20
損害賠償請求事件
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LEX/DB25568979/札幌地方裁判所 令和 3年 3月17日 判決 (第一審)/平成31年(ワ)第267号
原告らが、同性の者同士の婚姻を認めていない民法739条1項及び戸籍法74条1号の本件規定は、憲法13条、14条1項及び24条に反するにもかかわらず、国が必要な立法措置を講じていないことが、国家賠償法1条1項の適用上違法であると主張し、慰謝料各100万円及びこれらに対する遅延損害金の支払を求めた事案において、本件規定が、異性愛者に対しては婚姻という制度を利用する機会を提供しているにもかかわらず、同性愛者に対しては、婚姻によって生じる法的効果の一部ですらもこれを享受する法的手段を提供しないとしていることは、立法府が広範な立法裁量を有することを前提としても、その裁量権の範囲を超えたものであるといわざるを得ず、本件区別取扱いは、その限度で合理的根拠を欠く差別取扱いに当たると解さざるを得ないとし、本件規定は憲法14条1項に違反すると認めたものの、国家賠償法1条1項の適用の観点からみた場合には、憲法上保障され又は保護されている権利利益を合理的な理由なく制約するものとして憲法の規定に違反することが明白であるにもかかわらず、国会が正当な理由なく長期にわたって改廃等の立法措置を怠っていたと評価することはできないとして、原告らの請求を棄却した事例。
2021.04.13
子の監護に関する処分(監護者指定)審判に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件
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LEX/DB25571436/最高裁判所第一小法廷 令和 3年 3月29日 決定 (許可抗告審)/令和2年(許)第14号
A(本件子)の祖母である相手方が、本件子の実母である抗告人Y1及び養親である抗告人Y2を相手方として、家事事件手続法別表第2の3の項所定の子の監護に関する処分として本件子の監護をすべき者を定める審判を申し立てたところ、原審は、本件子の監護をすべき者を相手方と指定すべきものとしたため、抗告人らが許可抗告した事案において、相手方は、事実上本件子を監護してきた者であるが、本件子の父母ではないから、家庭裁判所に対し、子の監護に関する処分として本件子の監護をすべき者を定める審判を申し立てることはできないとし、相手方の本件申立ては、不適法であるとし、これと異なる原審の判断には、裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があり、原決定を破棄し、原々審判を取消し、相手方の本件申立てを却下した事例。
2021.04.13
子の監護に関する処分(面会交流)申立て却下審判に対する抗告審の取消決定に対する許可抗告事件
LEX/DB25571437/最高裁判所第一小法廷 令和 3年 3月29日 決定 (許可抗告審)/令和2年(許)第4号
A(本件子)の祖父母である相手方らが、本件子の父である抗告人を相手方として、家事事件手続法別表第2の3の項所定の子の監護に関する処分として相手方らと本件子との面会及びその他の交流について定める審判を申し立てたところ、原審は、相手方らの本件申立てを不適法として却下した原々審判を取消し、本件を原々審に差し戻しの判断をしたため、抗告人が許可抗告した事案において、相手方らは、相手方らの子であるBによる本件子の監護を補助してきた者であるが、本件子の父母ではないから、家庭裁判所に対し、子の監護に関する処分として相手方らと本件子との面会交流について定める審判を申し立てることはできず、相手方らの本件申立ては不適法であるとし、これと異なる原審の判断には、裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、原決定を破棄し、子の監護に関する処分の申立てを却下する審判に対して即時抗告をすることができるのは「子の父母及び子の監護者」(家事事件手続法156条4号)であるところ、相手方らが本件子の「父母」又は「監護者」のいずれにも当たらないとして、原々審判に対する相手方らの抗告は不適法であるとして、却下した事例。
