税理士による開業コラム

システム選定編

明日の自分が
分からないから、
今日が楽しく
懸命に生きられる

麻生 香雄

麻生香雄税理士事務所

税理士 麻生香雄(昭和56年生まれ、広島県尾道市出身で令和3年に開業)

時には迷うことや、失敗もあると思います。同じ信念を持つ税理士が世の中にはたくさんいます。頼り、頼られ、肩を組んで充実した人生を送りましょう!

SEを志すも、僧侶になり、税理士へ

実家はお寺で、個性ある経歴と自負しています(笑)

私は、都内の私立大学理工学部へ進学しました。在学中は何となくIT企業へ就職するのかなという甘い気持ちでいた最終学年の夏、命を落としかねない事故にあいICUを経験しました。入院すら初めての私は、「あれ、これは生かされたな、つまり、まだ今生でやるべきことがあるようだ」と。寺の息子が20歳過ぎてようやく「仏性」に触れ、僧侶を志したわけです。
※ 仏性…人が生まれながらにして、自身の内部に有する、悟りを開く可能性のこと。雨粒のような如意宝珠(にょいほうじゅ)の形をしていると言われる。

大学院を卒業した後、実家で副住職をしていました。30歳手前の頃、再び岐路に立たされます。ある方の一言に大いに悩みました。

「ええのう、お坊さんは税金納めんで。坊主丸儲けや」

あれ?そうなんだろうか。確かに高級車に乗ってるお坊さんもいる、質素な生活をしてているお坊さんもいる。税金のこと何も知らないけど、納めていないはずはない! よし、勉強してみよう!と決心し3年半、仏のご加護をいただき運よく税理士試験を突破しました。

独立開業

税理士試験に合格する数か月前から、縁あって地元の会計事務所に就職し、約6年間お世話になりました。有難いことに、当時の所長先生からは色々な研修会に参加させていただき、税理士仲間をたくさんつくることができました。そして、もうすぐ40歳となる初夏のころ、何かの虫が騒ぎ(税理士を志したのも30歳になる1か月前でした)、突然の辞表を提出し、独立開業を認めていただきました。(感謝、合掌)

差別化戦略としてのクラウド化と自計化推進

令和3年の開業当初は自宅の2階ではじめました。諸先輩方からは最初から事務所を借りることを勧められましたが、土地柄なかなか良い条件の物件がないこともあり断念しました。

私は理工学部出身で、システムやITを得意としていたため、差別化戦略として次の2つに取り組みました。

  • クラウド会計の活用
  • 宗教法人への自計化推進

中には、変化を好まない関与先経営者や経理担当者の方もいるため、積極的にシステム化・デジタル化を提案するようにしています。そのため、しっかり理解している会計システム一つに統一しています。やはり薦める側として、システムを複数あつかってしまうと関与先の質問に受け答えができない恐怖がつきまといますから。

税理士として何を関与先に提供したいか

昨今の会計システムにはどれもたくさんの機能が用意されていますが、私が税理士として関与先に提供したいサービスが実現できる会計システムかどうかを基準に選びました。これは会計事務所のビジネスモデルにも関わるので大変重要な判断です。

私は、関与先のクラウド化を進めるとともに、より経営支援に重点を置きたかったため、今の会計システムを選びました。積極的に機能を活用して、関与先を助けるために邁進していきたいと思います。

メッセージ最後にお伝えしたいこと

まだ1人の事務所のため、事務所経営や人材育成のことなどを勉強中です。

税理士としての理念、というと暑苦しいと思われるかもしれませんが、今生きている、生かされている自分には多分何かやり残していることがあると思います。

一度きりの人生、自分が選べる立場で、自分の責任で選択肢をみつけ判断することはとても価値があります。時には迷うことや、失敗もあると思います。同じ信念を持つ税理士が世の中にはたくさんいます。頼り、頼られ、肩を組んで充実した人生を送りましょう!