注目の判例

民法(財産法)

2015.06.09
損害賠償等請求控訴事件(幸福の科学VS文藝春秋)
LEX/DB25506233/東京高等裁判所 平成27年 3月26日 判決 (控訴審)/平成26年(ネ)第5215号
一審原告らが、本件記事を本件週刊誌に掲載するなどした一審被告らの行為は、一審原告らの名誉を毀損するものであるとし、本件週刊誌を発行する被告会社及び本件週刊誌の編集長である一審被告Yらに対し、損害賠償等を求めたところ、請求が一部認容され、双方が控訴した事案において、本件各記事は、原審被告Aが、Bとの離婚を決意してBと別居するに至った経緯、原因等を明らかにしようとするものであって、その正に当事者であるA自身に対して直接取材をして記載されたものであり、一審被告らは、少なくともAが述べる事実が真実であると信ずるにつき相当な理由があったと認められるとし、一審被告らの控訴に基づき、原判決中、一審被告ら敗訴部分を取り消し、一審被告らに対する請求を棄却し、一審原告らの控訴を棄却した事例。
2015.06.02
MOX燃料使用差止請求事件(佐賀・玄海原発 MOX燃料使用差し止め請求棄却)
LEX/DB25506222/佐賀地方裁判所 平成27年3月20日 判決 (第一審)/平成22年(ワ)第591号
被告である九州電力株式会社が玄海原発3号機原子炉でプルトニウム・ウラン混合酸化物燃料(MOX燃料)を使用すると、ギャップ再開による重大事故の可能性があること、及び使用済MOX燃料を長期間保管すれば健康・環境被害等が生じることを主張して、原告らが、人格権及び環境権に基づき、本件原子炉において、MOX燃料を使用して運転することの差止めを請求した事案において、本件MOX燃料の設置許可基準規則15条5項への適合性について原告らの反証は有効になされていないものと評価するのが相当であり、本件燃料設計に関する安全確保対策の安全性に欠ける点があり、かつ、それにより原告らの生命、身体、健康を侵害する具体的危険がるものと認めるに足りないと示すなどして、原告らの請求をいずれも棄却した事例。
2015.06.02
損害賠償請求事件(第1事件)、損害賠償本訴請求事件(第2事件本訴)、損害賠償反訴請求事件(第2事件反訴)(富士電機 VS 三重県 双方に賠償命令)
LEX/DB25506181/津地方裁判所 平成27年3月19日 判決 (第一審)/平成18年(ワ)第220号等
ごみ固形燃料(RDF)発電所で、平成14年から平成15年にかけて連続して発生し、消防士ら7人が死傷した火災や爆発事故で、過失責任をめぐり事業主体の第1事件被告・第2事件本訴原告兼同事件反訴被告(三重県)と、運営管理を受託した第1事件原告・第2事件本訴被告兼同事件反訴原告Y社とが、事故処理費の負担を求めて、相互に訴えた事案において、双方の過失を認め、Y社側に約19億600万円、三重県側に約7億8300万円の支払いを命じた事例。
2015.05.19
不当利得返還等・求償金請求控訴事件、同附帯控訴事件(車ローン返金訴訟 逆転敗訴)
LEX/DB25506171/札幌高等裁判所 平成27年3月26日 判決 (控訴審)/平成26年(ネ)第79号等
訴外会社から購入する自動車の売買代金等の資金を得るため、それぞれ一審被告銀行と消費貸借契約または連帯保証契約を締結し、一審被告保証会社らと保証委託契約または連帯保証契約を締結した一審原告らが、一審被告らに対し、既払金の返還ないし預金の返還、債務不存在の確認などを求め、原判決は、請求を一部認容した事案において、原判決中、一審被告らの敗訴部分を取り消し、一審原告らの請求をいずれも棄却し、一審被告らの請求を一部認容した事例。
2015.05.19
損害賠償請求控訴事件(衣浦港 海底地盤改良事業を巡る訴訟(控訴審))
LEX/DB25506174/名古屋高等裁判所 平成27年3月24日 判決 (控訴審)/平成25年(ネ)第882号
