01 出会い

金融機関の支援力を最大化するカギ
中小企業の課題解決に向け、税理士と連携する時代へ

TKC中部会中小企業支援委員会 日本政策金融公庫とTKC中部会との連携事例
『TKC会報』2025年4月号

目次

    資金繰り悪化や人手不足など中小企業の経営不安は依然として強く、金融機関にはより精度の高い本業支援が求められています。
    そんななか、2025年2月19日に、日本政策金融公庫はTKC中部会との情報交換会を開催し、相互の関係強化が図られました。

    1.税理士と連携し効果的な本業支援を図る

    足元の景況感は一部で持ち直しの動きに足踏みがみられるものの、業況判断DIには改善が見られます。
    一方、資金繰りDIは依然として悪化傾向にあります。

    業況判断DIで改善が目立つ製造・卸売・建設の各業種でも、

    • コロナ禍で増えた借入金の返済負担
    • 原材料価格の高騰
    • 深刻化する人手不足

    などが重なり、事業者の将来不安は根強く残っています。

    こうした環境のなか、日本政策金融公庫はTKC会員税理士との連携により、小規模事業者の状況を正確に把握し、本業支援を効果的に実施したいと考えています。

    2.金融機関×税理士×公的機関の連携が創業融資の質を高める

    愛知県では、創業融資の件数・金額がともに前年を上回るなど、創業意欲が高まっています。
    そんななか、日本政策金融公庫は以下の取り組みにより創業者の裾野拡大を図っています。

    • 創業志望者向けのセミナー、個別相談会の開催
    • 高校生ビジネスプラングランプリの開催等を通じた次世代の創業者育成

    なかでも、TKC中部会と連携した創業セミナー(日本公庫津支店×三重県支部)は、現地×オンラインのハイブリッド形式で開催され、高い参加満足度を得ています。

    3.事業承継は進展するも、後継者未定は依然7割を超える

    日本政策金融公庫では、2019年から事業承継マッチングを行っており、事業の譲渡希望約5,000件、譲受希望約11,000件、成約約270件につなげています(※いずれも2023年9月時点の累計)。
    その一方で、廃業予定・後継者未定企業が 77.5%にのぼり、その過半数が黒字という課題も抱えています。日本政策金融公庫では、TKC中部会や事業承継・引継ぎ支援センターと連携を強化し、事業者の相談に応じていく方針です。

    4.若手研修や認定支援機関連携で

    東海地区では、金融機関・信用保証協会・税理士による創業支援が進んでいます。

    特に日本政策金融公庫と信用保証協会の合同研修では、

    • 税理士から見た創業支援
    • 適時・適正な会計帳簿作成の重要性
    • 粉飾決算の見抜き方

    など、実務に直結するテーマが扱われています。

    また、東海地区各県で毎年開催されている認定支援機関の情報交換会では、東海財務局、活性化協議会、信用保証協会、日本公庫、地域金融機関が一堂に会し、事業承継・経営改善・ポストコロナ対応をテーマに相互理解を深化させています。

    5.まとめ

    日本政策金融公庫は、TKC中部会をはじめとする中小企業支援機関との組織的な連携を通じて、事業者の課題解決を図りたいと考えています。日本政策金融公庫とTKC中部会は、相互の関係をより一層強化するべく、このような情報交換会や交流会を継続開催していく方針です。

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