税理士による開業コラム

はじめての採用

小さな事務所でも
良い人材が
集まるコツ

下津 正也

税理士法人ウィズ 岩出オフィス

税理士 下津 正也(昭和48年生まれ、和歌山県岩出市で平成23年に開業)

私は税理士になって「顧問先様とより深いお付き合いがしたい」と思って開業しました。現在、TKCシステムを忠実に活用することで経営助言に投下する時間が増え、顧問先も順調に増えています。

私が開業したときは実家の2階6畳一間を事務所(当時は下津会計事務所)にして開業しました。 それから開業3年目に事務所を借りてスタッフを採用しました。

採用するときは、開業間もない税理士事務所に良い人材が来てくれるように工夫したことをご紹介します。

募集!背伸びしないで自分の思いを大切に

まず募集は、ハローワークと折込チラシを活用しました。
給与面では十分な待遇を提示ができない分、以下の項目を強調して募集しました。

  • 1 専門家として育成します。
  • 2 お客様は、社長等組織のトップなので自分を磨くことができます。
  • 3 お客様の経営発展に貢献できます。

このように、当事務所で仕事をすることで、「自己成長できる」ことをイメージしてもらえるようにしたことが特長です。

現事務所の写真(外観・内観)
現事務所の写真(外観) 現事務所の写真(内観)

採用面接!真心を込めて誠実に

次に採用面接では、以下の点を心がけました。

  • 1 事務所を見学していただき、仕事する環境を準備して、働いてくれることを待っていることが伝わるようにしました。
    • こちらが仕事をする席(机、椅子)です。
    • こちらが仕事をする道具(ノートパソコン)です。
    • こちらがお手洗い(トイレ)です。
  • 2 私(所長)は気さくな感じで、小規模の事務所ならではの働きやすさが伝わるようにしました。
    • 出社時間は5分前で良いです。気を使って10分以上前に来なくて大丈夫ですよ。
    • 休憩時間は外出しても大丈夫ですよ。
    • 空き時間があったら、TKCの研修を受けて良いですよ。
  • 3 労働契約書を自分流に作成して、小規模の事務所でも「ちゃんとしている」というイメージをもってもらうよう工夫しました。

育成!スタッフとともに所長が成長すること

そしてスタッフと一緒に事務所の運営が始まると、特に以下の点に気を配りました。

  • ひとりの専門家として接する
  • 人間性の未熟さを指摘しない
  • ミスがあればお互いに改善する

巡回監査担当者を育てるのは、かなりの時間と労力がかかります。
早くて1年で担当者にはなれますが、経験と知識が充実してくるには3年かかると思います。
経験は、所長がスタッフの不足を補いながら成長を促します。
知識は、TKCの研修制度を活用することをオススメします。

メッセージ最後にお伝えしたいこと

最後に、スタッフの在職期間が長くなるほど事務所運営は安定すると思っています。
所長は、実務と資金繰りと人材育成を同時に行わなければなりません。
どうしても人材育成の優先順位が後になりがちです。
人材育成による組織的な事務所発展は、所長が時間を作ることです。
その時間で次の事務所戦略を考えることができますので、ご参考にしてください。