控訴人(原告、愛知県)が、その管理する港の臨海用地造成事業護岸工事について、工事共同企業体(JV)との間で請負契約を締結したところ、同工事の施工において、砂が使用されるべきであるにもかかわらずスラグが使用されたため、工事の目的物に瑕疵が生じ、対策工事を余儀なくされたなどとして、JVの構成員である被控訴人(被告、建設会社)らに対し、請負契約上の瑕疵担保責任ないし共同不法行為に基づく損害賠償として、対策工事費用相当額の支払いを求め、原審が請求を棄却した事案において、JVの故意または重大な過失により、工事の目的物に瑕疵が生じたとは認められないので、本件約款に基づく瑕疵担保責任にかかる請求については、既に除斥期間が経過したなどとして、控訴をいずれも棄却した事例。
2015.05.12
損害賠償請求事件(第1事件)、損害賠償請求事件(第2事件)
(マンション耐震強度不足 賠償命令)
LEX/DB25506180/仙台地方裁判所 平成27年3月30日 判決 (第一審)/平成22年(ワ)第2018号等
原告Xに引き渡された集合住宅には、コンクリート圧縮強度不足等の複数の瑕疵があり、そのために耐震性を欠くなどの補修し難い損害が生じたとして、請負人である被告Y1社に対し、請負契約の瑕疵担保責任ないし不法行為責任による損害賠償請求権に基づき、下請人である被告Y2社及び孫請人であるY3社に対し、原告Xが、不法行為責任による損害賠償請求権に基づき、建替費用相当額及び慰謝料等の連帯支払を求めた事案(第1事件)、被告Y1社が、当該集合住宅のクラック等の瑕疵を補修したとして、被告Y2社に対し、請負契約の瑕疵担保責任ないし不法行為責任による損害賠償請求権に基づき補修費用相当額等の支払を求めた事案(第2事件)において、第1事件では、当該集合住宅を施工した被告らの不法行為責任(賠償額約5億1900万円)を認め、原告Xの請求を一部認容し、第2事件では、被告Y1社の請求を棄却した事例。
2015.04.28
損害賠償等請求控訴事件、同附帯控訴事件
(飼い犬 チワワのショック死 大型犬シェパードの飼い主に賠償命令(控訴審))
LEX/DB25506065/大阪地方裁判所 平成27年2月6日 判決 (控訴審)/平成26年(レ)第476号等
被控訴人(原告)らが、小型犬(チワワ)の散歩中、控訴人(被告)が経営する店舗前において、控訴人の不十分な管理により逃げ出した大型犬(シェパード)が同小型犬に突進して接触したため、同小型犬が死亡したとして、民法718条に基づく損害賠償請求をし、原審は、請求を一部認容したため、控訴人が控訴をし、被控訴人が附帯控訴をした事案において、控訴を棄却し、附帯控訴に基づき、原判決を変更し、被控訴人の請求を一部認容した事例。
2015.04.21
損害賠償請求事件(サッカーボール事故訴訟 )
「新・判例解説Watch」H27.6中旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25447192/最高裁判所第一小法廷 平成27年4月9日 判決 (上告審)/平成24年(受)第1948号
自動二輪車を運転して小学校の校庭横の道路を進行していたB(当時85歳)が、その校庭から転がり出てきたサッカーボールを避けようとして転倒して負傷し、その後死亡したことにつき、同人の権利義務を承継した被上告人(原告、被控訴人・附帯控訴人)らが、前記サッカーボールを蹴ったC(当時11歳)の父母である上告人(被告、控訴人・附帯被控訴人)らに対し、民法709条又は民法714条1項に基づく損害賠償を請求した事案の上告審において、ゴールに向けてサッカーボールを蹴らないよう指導する監督義務があり、上告人らはこれを怠ったなどとして、被上告人らの民法714条1項(監督義務)に基づく損害賠償請求を一部認容した原審の判断を否定し、上告人らは、監督義務者としての