注目の判例

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2020.12.29
損害賠償請求事件
LEX/DB25567285/長崎地方裁判所 令和 2年12月 1日 判決 (第一審)/平成31年(ワ)第3号
原告において、本件労働審判事件の労働審判委員会が、原告に口外禁止条項を付した内容での調停を試みたところ、原告からこれを拒否されたにもかかわらず、労働審判法20条1項及び2項に違反して、口外禁止条項を含む労働審判を行ったことにより、原告の表現の自由(憲法21条)、思想良心の自由(同19条)及び幸福追求権(同13条)を侵害し、原告に精神的損害を生じさせたと主張して、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求として、被告に対し、慰謝料140万円及び弁護士費用10万円の合計150万円及び遅延損害金の支払を求めた事案で、本件口外禁止条項は、労働審判法20条1項及び2項に違反すると認められるが、本件口外禁止条項を付した本件審判が、国家賠償法1条1項にいう違法な行為といえないとして、請求を棄却した事例。
2020.12.22
殺人,窃盗,住居侵入,会社法違反被告事件
LEX/DB25571193/最高裁判所第一小法廷 令和 2年12月 7日 決定 (上告審)/令和1年(あ)第1843号
被告人は、自宅で、被害者をその嘱託を受けることなく殺害した後、この事実が捜査機関に発覚する前に、嘱託を受けて被害者を殺害した旨の虚偽の事実を記載したメモを遺体のそばに置いた状態で、自宅の外から警察署に電話をかけ、自宅に遺体があり、そのそばにあるメモを見れば経緯が分かる旨伝えるとともに、自宅の住所を告げ、その後、警察署で、司法警察員に対し、嘱託を受けて被害者を殺害した旨の虚偽の供述をしたことが認められ、被告人は、嘱託を受けた事実がないのに、嘱託を受けて被害者を殺害したと事実を偽って申告しており、自己の犯罪事実を申告したものということはできず、刑法42条1項の自首は成立しないと判示し、これと同旨の第1審判決を是認した原判決は正当であるとして、本件上告を棄却した事例。
2020.12.22
損害賠償請求事件
LEX/DB25567114/東京地方裁判所 令和 2年11月13日 判決 (第一審)/令和1年(ワ)第35314号
原告(弁護士)が、東京地検特捜部において任意で取調べを受けていた被疑者について、その妻の依頼により被疑者の弁護人となろうとする者として被疑者との面会を求めたところ、対応した検察官が、上記依頼につき確認ができないとして、被疑者に対し、原告の来訪を伝えず、原告と被疑者との面会を実現するための措置をとらなかったことが違法であると主張して、被告(国)に対し、国家賠償法1条1項に基づき、慰謝料の支払等を求めた事案で、検察官が、午後3時40分頃、原告から、自らへの依頼の経緯と併せて、本件電話番号につき伝達を受けた時点から、本件電話番号自体についての被疑者の認識又は当日午前中の架電の有無及び架電先につき、被疑者本人に確認し、これを前提として、被疑者に対し、原告の来訪につき伝達すべき職務上の義務を負っていたところ、午後4時30分頃までの間、上記の確認を行っていない検察官の不作為は社会通念上相当と認められる範囲を超え、国家賠償法1条1項の適用上違法と評価するのが相当であるとして、請求を一部認容した事例。
2020.12.15
道路交通法違反、電子計算機使用詐欺被告事件
LEX/DB25567115/名古屋高等裁判所 令和 2年11月 5日 判決 (控訴審)/令和2年(う)第141号
2件の無免許運転(道路交通法違反)と自動改札機を介したキセル乗車1件(電子計算機使用詐欺)の事件につき、原判決は、無免許運転2件については有罪としたが、キセル乗車については構成要件該当性がないから無罪とし、被告人を懲役1年2月、3年間執行猶予に処したため、無免許運転2件については、被告人が控訴し、キセル乗車1件については、検察官が控訴した事案において、弁護人の控訴は理由がないとし、検察官の控訴については、原判決が、本件自動改札機が旅客の入場情報それ自体を事務処理の対象としていないことを前提にして、自動改札機による事務処理システムが予定している事務処理の目的を実質的に検討することなく限定的に解するという誤りを犯し、その結果、被告人の行為が、虚偽の電磁的記録を人の事務処理の用に供したと認められるにもかかわらず、これを否定するという誤認に至ったものであり、判決に影響を及ぼすことは明らかであるとし、原判決を破棄したうえで、被告人は、利欲的動機からキセル乗車に及んだと推察され酌むべきものはなく、また、平成28年9月及び平成29年4月に無免許運転によりいずれも罰金刑に処せられたのに、その後2回も無免許運転に及んだものであり、無免許運転の常習性及び交通規範意識の薄さは顕著であるとして、被告人に懲役2年に処し、執行猶予4年を言い渡した事例。
