02 連携

事業性評価と事業承継を前進させる『顔の見える関係』とは

TKC千葉会 千葉信用金庫・宮澤英男理事長とのトップ対談
『TKC会報』2025年5月号

目次

    千葉信用金庫とTKC千葉会との連携は、地元の中小企業支援にとって重要な鍵となっています。両者は勉強会・対談・交流会を重ねながら、書面添付、TKCモニタリング情報サービス(MIS)、事業承継支援、職員研修といった実務の要所で、着実に接点を増やしています。

    1.創立100周年の節目、これからも中小企業の課題に寄り添う

    創立100周年を迎えた千葉信用金庫の宮澤英男理事長は、「これからもお客さまの課題に寄り添い、非金融面を含めたサービスが重要です」と語ります。
    中小企業の経営状況や課題、将来の展望を「月次巡回監査」により最も身近で把握しているTKC会員との連携は、今後ますます重要になるという共通認識が、対話のスタート地点です。
    TKC千葉会は、企業へ毎月訪問して経営状況を確認する月次巡回監査を基盤に、書面添付制度の活用やTKCモニタリング情報サービス(MIS)による金融機関への情報提供を継続しています。さらに、経営者の計数管理意識を高める「月次決算速報サービス」の導入など、「数字を起点にした対話」を広げる取り組みも進めています。

    2.書面添付は事業性評価に寄与する

    税理士法第33条の2に基づく書面添付(書面添付制度)は、税理士が申告書を作成するにあたり、検討・確認した事項を記載した書面を申告書に添付する制度であり、税務当局が申告内容を理解するための補助資料となるものです。経営者保証ガイドライン(GL)の様式改訂では、巡回監査の実施状況(関与度合い)の記載が求められるようになりました。
    TKC千葉会は、「法人と経営者の分離を担保する観点でも書面添付は有効」であり、事業性評価に資する資料として活用してほしいと呼びかけています。金融機関側にとっては、「顕著な増減理由」を確認できる点が大きいといえます。
    また、千葉信用金庫の現場からも、「TKC会員事務所の決算書は信頼性が高い」という声が挙がっています。

    3.「直近の業績」を把握できるMISの効用

    MISの「月次試算表提供サービス」は、月次巡回監査に裏打ちされた鮮度の高い月次決算のデータを、金融機関に安全かつ迅速に届ける仕組みです。千葉信用金庫は全国の信用金庫の中でも利用割合が高い状況にあります。金融機関の現場の実感としては、稟議や面談で「直近の業績」を共通前提にできるため、議論のスピードと深さが同時に上がります。

    4.中長期の事業承継を段階的に支援

    事業承継は赤字企業を含む多様なケースがあり、段階的に支援していく必要があります。中期計画の段階から金融機関が参画し、方向性を三者で共有できれば、事業承継の成功する可能性が高まります。

    5.「顔が見える関係」で中小企業支援は前進する

    ここまでの千葉信用金庫とTKC千葉会の連携は、「会う・聞く・確かめる」を積み重ねる現場主義が原動力となっています。書面添付で数字の出所と解像度を上げ、MISで最新の動きまでを「見える化」。どれも千葉信用金庫とTKC千葉会が「顔の見える関係」の中で築いてきたものであり、着実に中小企業支援は前に進んでいます。「地域の中小企業をともに支える」という根幹がぶれない限り、金融機関と税理士の連携はさらに深まっていきます。

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