義務を怠らなかったというべきであるとし、上告人らの敗訴部分には判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があり、被上告人らの民法714条1項に基づく損害賠償請求は理由がなく、被上告人らの民法709条に基づく損害賠償請求も理由がないこととなるから、原判決中上告人らの敗訴部分をいずれも破棄し、第一審判決中上告人らの敗訴部分をいずれも取消した上、前記取消部分に関する被上告人らの請求をいずれも棄却し、かつ、前記破棄部分に関する承継前被上告人Aの請求に係る被上告人X2及び同X3の附帯控訴を棄却した事例。
2015.04.21
損害賠償請求事件(ファウルボールが顔面に直撃)
「新・判例解説Watch」H27.6中旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25447181/札幌地方裁判所 平成27年3月26日 判決 (第一審)/平成24年(ワ)第1570号
原告が、札幌ドームの1塁側内野席において、平成22年8月に行われたプロ野球の試合を観戦中、打者の打ったファウルボールが原告の顔面に直撃して右眼球破裂等の傷害を負った事故について、被告らがファウルボールから観客を保護する安全設備の設置等を怠ったことが原因であるなどと主張し、〔1〕本件試合を主催し、本件ドームを占有していた被告株式会社北海道日本ハムファイターズに対し、工作物責任(民法717条1項)、不法行為(民法709条)、債務不履行(野球観戦契約上の安全配慮義務違反)に基づき、〔2〕指定管理者として本件ドームを占有していた被告株式会社札幌ドームに対し、工作物責任(民法717条1項)、不法行為(民法709条)に基づき、〔3〕本件ドームを所有していた被告札幌市に対し、営造物責任(国家賠償法2条1項)、不法行為(民法709条)に基づき、連帯して、本件事故による4659万5884円の損害の賠償及びこれに対する遅延損害金の支払を求めた事案において、本件事故当時、札幌ドームに設けられていた安全設備等の内容は、本件座席付近で観戦している観客に対するものとしては通常有すべき安全性を欠いていたものであって、工作物責任ないし営造物責任上の瑕疵があったものと認められるとし、原告の請求を一部認容(被告らに連帯して、4195万6527円及びこれに対する遅延損害金の支払を命じた)した事例。
2015.04.14
柔道部員死亡事故(上告審)
LEX/DB25505883/最高裁判所第一小法廷 平成27年2月5日 決定 (上告審)/平成26年(オ)第696号等
上告人兼申立人(原告・控訴人)が、一審被告町の設置する中学校の柔道部に所属していた長男が、練習中に頭部を負傷し死亡したことについて、同部の顧問であった被上告人兼相手方(被告・被控訴人)には安全配慮義務を怠った過失があると主張して、不法行為に基づく損害賠償を請求し、一審及び二審が、被上告人兼相手方個人に対する請求を棄却した事案において、上告を棄却し、また、上告審として受理しない旨を決定した事例。
2015.04.14
冠婚葬祭の積み立て契約 解約手数料は「無効」確定(上告審)
LEX/DB25505828/最高裁判所第三小法廷 平成27年1月20日 決定 (上告審)/平成25年(受)第1041号等