2020.12.15
損害賠償請求、共同訴訟参加控訴事件(ユニバーサルエンターテインメント元代表取締役に対する損害賠償請求事件控訴審)
LEX/DB25567119/東京高等裁判所 令和 2年 9月16日 判決 (控訴審)/令和2年(ネ)第1081号
パチスロ機及びパチンコ機並びにその周辺機器の開発、製造、販売等を行い、東京証券取引所ジャスダック市場に上場している被控訴人会社(原告)が、海外事業統括の業務を委嘱された取締役であり、かつ、海外子会社の代表者であった控訴人(被告)に対し、これらの役職に在任していた当時、控訴人が、〔1〕控訴人及び控訴人の親族の資産管理会社であり、被控訴人会社の親会社でもある香港法人の第三者に対する貸金債権を回収する目的等で、被控訴人会社の海外子会社の代表者として、当該第三者が関与する会社に対して1億3500万香港ドルを貸し付け(本件行為〔1〕)、〔2〕自己の利益を図る目的で、被控訴人会社の海外子会社の代表者として、受取人白地の額面金額1600万香港ドルの小切手を振り出し(本件行為〔2〕)、〔3〕上記資産管理会社が金融機関から借入れを行う際に、被控訴人会社の海外孫会社の取締役に指示をして、当該会社の預金を担保に供させた上で、同資産管理会社が負担すべき利息相当額等を当該会社に支払わせたが(本件行為〔3〕)、控訴人の上記各行為は、被控訴人会社の取締役としての善管注意義務及び忠実義務に反するものであり、被控訴人会社はその調査のために調査委員会を設置してその費用を支払ったところ、控訴人の任務懈怠と被控訴人会社の上記費用の支払との間には相当因果関係が認められるとして、会社法423条1項に基づき、同費用相当額の損害金及びこれに対する遅延損害金の支払を求め、被控訴人会社の株主である被控訴人X2が共同訴訟参加をし、原審は、被控訴人会社の請求を認容したので、これを不服として、控訴人が控訴した事案において、控訴審も被控訴人会社の請求を認容すべきものと判断し、原判決は正当であるとして、本件控訴を棄却した事例。
2020.12.08
出席停止処分取消等請求事件
「新・判例解説Watch」憲法分野 令和3年2月上旬頃解説記事の掲載を予定しております
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LEX/DB25571168/最高裁判所大法廷 令和 2年11月25日 判決 (上告審)/平成30年(行ヒ)第417号
岩沼市議会の議員であった被上告人が、市議会から科された23日間の出席停止の懲罰(本件処分)が違憲、違法であるとして、上告人を相手に、その取消しを求めるとともに、議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例(平成20年岩沼市条例第23号)に基づき、議員報酬のうち本件処分による減額分の支払を求め、原審は、普通地方公共団体の議会の議員に対する地方自治法135条1項3号所定の出席停止の懲罰の適否は、議員報酬の減額を伴う場合には司法審査の対象となり、本件処分の取消し及び議員報酬の支払を求める訴えは適法であるとして、これを不適法とした第1審判決を取消し、本件を第1審に差し戻したため、上告人が上告した事案において、市議会の議員である被上告人に対する出席停止の懲罰である本件処分の適否は司法審査の対象となるから、本件訴えのうち、本件処分の取消しを求める部分は適法であり、議員報酬の支払を求める部分も適法であるとし、本件訴えが適法であるとした原審の判断は、結論において是認することができるとして、本件上告を棄却した事例(補足意見がある)。
2020.12.08
開示禁止処分等請求事件
LEX/DB25571182/最高裁判所第二小法廷 令和 2年11月27日 判決 (上告審)/令和1年(受)第1900号
被上告人(公認会計士)らは、上告人の設置する品質管理委員会に対し、上場会社監査事務所名簿への登録を申請したところ、本件委員会から上記登録を認めない旨の決定を受けたため、被上告人らが、本件決定が上告人のウェブサイトで開示されると被上告人らの名誉又は信用が毀損されるなどと主張し、上告人に対し、人格権に基づき、上記の開示の差止め等を求め、原審は、上記の開示の差止請求を認容したため、上告人が上告した事案で、被上告人らにつき基準不適合事実に該当する事実があるか否かは、被上告人らが実施した監査手続が、突合を監査対象期間の一部に限定して実施したこと等において、現金等に関する特別な検討を必要とするリスクに個別に対応したものであり、高いリスクの下で十分かつ適切な監査証拠を入手するに足りるものであったといえるか否かの点を検討することなく、被上告人らにつき基準不適合事実に該当する事実があるとはいえないとした原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとし、原判決中上告人敗訴部分を破棄し、更に審理を尽くさせるため、上記部分につき本件を原審に差し戻すこととした事例(補足意見がある)。