2021.04.06
退職金等請求事件
LEX/DB25571413/最高裁判所第一小法廷 令和 3年 3月25日 判決 (上告審)/令和2年(受)第753号 等
被上告人が、母Aの死亡に関し、上告人機構に対し上記共済契約に基づく退職金の、上告人JPP基金規約に基づく遺族給付金の、出版厚生年金基金の権利義務を承継した上告人出版基金に対し出版厚生年金基金の規約に基づく遺族一時金の各支払を求め、中小企業退職金共済法、JPP基金規約及び出版基金規約において、本件退職金等の最先順位の受給権者はいずれも「配偶者」と定められており、被上告人は、Aとその民法上の配偶者であるCとが事実上の離婚状態にあったため、Cは本件退職金等の支給を受けるべき配偶者に該当せず、被上告人が次順位の受給権者として受給権を有すると主張している事案の上告審で、民法上の配偶者は、事実上の離婚状態にある場合には、中小企業退職金共済法14条1項1号にいう配偶者に当たらず、遺族給付金及び遺族一時金についても、民法上の配偶者は、その婚姻関係が事実上の離婚状態にある場合には、その支給を受けるべき配偶者に当たらないものというべきであるとし、これと同旨の原審の判断は、正当として是認することができるとして、本件上告を棄却した事例。
2021.01.26
遺言無効確認請求本訴、死因贈与契約存在確認等請求反訴事件
LEX/DB25571246/最高裁判所第一小法廷 令和 3年 1月18日 判決 (上告審)/平成31年(受)第427号 等
本件の本訴請求は、亡Aが作成した平成27年4月13日付け自筆証書(本件遺言書)による遺言について、被上告人ら(亡Aの妻であるX1及び同人とAとの間の子ら)が、本件遺言書に本件遺言が成立した日と相違する日の日付が記載されているなどと主張して、上告人ら(亡Aの内縁の妻であるY2及び同人とAとの間の子ら)に対し、本件遺言が無効であることの確認等を求めたところ、原審は、被上告人らの本訴請求を認容し無効としたため、上告人らが上告した事案で、Aが、入院中の平成27年4月13日に本件遺言の全文、同日の日付及び氏名を自書し、退院して9日後の同年5月10日に押印したなどの本件の事実関係の下では、本件遺言書に真実遺言が成立した日と相違する日の日付が記載されているからといって直ちに本件遺言が無効となるものではないというべきであり、原判決中本訴請求に関する部分を破棄し、本件遺言のその余の無効事由について更に審理を尽くさせるために、原審に差し戻した。そして、本件の反訴請求は、上告人Y2らが、被上告人らに対し、本訴請求において本件遺言が無効であると判断された場合に、予備的に、死因贈与契約の成立の確認等を求めるものであるところ、本訴請求について原判決が破棄差戻しを免れない以上、反訴請求についても当然に原判決は破棄差戻した事例。
2020.09.08
LEX/DB25566377/最高裁判所第二小法廷 令和 2年 7月 3日 決定 (特別抗告審)/令和2年(ク)第254号
抗告人が、別居中の夫である相手方に対し、婚姻費用として相当額の支払を求めたところ、第一審が、抗告人の申立てを認容したことから、相手方が即時抗告し、抗告審が、原審申立人がした金員の引出は、引出合意に基づくものと認められるから、上記金員は婚姻費用の前払と認めるのが相当であり、抗告人には、現時点において未払婚姻費用があるとは認められないとして、第一審の審判を取り消し、抗告人の申立てを却下する決定をしたため、抗告人が、最高裁判所に抗告することの許可を求める申立てをし、原審が、即時抗告審の決定について、家事事件手続法97条2項所定の事由があるとは認められないとして、本件抗告を許可しなかったため抗告人が特別抗告した事案で、本件抗告の理由は、違憲をいうが、その実質は単なる法令違反を主張するものであって、特別抗告の事由に該当しないとして、本件抗告を棄却した事例。
2020.08.25
財産分与審判に対する抗告審の変更決定に対する許可抗告事件
LEX/DB25570986/最高裁判所第一小法廷 令和 2年 8月 6日 決定 (許可抗告審)/令和1年(許)第16号