甲事件は、消費者契約法13条に基づき内閣総理大臣の認定を受けた適格消費者団体である甲事件原告(申立人・附帯相手方)が、甲事件被告(相手方・附帯申立人)らが消費者との間で締結している互助契約又は積立契約において、それぞれ契約解約時に払戻金から所定の手数料が差し引かれるとの条項(解約金条項)を使用していることに関して、同条項は、同法9条1号に定める平均的な損害の額を超える違約金を定めるものであり、また、同法10条に定める信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものであるとして、同法12条3項本文に基づき、主位的に、解約金を差し引くことを内容とする意思表示等の差止めを求め、予備的に、現実に使用している約款等に基づく意思表示等の差止めを求め、乙・丙・丁事件は、同事件原告(申立人・附帯相手方)らが同事件被告(相手方・附帯申立人)に対し、上記解約金条項が消費者契約法9条1号及び10条に反し無効であるとして、不当利得返還請求権に基づく同被告により差し引かれた解約手数料相当額の返還及び同額に対する遅延損害金の支払を求めた事案の上告審において、本件上告受理申立ての理由によれば、民事訴訟法318条1項により受理すべきものとは認められない(なお、本決定により、本件附帯上告受理の申立ては、その効力を失う。)として、上告不受理の決定をした事例。
2015.04.07
損害賠償等(本訴)・損害賠償(反訴)請求控訴、同附帯控訴事件
(東北大学論文疑惑問題 控訴審)
LEX/DB25505912/仙台高等裁判所 平成27年2月17日 判決 (控訴審)/平成25年(ネ)第349号等
本訴事件は、金属材料科学分野の研究者であって、国立大学法人東北大学の総長であった被控訴人(附帯控訴人、第1審本訴原告・反訴被告)が、控訴人(附帯被控訴人、第1審本訴被告・反訴原告)Aを代表者とするフォーラムのホームページ上において、被控訴人が過去に発表した金属材料科学分野に関する論文にねつ造ないしは改ざんがあるとして東北大学に対し被控訴人を告発する旨の控訴人ら作成の文書が掲載された結果、被控訴人の名誉が毀損されたと主張し、控訴人らに対し、不法行為に基づく損害賠償として、連帯して1100万円及びこれに対する遅延損害金の支払を求めるとともに、名誉回復処分(民法723条)として、前記ホームページ上における上記文書記載の記事の削除及び謝罪文の掲載を求め、反訴事件は、控訴人らが、〔1〕被控訴人による本訴提起が控訴人らからの研究不正疑惑の追及を阻止するために行われた不当提訴に当たるとともに、〔2〕本訴提起の理由等をマスコミに公表した被控訴人の行為が控訴人らに対する名誉毀損に当たると主張し、被控訴人に対し、不法行為に基づく損害賠償として、それぞれ622万0562円(控訴人ら4名分合計2488万2248円)並びに遅延損害金の支払を求めたところ、原審は、被控訴人の本訴請求を一部認容し、控訴人らの反訴請求を全部棄却し、これに不服の控訴人らが控訴し、被控訴人が附帯控訴した事案において、被控訴人の本訴請求を原判決主文第1項の限度で認容し、控訴人らの反訴請求を棄却した原判決は相当であり、本件控訴及び本件附帯控訴はいずれも理由がないとして、控訴及び附帯控訴をいずれも棄却した事例。
2015.03.31
損害賠償請求控訴事件(愛知県弁護士会 VS 日本郵便株式会社 (控訴審))
LEX/DB25505905/名古屋高等裁判所 平成27年2月26日 判決 (控訴審)/平成25年(ネ)第957号
原告(控訴人)Xらが、被告(被控訴人。日本郵便)において、被告に提出された第三者からの転居届(転送届)の有無及び転送先の住所等について、原告弁護士会から弁護士法23条の2第2項所定の照会に対する報告を求められながら、その回答をしなかったことは、原告弁護士会及び同弁護士会に照会申出をした弁護士への依頼者である原告Xに対する不法行為を構成する旨主張し、その損害賠償として、被告に対し、原告Xが1万5250円及び遅延損害金の支払を、原告弁護士会が30万0380円及び遅延損害金の支払を求めたところ、原審は原告らの本訴請求を棄却したため、原告らがこれを不服として控訴した事案において、原判決は、一部失当であり、原告弁護士会の控訴の一部は理由があるとし、原判決中、原告弁護士会に係る部分を変更し、被告は、原告弁護士会に対し、1万円及びこれに対する遅延損害金の支払を命じ、原告弁護士会のその余の請求は棄却し、原告Xの控訴については棄却した事例。