2020.12.08
損害賠償等請求控訴事件
LEX/DB25567029/東京高等裁判所 令和 2年 1月30日 判決 (控訴審)/平成30年(ネ)第277号
慢性副鼻腔炎の疑いで診療を受けた大学病院の耳鼻咽喉科で、プロラクチノーマを悪性腫瘍である嗅神経芽細胞腫と誤診され、抗がん剤の副作用及び細菌性髄膜炎による脳の病変を残した患者とその妻が医療過誤に基づく損害賠償請求を求め、同病院の主治医に嗅神経芽細胞腫の疑診例をプロラクチノーマと診断した経験があり、また、誤診し易い両症状の鑑別について多くの報告例があるにも関わらず、患者らの請求を棄却した原判決を維持し、本件控訴を棄却した事例。
2020.12.01
選挙無効請求事件
「新・判例解説Watch」憲法分野 令和3年1月下旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25571162/最高裁判所大法廷 令和 2年11月18日 判決 (上告審)/令和2年(行ツ)第78号
令和元年7月21日施行の参議院議員通常選挙(本件選挙)について、東京都選挙区及び神奈川県選挙区の選挙人である上告人らが、公職選挙法14条、別表第3の参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定は憲法に違反し無効であるから、これに基づき施行された本件選挙の上記各選挙区における選挙も無効であると主張して提起した選挙無効訴訟の事案の上告審において、本件選挙当時、平成30年改正後の本件定数配分規定の下での選挙区間における投票価値の不均衡は、違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあったものとはいえず、本件定数配分規定が憲法に違反するに至っていたということはできないとし、本件定数配分規定が本件選挙当時憲法に違反するに至っていたということはできないとした原審の判断は是認することができるとして、本件上告を棄却した事例(意見、反対意見がある)。
2020.12.01
選挙無効請求事件
「新・判例解説Watch」憲法分野 令和3年1月下旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25571163/最高裁判所大法廷 令和 2年11月18日 判決 (上告審)/令和2年(行ツ)第28号 等
令和元年7月21日施行の参議院議員通常選挙(本件選挙)について、東京都選挙区ほか40選挙区の選挙人である上告人らが、公職選挙法14条、別表第3の参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定は憲法に違反し無効であるから、これに基づき施行された本件選挙の上記各選挙区における選挙も無効であると主張して提起した選挙無効訴訟の事案の上告審において、本件選挙当時、平成30年改正後の本件定数配分規定の下での選挙区間における投票価値の不均衡は、違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあったものとはいえず、本件定数配分規定が憲法に違反するに至っていたということはできず、本件定数配分規定が本件選挙当時憲法に違反するに至っていたということはできないとした原審の判断は是認することができるとして、本件上告を棄却した事例(意見、反対意見がある)。
2020.12.01
首都圏建設アスベスト損害賠償神奈川訴訟(第2陣) 控訴事件
LEX/DB25566826/東京高等裁判所 令和 2年 8月28日 判決 (控訴審)/平成29年(ネ)第5058号
本件元建築作業従事者又はその承継人である第一審原告らが、建築現場において石綿粉じんにばく露し、石綿関連疾患(石綿肺、肺がん、中皮腫等)にり患したとして、〔1〕国に対し旧労働基準法、労働安全衛生法、労働者災害補償保険法又は建築基準法に基づく規制権限を適時かつ適切に行使しなかったことが違法であるなどと主張して、国家賠償法1条1項に基づき、また〔2〕第一審被告企業ら43社に対し、安全配慮義務を怠ったなどと主張して、不法行為(民法709条、719条)又は製造物責任(製造物責任法3条、6条、民法719条)に基づき、損害賠償を求めたところ、原審が、国に対する請求を一部認容し、第一審被告企業らに対する請求を一部認容し、その余を棄却したことから、第一審原告らが請求全部の認容を求めて控訴するとともに、うち、死亡した第一審原告ら相続人又は受遺者が承継するとともに、第一審原告の一部が控訴を取り下げた事案で、第一審原告らの控訴に基づき、原判決を変更し、第一審原告らの損害を新たに一部認定する一方、その余を棄却した事例。