抗告人が、相手方に対し、財産の分与に関する処分の審判を申し立てたところ、原審は、抗告人名義の本件建物等の財産を相手方に分与しないものと判断した上で、抗告人に対し相手方への209万9341円の支払を命じたが、家事事件手続法154条2項4号に基づき相手方に対し抗告人への本件建物の明渡しを命ずることはしなかったため、抗告人が許可抗告した事案で、家庭裁判所は、財産分与の審判において、当事者双方がその協力によって得た一方当事者の所有名義の不動産であって他方当事者が占有するものにつき、当該他方当事者に分与しないものと判断した場合、その判断に沿った権利関係を実現するため必要と認めるときは、家事事件手続法154条2項4号に基づき、当該他方当事者に対し、当該一方当事者にこれを明け渡すよう命ずることができると解するのが相当であり、これと異なる原審の判断には、裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとし、原決定を破棄し、更に審理を尽くさせるため、本件を原審に差し戻すこととした事例。
2020.07.21
親子関係存在確認請求事件
LEX/DB25570943/最高裁判所第三小法廷 令和 2年 7月 7日 判決 (上告審)/平成31年(受)第184号
上告人が、検察官に対し、上告人は亡Bと亡Aとの間に出生した子であると主張して、上告人とAとの間の親子関係が存在することの確認等を求め、原審は、上告人とAとの間の親子関係の存在確認請求に係る訴えを却下したため、上告人が上告した事案で、平成元年改正法の施行前における嫡出でない子の母との間の分娩による親子関係の成立については、法の適用に関する通則法29条1項を適用し、子の出生の当時における母の本国法によって定めるのが相当であり、上告人とAとの間の嫡出でない子の分娩による親子関係の成立についてAの本国法である日本法のほかに韓国法を適用し、韓国民法865条2項所定の出訴期間の徒過を理由に親子関係存在確認請求に係る訴えを不適法とすることはできないとし、これと異なる原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があり、原判決中、上告人とAとの間の親子関係の存在確認請求に係る訴えを却下した部分は破棄し、上告人とAとの間の親子関係の存否について更に審理を尽くさせるため、同部分につき本件を原審に差し戻した事例。
2020.06.16
父の確定請求事件
LEX/DB25565645/千葉家庭裁判所松戸支部 令和 2年 5月14日 判決 (第一審)/令和1年(家ホ)第73号
原告(ナイジェリア国籍の男性で、日本国籍の女性gの配偶者)が、被告(ナイジェリア国籍の男性)に対し、e(出生届未了、女性gが被告と離婚してから245日後に日本で産んだ子)が自らの子であることの確定を求め(民法773条)訴えをした事案で、前婚と後婚の各夫婦の一方の本国法を適用した結果、嫡出の推定が重複しているところ、原告と被告のいずれを父と確定すべきかについては、条理に従って判断するほかなく、いかなる手続によりこの判断を行うかが問題となるが、渉外的な親子関係の成立の場面において、嫡出推定が重複しているときは、再婚禁止期間に違反して嫡出推定が重複しているときと利益状況が共通していることから、民法773条を類推適用して、父を定めることを目的とする訴えの方法によることが許されると解するのが相当であるとし、本件訴えは適法であるとしたうえで、平成30年5月に実施された父子DNA鑑定の結果によれば、原告がeの生物学的父親である可能性は高く、その父性確率は、99.99999998パーセントであったことに加え、平成29年4月ごろに原告とgが接触し、その後両名が同居していたとうかがわれることなどに照らせば、eの父を原告と定めた事例。
2020.03.24
性別の取扱いの変更申立て却下審判に対する抗告棄却決定に対する特別抗告事件
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LEX/DB25570771/最高裁判所第二小法廷 令和 2年 3月11日 決定 (特別抗告審)/令和1年(ク)第791号