2015.03.24
(富士ハウス訴訟)
LEX/DB25505819/最高裁判所第三小法廷 平成27年1月20日 決定 (上告審)/平成25年(オ)第1473号等
F社との間で建物建築請負契約を締結した被上告人兼相手方(被控訴人・原告)らが、F社の役員らはF社が多額の債務超過に陥っており工事を完成させることが不可能な状態であったにもかかわらず、これを粉飾経理により隠蔽して被上告人兼相手方らから請負代金の前払金を受領した後に破産するに至った結果、被上告人兼相手方らに既払金から出来高等を控除した金額の損害を被らせたと主張して、F社の代表取締役であった上告人兼申立人(控訴人・被告)Y1については会社法429条1項及び民法709条、民法719条に基づき、過去にF社の取締役であった一審被告Y2及び一審被告Y3については会社法429条1項の類推適用及び民法709条、719条に基づき、損害賠償金等の支払を求めたところ、第一審は、被上告人兼相手方らの請求のうち、上告人兼申立人に対する請求を全部認容したが、一審被告Y2及び一審被告Y3に対する請求を棄却したため、上告人兼申立人が、第一審判決を不服として控訴し、顧客に不必要な損害が拡大が生じないようにするため、速やかに、前払いの働きかけを中止させるべき義務があったにもかかわらず、これを怠った上告人兼申立人には、顧客に生じた損害賠償責任があるとしたうえで、第一審は原告127人全員に計約4億8千万円を支払を命じたが、上告人兼申立人が倒産を予測できた時期を第一審より遅くとらえ、賠償の対象を33人に減らすものとし、第一審判決を一部変更したため、上告人兼申立人から上告及び上告受理の申立てをした事案において、上告棄却及び上告不受理の決定をした事例。
2015.03.24
損害賠償等請求事件(駒沢大学 VS BNPパリバ証券(株))
LEX/DB25505787/東京地方裁判所 平成27年1月30日 判決 (第一審)/平成24年(ワ)第10951号
原告(学校法人)が、資金運用のために、被告甲社(香港法に基づいて設立された有価証券の売買等を目的とする会社)との間で締結した通貨スワップ取引は、公序良俗に反するとともにその勧誘が適合性原則及び説明義務に違反し、被告乙社(有価証券の売買等を目的とする株式会社)は被告甲社から事業譲渡を受けて被告甲社の原告に対する損害賠償債務を重畳的に債務引受したと主張して、被告らに対し、不当利得返還請求権又は債務不履行若しくは不法行為による損害賠償請求権に基づき、被告らに対し、解約清算金等の支払いを求めた事案において、適合性原則及び説明義務に違反するとは認めず、原告の請求をいずれも棄却した事例。
2015.03.24
損害賠償等請求事件(元法相記事 文春に賠償命令)
LEX/DB25505786/東京地方裁判所 平成27年1月29日 判決 (第一審)/平成25年(ワ)第27548号
弁護士である参議院議員であり、当時法務大臣の職にあった原告が、被告(雑誌、書籍の発行、販売等をする会社)が発行する週刊誌において、原告が破産会社と共謀して同社の破産手続で配当金をだまし取るなどのために虚偽の弁護士報酬債権を届け出る違法請求をしたとの事実を摘示する記事を掲載し、また、主要日刊紙に同事実を記載する広告を掲載し、原告の名誉を毀損したと主張して、被告に対し、不法行為に基づく損害賠償として、慰謝料及び遅延損害金の支払い並びに民法723条に基づく謝罪広告を求めた事案において、原告に対する名誉棄損を認め、慰謝料請求を一部認容し、その余の請求は棄却した事例。
2015.03.10
保険金請求控訴事件
LEX/DB25505804/東京高等裁判所 平成27年 2月25日 判決 (控訴審)/平成26年(ネ)第5431号