2020.11.24
免責条項等使用差止請求控訴、同附帯控訴事件
LEX/DB25566893/東京高等裁判所 令和 2年11月 5日 判決 (控訴審)/令和2年(ネ)第1093号 等
被控訴人(原告)が、控訴人(被告)は消費者との間でモバゲーに関するサービス提供契約を締結するに当たり、消費者契約法8条1項の不当条項を含む消費者契約の申込み又は承諾の意思表示を現に行い、又は行うおそれがあると主張し、消費契約法12条3項に基づいて、控訴人に対し、消費者との間で本件契約を締結するに際し、原判決別紙契約条項目録記載1及び2の契約条項を含む契約の申込み又は承諾の意思表示を行わないよう求めるとともに、控訴人が同意思表示を行うための事務を行わないことを従業員らに指示するよう求め、原審は、〔1〕原判決別紙契約条項目録記載1の契約条項に係る被控訴人の請求を全部認容し、〔2〕同目録記載2の契約条項に係る被控訴人の請求を全部棄却したところ、控訴人は、上記〔1〕を不服として本件控訴をし、被控訴人は、上記〔2〕を不服として本件附帯控訴をした事案で、原判決別紙契約条項目録記載1の契約条項に係る被控訴人の請求は全部理由があり、同目録記載2の契約条項に係る被控訴人の請求は全部理由がないものと判断し、被控訴人の請求を一部認容し、その余をいずれも棄却した原判決は相当であるとして、本件控訴及び本件附帯控訴をいずれも棄却した事例。
2020.11.24
株式取得価格決定に対する抗告事件
LEX/DB25566835/東京高等裁判所 令和 2年10月 6日 決定 (抗告審(即時抗告))/令和2年(ラ)第1388号
第1事件において、本件株主総会に先立ってジャスダックに株式を上場していた利害関係参加人による本件株式の取得に反対する旨を利害関係参加人に対し通知し、かつ、本件株主総会において当該取得に反対した株主であった抗告人aが、会社法172条1項に基づき、本件株式のうち同抗告人の保有していた5万5000株につき取得価格(1株当たり173円,予備的に1株当たり144円)の決定の申立てをし、第2事件において、基準日後に本件株式100株を取得したため、本件総会において議決権を行使することができない株主であった抗告人が、会社法172条1項に基づき、本件株式のうち同抗告人の保有していた上記100株につき取得価格(1株当たり30円)の決定の申立てをしたところ、原審は、本件株式の取得価格を1株当たり25円とする本件鑑定を採用することなく、1株当たり28円と決定したことで、これを不服とする抗告人らが本件抗告をそれぞれした事案で、本件株式の取得価格を1株当たり28円とした原決定は不当であるが、利害関係参加人の抗告、附帯抗告がない本件においては、不利益変更禁止の原則の趣旨に鑑み、原決定を抗告人らに不利益に変更することは相当ではないから、本件抗告をいずれも棄却するにとどめることとした事例。
2020.11.17
石炭火力発電所運転差止請求事件
「新・判例解説Watch」環境法分野 令和3年1月中旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25566855/仙台地方裁判所 令和 2年10月28日 判決 (第一審)/平成29年(ワ)第1175号
石炭火力発電所の本件発電所周辺に居住する原告らが、本件発電所の運転により、原告らの平穏に日常生活を送る権利(平穏生活権)が侵害されていると主張して、被告に対し、平穏生活権に基づき、本件発電所の運転差止めを求めた事案で、現時点において、本件発電所の運転により排出される大気汚染物質の実測値は、環境基準等をいずれも下回るものであり、本件発電所の周辺地域における大気汚染物質の実測値は、本件発電所の運転前と比較しても通常の変動の範囲内で推移していることが認められるとし、本件発電所の運転により環境を汚染する行為は、環境汚染の態様や程度の面において社会的に容認された行為としての相当性を欠くということはできず、平穏生活権を侵害するものとして違法となると認めることはできないとして、原告らの請求を棄却した事例。
2020.11.17
発信者情報開示等請求事件
