税理士による開業コラム

開業エリアと立地

どのように
開業エリア・場所を
決めたか

清水 博文

税理士法人LEGARE 岡山オフィス

代表社員 清水 博文(昭和53年生まれ、岡山県岡山市で平成21年に開業)

開業される皆さま、いま、期待と不安が入り混じっている状況かと思います。ぜひ、それも良いチャンスだと感じて色々と考え抜いてみてください。私は、TKCに入会した当初、色々と相談できる心強い先輩や仲間が沢山いたので、すごく助かったことを覚えています。

こんにちは、今回は開業エリア・場所の決め方について書かせて頂きます。 開業エリア・場所の選定は、開業準備の中でも最も重要なテーマになると思います。 これには絶対の正解というものはありませんが、自宅かそれ以外か、購入か賃貸か、どのエリアのどのような場所を選定するのか、とても重要な決定事項です。

ここからは、私の実体験をもとにお話しします。

自分が探し求めていた開業場所

私が開業前に勤務していた会計事務所の場所は、あるマンションの一室でした。
当然ですが、マンションの一室なので交通量はゼロで、道行く人の目に留まることはありませんでした。
事務所のことを良く知っている方が訪問してくれていたという感じで、いま振り返って考えてみると、外観をきっかけとしてお客様が増えるというイメージはありませんでした。

そこで私が考えた開業場所は、出来るだけ人の通る場所で、そして訪問者が入りやすいような、地階にあるテナントを探しました。
その頃は収入が少なく予算に限りはありましたが、公私を分ける意味でも自宅以外の場所ということにはこだわり、最終的に見つけた場所は岡山市の「清心町」というエリアに所在する場所でした。

これらの目的を、税理士事務所がウェブサイトを開設する目的に読み替えていきます。

事務所の戦略と一致する開業エリア

この「清心町」がどのようなエリアかと言いますと、岡山県の県庁所在地・岡山市のJRメイン駅である岡山駅から半径1km以内(徒歩10分圏内)のエリアになります。
岡山県の企業は車で移動をすることが多いので車による来訪がしやすく、かつ駅から徒歩で歩ける範囲内というところがポイントでした。

そして、街中でも埋もれない場所をと考え、同エリア内に会計事務所が一つもないという理由で「清心町」に決定しました。
近くに事務所が一つしかなければ、必然的に地域ナンバーワンですものね(笑)。
それは結果オーライなのですが、初めて会った方に事務所の説明をする際にもネタにはなりました。

このエリアを選択したのはもう一つの理由があります。
メインターゲットである「企業」にとって便利の良いエリアであるという他に、このエリアが「資産家」の方にとっても魅力のある土地だったからです。
企業の顧問と資産税の二本柱で事業をしようと思っていた私にとって、最適なエリアが見つかりました。

現事務所の写真(外観・内観)
現事務所の写真(外観) 現事務所の写真(内観)

事務所の移転

ただひとつ、最初は本当に予算が少なかったため、やむなく大通りから一本入った場所に事務所を構えることにしました。
それから開業10年が経った時に意を決し、同じエリア内の大通り沿いに事務所を移しました。
そして多くの方に見て頂けるようオープンなイメージの造りにしてみました。
すると思ったとおり、大通り沿いに移転してからは電話の問い合わせや事務所のウェブサイトへのアクセスが各段と増えました。
今から思えば、もう4~5年は早く移転しても良かったなと思っております。

メッセージ最後にお伝えしたいこと

皆様にも、可能であれば人目に付く場所に事務所を構えられるのが良いとお勧めいたします。
後から気づいたことですが、お客様が好まれる場所というのは同時に、事務所スタッフの採用戦略においても好立地となっているはずですので・・・。

最後に、所長先生の成長より1~2周りほど先回りで背伸びをした場所を選定しておいても、丁度良い結果になることが多いと思いますので参考にしてみてください。

コラムを読んでくださった皆様のこれからの事務所経営がご成功することを、心よりお祈りいたします。