亡甲の相続人である原告(控訴人)らが、被告(被控訴人。独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構)に対し、亡甲と被告との間の終身保険契約に基づく生命保険金及び遅延損害金の支払いを求めたところ、原告らの請求をいずれも棄却したため、これを不服とする原告らが控訴を提起し、原告らの保険金及び遅延損害金支払請求を認容するよう求めるとともに、選択的併合にかかる請求として、説明義務違反に基づく損害賠償請求及び遅延損害金請求を追加した事案において、原告らの請求を棄却した原判決は正当であるとして、本件控訴をいずれも棄却し、原告らの控訴審における追加請求も棄却した事例。
2015.03.03
 
LEX/DB25505631/最高裁判所第一小法廷 平成27年 2月 5日 決定 (上告審)/平成26年(オ)第1342号等
急性心筋梗塞及び急性心不全により死亡したαの長男である原告(控訴人・上告人兼申立人)が、被告(被控訴人・被上告人兼相手方。厚生農業協同組合連合会)に対し、診療契約上の債務不履行として、被告の経営する被告病院に勤務していた医師が、αについて急性心筋梗塞の発症を疑い、被告病院において心電図及び血液検査の経時的観察をし、又は、急性心筋梗塞の診断及び治療が可能な病院へ転送すべき義務があったのにこれを怠ったため、急性心筋梗塞の発見が遅れ、これによりαが死亡したと主張して、αが死亡により被った損害の賠償を求めたところ、第一審判決及び控訴審判決は原告の請求を棄却したため、原告が上告した事案において、民事訴訟法312条1項又は2項に規定する事由に該当しないとし、上告を棄却し、また、上告受理申し立てにつき、上告審として受理しないと決定した事例。
2015.03.03
損害賠償請求事件(球団代表解任事件 巨人側勝訴)
LEX/DB25505533/東京地方裁判所 平成26年12月18日 判決 (第一審)/平成23年(ワ)第39107号等
原告巨人軍が、被告Y1において、第2事件被告Y2のしたコンプライアンス違反の行動を是正するためと称して記者会見を行い、その場で原告巨人軍の名誉及び信用を毀損する発言をし、また、原告巨人軍の秘密事項を公表したことが、取締役としての善管注意義務及び忠実義務に違反すると主張して、被告Y1に対し、会社法423条1項による損害賠償請求権に基づき損害賠償を求めた等の第1事件と被告Y1が原告巨人軍が被告Y1を取締役から解任したことに正当な理由があるとはいえないと主張して、原告巨人軍に対し、会社法339条2項による損害賠償請求権に基づき、損害賠償を求めた等の第2事件からなる事案において、被告Y1が第1記者会見を実施したこと、江川招聘案という原告巨人軍の秘密事項を同原告に無断で公表したことはいずれも原告巨人軍に対する善管注意義務違反を構成する等として、第1事件に係る原告らの請求を一部認容し、被告Y1の請求を棄却した事例。
2015.03.03
損害賠償等請求事件((株)読売巨人軍VS(株)日本ジャーナル出版)
LEX/DB25505538/東京地方裁判所 平成26年12月17日 判決 (第一審)/平成24年(ワ)第16727号
原告読売巨人軍が、被告の発行する週刊誌Jに掲載された記事によって名誉を毀損されたとして、被告に対し、不法行為による損害賠償を求めるとともに、原告の名誉回復のための適当な処分として謝罪広告の掲載を求めた事案において、本件第1記事の本件記述の一部については、いずれも原告の社会的評価を低下させるものであるから、被告はこれについて不法行為による損害賠償責任を負うとして、上記各記述の内容や本件各記事作成のために行われた取材の程度等本件に顕れた一切の事情を考慮すれば、被告の名誉毀損行為により原告の被った無形の損害に対する損害賠償としては200万円をもってするのが相当であるとしつつ、本件において金銭賠償に加え、謝罪広告を命じるまでの特段の必要性があるとまではいえないとして、原告の請求を一部認容した事例。