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LEX/DB25571025/東京地方裁判所 令和 2年 6月26日 判決 (第一審)/平成31年(ワ)第8945号
氏名不詳者が、ツイッター(インターネットを利用してツイートと呼ばれる140字以内のメッセージ等を投稿することができる情報ネットワーク)上で、原告になりすまして、俗悪なユーザー名でアカウントの登録をした上、これを使用して、原告の顔写真を添付して上記アカウント開設に係る投稿をしたことにより、原告の肖像権や名誉感情が侵害されたとして、原告が、上記氏名不詳者(本件発信者)に対する損害賠償請求権の行使のために、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律4条1項にいう開示関係役務提供者に当たる被告に対し、同法同条同項に基づき、本件発信者の氏名、シンプルメールトランスファープロトコルが用いられる通信方式(SMTP方式)による電子メールに係る電子メールアドレス及びショートメッセージサービスが用いられる通信方式(SMS方式)による電子メールに係る電子メールアドレスの開示を求めた事案で、本件投稿による原告の肖像権侵害は、社会生活上受忍の限度を優に超えるものというべきであり、本件投稿は不法行為法上違法となることが明らかであるとし、原告の請求のうち、本件情報を投稿した者(本件発信者)に関するSMS方式による電子メールに係る電子メールアドレスの開示を求める点について一部認容した事例。
2020.11.17
損害賠償請求控訴事件
LEX/DB25566814/東京高等裁判所 令和 1年 9月25日 判決 (控訴審)/令和1年(ネ)第2048号
控訴人(原告)は、被控訴人(被告)らが控訴人の取締役又は監査役を務めていた時期に、控訴人の一人株主からその保有する株式を5250万円で取得し、2650万円で売却したことにつき、被控訴人らがその任務を怠ったとして、被控訴人らに対し、会社法423条1項に基づく損害賠償として、連帯して5250万円の支払等を求め、原審は、控訴人の請求をいずれも棄却したため、控訴人が請求の認容を求めて控訴した事案で、本件株式取得契約及び本件株式売却契約がされた時点において、近い将来に債務超過状態に陥る蓋然性が高かったとはいえないとして、当審における控訴人の主張を採用できないなどとし、控訴人の請求は理由がないから棄却した原判決と同旨であるとして、本件控訴を棄却した事例。
2020.11.10
保有個人情報不開示決定処分取消請求事件
LEX/DB25566775/大阪地方裁判所 令和 2年 9月11日 判決 (第一審)/令和1年(行ウ)第159号
大阪刑務所収容中の原告が、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律13条に基づき、保有個人情報の開示を請求したところ、大阪矯正管区長から、本件情報は同法45条1項により開示請求等の規定の適用が除外されている情報に該当するとして、その全部を開示しない旨の決定を受けたことから、本件決定は同項の解釈を誤ったものである、又は、憲法によって保障されている被収容者が自己の医療情報を知る権利等を侵害するため違憲であるなどと主張して、本件決定の取消しを求めた事案で、受刑者に対して講じられた医療上の措置に係る個人情報で刑事施設が保有するものについては、同法45条1項の「刑事事件に係る裁判に係る保有個人情報」及び「刑の執行に係る保有個人情報」に該当すると解するのが相当であり、また、憲法13条が行政機関の保有する個人情報の開示請求権を具体的権利として保障したものではないなどとして、原告の請求を棄却した事例。
2020.11.10
建物明渡等請求控訴事件
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LEX/DB25566836/大阪高等裁判所 令和 2年 6月19日 判決 (控訴審)/平成31年(ネ)第691号
阪神・淡路大震災の被災地の地方公共団体であり、かつ、公営住宅の事業主体である被控訴人(1審原告。