注目の判例

環境法

2014.06.10
千葉市における地盤沈下被害原因裁定申請事件
LEX/DB25503770/公害等調整委員会 平成26年3月25日/平成24年(ゲ)第7号
公有水面埋立地上に建設された建物を所有する申請人らが、東北地方太平洋沖地震による通常の液状化とは異なる住宅被害(宅盤陥没・傾斜及び宅盤と一体となった住家の陥没・傾斜)を受けたのは、被申請人の企業庁が実施した公有水面埋立て後の後養生不備が原因であるとの原因査定を求めた事案において、本件道路下の埋立土に切断されたやぐら杭の存在を認めることはできず、企業庁の下水管敷設工事の際にやぐら杭が切断されたことによって人為的に軟弱部分が発生したとの事実を認めることもできないとして、申請を棄却した事例。
2014.06.10
建築確認通知処分取消請求事件
LEX/DB25503263/さいたま地方裁判所 平成26年3月19日 判決 (第一審)/平成25年(行ウ)第24号
本件建築物の周辺住民である原告らが、被告(処分行政庁)が訴外会社代表取締役に対してした本件建築物の建築計画に関する建築確認処分について、建築基準法56条の2第1項、第3項及び建築基準法施行令135条の12第1項の解釈を誤った違法があると主張して、同処分の取消しを求めた事案において、原告のうち1名については、処分の取消しを求める法律上の利益を有しないとして請求を却下したが、その余の原告らについては原告適格を認め、処分は建築基準関係規定に適合しない建築計画について確認したもので、違法であるとして、請求を認容した事例。
2014.04.22
損害賠償請求控訴事件
LEX/DB25503170/大阪高等裁判所 平成26年3月6日 判決 (控訴審)/平成24年(ネ)第2695号
1審被告会社の工場の周辺で居住ないし勤務していた亡Aの相続人及び亡Bの相続人である1審原告らが、A及びBは工場から飛散した石綿粉じんに曝露したことにより中皮腫に罹患して死亡したとして、1審被告会社に対しては大気汚染防止法25条1項の無過失責任又は民法709条に基づき損害賠償を求め、1審被告国に対しては国賠法1条1項に基づき、損害賠償を求めた事案の控訴審において、亡Aについては、勤務先の工場において1審被告会社の工場から飛散した石綿粉じん、特に青石綿粉じんに曝露したことと比較すると、他に中皮腫の原因となるような石綿粉じん曝露の機会は認め難いから、同工場から飛散した石綿粉じんにより中皮腫を発症したものと認められるが、亡Bについては、同工場から飛散した石綿により発症したことを裏付けるに足りる証拠はなく、1審被告会社は、亡Aの死亡について大気汚染防止法25条1項に基づく損害賠償責任を負うとされた事例。
2014.04.15
県営路木ダム事業に係る公金支出差止等請求事件
LEX/DB25503189/熊本地方裁判所 平成26年2月28日 判決 (第一審)/平成21年(行ウ)第16号
熊本県天草市河浦町を流れる路木川上流において、整備計画等に基づいて建設中の多目的ダムについて、同県の住民である原告らが、同整備計画等は、治水及び利水の必要性等が認められないにもかかわらず、その必要性があるとして、路木ダム建設工事の実施等を定めたものであり、河川法16条の2第2項等に違反するから、路木ダムの建設事業に係る公金支出は違法であるとして、被告(熊本県知事)に対し、地方自治法242条の2第1項1号に基づき、公金支出等の差止めを求めるとともに、同県知事である甲に対し不法行為による損害賠償請求をすることを求めた住民訴訟の事案において、同整備計画等の違法性を認め、将来の公金の支出等の差止請求のみ認容した事例。
2014.01.21
環境区域内行為許可取消請求事件
LEX/DB25446142/仙台地方裁判所 平成25年12月26日 判決 (第一審)/平成25年(行ウ)第8号
広瀬川の清流を守る条例(昭和49年仙台市条例第39号)に基づく環境保全区域に指定されている土地上に7階建てのマンションを新築することなどにつき,仙台市長(処分行政庁)がした本件条例9条1項本文に基づく環境保全区域内行為許可処分に対し、上記土地の近隣に居住する原告が、本件各許可により原告の良好な河川環境を享受する利益及び良好な河川景観を享受する利益が侵害されるとして、環境保全区域内行為許可処分の違法を主張し、その取消しを求めた事案において、原告は、本件各許可のうち本件当初許可及び第3回変更後許可の取消しを求める本件各訴えにつき、原告適格を有しないとして、本件各訴えを却下した事例。
2013.10.29
甲州市における工場からの騒音・低周波音による健康被害責任裁定申請事件
LEX/DB25501741 / 公害等調整委員会 平成25年 5月28日 / 平成23年(セ)第13号
 申請人が、自宅に隣接する被申請人のミネラルウォーター製造工場から発せられる騒音・低周波音により、頭痛、耳鳴り等の健康被害を被ったと主張して、被申請人に対し、不法行為に基づき、慰謝料等の損害賠償を求めた事案において、本件工場の操業によって申請人が受けた騒音被害が社会生活上受忍すべき程度を超えるものということはできず、被申請人が一定の騒音を発生させていることが違法であるということもできないとして、申請人の裁定申請を棄却した事例。
2013.10.29
北海道石狩市花川東地先内の砂利採取計画不認可処分に対する取消裁定申請事件
LEX/DB25500965 / 公害等調整委員会 平成25年 3月11日 / 平成24年(フ)第1号
 申請人が、砂利採取法16条に基づき砂利採取計画の認可申請をしたところ、不認可処分を受けたことから、同処分を取り消すとの裁定を求めた事案において、砂利採取跡地の埋戻しの履行を担保する保証措置を具体的に裏付ける書面を提出することを砂利採取認可の要件とする条例の条項は、当該地方公共団体の砂利採取の実情に適合した有効かつ合理的なものであり、かつ、確実な埋戻しを図るための必要最小限度の規制方法で、それによって砂利採取業者に過大な負担や不当な義務を負わせるものではないときは、砂利採取法及び砂利の採取計画等に関する規則との間に矛盾抵触はなく、適法であるとして、申立人の本件裁定申請を棄却した事例。