性同一性障害者につき性別の取扱いの変更の審判が認められるための要件として「現に婚姻をしていないこと」を求める性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項2号の規定は、現に婚姻をしている者について性別の取扱いの変更を認めた場合、異性間においてのみ婚姻が認められている現在の婚姻秩序に混乱を生じさせかねない等の配慮に基づくものとして、合理性を欠くものとはいえないから、国会の裁量権の範囲を逸脱するものということはできず、憲法13条、14条1項、24条に違反するものとはいえないとした上で、結婚後に女性への性別適合手術を受け、戸籍上の性別を男性から女性に変えるよう審判を申し立てた抗告人の特別抗告を棄却した事例。
2020.02.12
婚姻費用分担審判に対する抗告審の取消決定に対する許可抗告事件 
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LEX/DB25570671/最高裁判所第一小法廷 令和 2年 1月23日 決定 (許可抗告審)/平成31年(許)第1号
妻である抗告人は、夫である相手方に対し、婚姻費用分担調停の申立てをし、離婚の調停が成立したが、同調停において、財産分与に関する合意はされず、いわゆる清算条項も定められなかった。上記婚姻費用分担調停事件は、離婚調停成立の日と同日、不成立により終了したため、上記申立ての時に婚姻費用分担審判の申立てがあったものとみなされて、審判に移行し、原決定は、抗告人の相手方に対する婚姻費用分担請求権は消滅したから、離婚時までの婚姻費用の分担を求める本件申立ては不適法であるとして、これを却下したため、抗告人が許可抗告をした事案において、婚姻費用分担審判の申立て後に当事者が離婚したとしても、これにより婚姻費用分担請求権が消滅するものとはいえないとし、本件申立てを却下した原審の判断には、裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、原決定を破棄し、更に審理を尽くさせるため、本件を原審に差し戻した事例。
2020.01.07
遺留分減殺請求事件
LEX/DB25570618/最高裁判所第三小法廷 令和 1年12月24日 判決 (上告審)/平成30年(受)第1551号
亡Aの長女である被上告人が、Aがその所有する一切の財産を長男である上告人に相続させる旨の遺言をしたことにより遺留分が侵害されたと主張して、上告人に対し、遺留分減殺請求権の行使に基づき、第1審判決別紙遺産目録記載の各不動産について遺留分減殺を原因とする持分移転登記手続を求めるとともに、上告人が上記遺言によって取得した上記財産のうち解約済みの預貯金及び現金並びに上記各不動産の一部について上告人がAの死後に受領した賃料に係る不当利得の返還等を求め、被上告人の遺留分の侵害額の算定に関し、合資会社の無限責任社員であったAが、退社により本件会社に対して金員支払債務を負うか否かが争われた事案の上告審において、無限責任社員であるAが本件会社を退社した当時、本件会社は債務超過の状態にあり、退社時における計算がされた結果、Aが負担すべき損失の額がAの出資の価額を超える場合には、定款に定めがあるなどの特段の事情のない限り、Aは、本件会社に対してその超過額の支払債務を負うことになるとした事例。
2019.12.03
損害賠償請求事件
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LEX/DB25570471/宇都宮地方裁判所真岡支部 令和 1年 9月18日 判決 (第一審)/平成30年(ワ)第30号
原告が、原告と同性婚の関係にあった被告A及び後に被告Aと婚姻した被告Bに対し、被告らが不貞行為を行った結果、原告と被告Aの同性の事実婚(内縁関係)が破綻したと主張して、共同不法行為に基づき、損害賠償を求めた事案において、同性のカップルであっても、その実態を見て内縁関係と同視できる生活関係にあると認められるものについては、それぞれに内縁関係に準じた法的保護に値する利益が認められ、不法行為法上の保護を受け得ると解するのが相当であるとして、原告の請求を一部認容した事例。