神戸市)が、復旧・復興対策として、住宅・都市整備公団(現在は独立行政法人都市再生機構に承継され、UR都市機構)から期間20年で借り上げた本件居室の入居者(転借人)である控訴人に対し、〔1〕主位的に、本件賃貸借契約の借上期間が満了したとして、公営住宅法32条1項6号及び神戸市営住宅条例50条1項7号に基づき、仮に本件転貸借契約に同法32条1項6号等の適用がないとしても、予備的に、本件賃貸借契約の期間満了による終了によって本件転貸借契約も当然に終了し、又は被控訴人からの正当事由のある解約申入れによって本件転貸借契約が終了したとして,本件転貸借契約の終了に基づき、本件居室の明渡しを求め、〔2〕本件居室のUR都市機構からの借上期間満了日の翌日である平成28年1月31日から平成30年3月31日までは1箇月10万2290円の割合(合計266万2839円)、同年4月1日から本件居室の明渡済みまでは1箇月10万1700円の割合による各賃料及び共益費(賃料等)相当損害金の支払を求めたところ、原審は、被控訴人の主位的請求としての明渡請求(上記〔1〕)及び同附帯請求(同〔2〕)を認容したため、これを不服とする控訴人が控訴した事案において、本件転貸借契約には新法(公営住宅法32条1項6号)が適用され、また公営住宅法25条2項所定の通知は、同法32条1項6号に基づく明渡請求の要件とはいえないなどとして、被控訴人の主位的請求を認容した原判決は相当であるとし、本件控訴を棄却した事例。
2020.11.04
選挙無効請求事件
「新・判例解説Watch」憲法分野 令和3年1月下旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25571131/最高裁判所第二小法廷 令和 2年10月23日 判決 (上告審)/令和2年(行ツ)第79号
公職選挙法の一部を改正する法律(平成30年法律第75号)による改正後の公職選挙法の規定が憲法に違反して無効であるから、これに依拠して令和元年7月21日に施行された参議院議員通常選挙のうち比例代表選出議員の本件選挙は無効であるとして提起された選挙無効訴訟で、原審は、憲法の規定に違反するとはいえないとして請求を棄却したため、上告人が上告した事案において、本件改正後の参議院(比例代表選出)議員の選挙に関する公職選挙法の規定は憲法43条1項等の憲法の規定に違反するものではなく、このことは、最高裁平成11年(行ツ)第8号同年11月10日大法廷判決・民集53巻8号1577頁及び最高裁平成15年(行ツ)第15号同16年1月14日大法廷判決・民集58巻1号1頁の判示するところであるか、又はその趣旨に徴して明らかであるとし、また、参議院議員通常選挙のうち比例代表選出議員の選挙の無効を求める訴訟において選挙区選出議員の選挙の仕組みの憲法適合性を問題とすることができないことは、前掲平成11年大法廷判決の趣旨に徴して明らかであるとし、これと同旨の原審の判断は、正当として是認することができるとして、本件上告を棄却した事例(意見がある)。
2020.11.04
地位確認等請求事件
LEX/DB25571115/最高裁判所第一小法廷 令和 2年10月15日 判決 (上告審)/令和1年(受)第794号 等
第1審被告と有期労働契約を締結して勤務し、又は勤務していた時給制契約社員又は月給制契約社員である第1審原告らが、無期労働契約を締結している労働者(正社員)と第1審原告らとの間で、年末年始勤務手当、祝日給、扶養手当、夏期休暇及び冬期休暇等に相違があったことは労働契約法20条(平成30年法律第71号による改正前のもの)に違反するものであったと主張して、第1審被告に対し、不法行為に基づき、上記相違に係る損害賠償を求め、原審は、郵便事業株式会社及び第1審被告との間で更新された有期労働契約の契約期間を通算した期間が5年を超えていた時期における第1審原告らの年末年始勤務手当及び年始期間の勤務に対する祝日給に係る損害賠償請求の一部を認容すべきものとする一方、第1審原告X1について,通算雇用期間が5年を超えていなかった平成27年4月30日以前の年末年始勤務手当及び同日以前の年始期間の勤務に対する祝日給に係る損害賠償請求を棄却したため、双方が上告した事案において、郵便の業務を担当する正社員に対して扶養手当を支給する一方で、本件契約社員に対してこれを支給しないという労働条件の相違は,労働契約法20条にいう不合理と認められるものに当たると解するのが相当であるとし、また、第1審被告における夏期冬期休暇は、有給休暇として所定の期間内に所定の日数を取得することができるものであるところ、本件契約社員である第1審原告らは、夏期冬期休暇を与えられなかったことにより、当該所定の日数につき、本来する必要のなかった勤務をせざるを得なかったものといえるから、上記勤務をしたことによる財産的損害を受けたものということができるとし、原判決中、第1審原告X1の平成27年4月30日以前における年末年始勤務手当及び同日以前における年始期間の勤務に対する祝日給に係る損害賠償請求に関する部分並びに第1審原告X2及び第1審原告X3の扶養手当に係る損害賠償請求に関する部分を破棄し、損害額等について更に審理を尽くさせるため、これらの部分につき本件を原審に差し戻すとともに、第1審被告の上告並びに第1審原告X1、第1審原告X2及び第1審原告X3のその余の上告を棄却した事例。