注目の判例

知的財産法

2013.09.24
損害賠償本訴,著作権確認等反訴請求事件
LEX/DB25445834 / 東京地方裁判所 平成25年 8月29日 判決 (第一審) / 平成24年(ワ)第32409号等
 原告が、被告がその販売するDVD商品等に原告に無断で原告の撮影した風景の映像動画を複製して頒布したとして、著作権法112条に基づき、DVD商品等からの映像の削除を求めるとともに、不法行為による損害賠償を求め、反訴として、被告が、原告の撮影した山野草の映像動画について被告が著作権を有することの確認、これらを収録した映像素材(原版)の引渡し及び原告に対する既払金の返還を求めた事案において、原告が本件作品に本件風景映像動画を複製して頒布することを許諾したと認めることはできず、また、本件契約に基づき製作された前記映像動画の著作権は被告に独占的に帰属するとして、本訴請求及び反訴請求をいずれも一部認容した事例。
2013.09.24
特許権侵害差止等請求権不存在確認等請求控訴事件
LEX/DB25445825 / 知的財産高等裁判所 平成25年 8月28日 判決 (控訴審) / 平成25年(ネ)第10018号
 被控訴人らが、被控訴人らによる本件口紅の輸入、製造、販売又は使用につき、控訴人Xが本件特許権に基づく差止請求権、損害賠償請求権及び不当利得返還請求権をいずれも有しないことの確認を求めるとともに、控訴人らが、本件口紅の製造、輸入、販売は本件特許権を侵害するものであるとの虚偽の事実を、本件口紅の需要者、被控訴人らの取引関係者及びその他の第三者に告知、流布したことが、不正競争防止法2条1項14号所定の不正競争行為(信用毀損行為)に当たるとして、同行為の差止め、謝罪文の掲載及び不正競争行為に基づく損害賠償を求めた事案の控訴審において、控訴人らの行為は信用毀損行為に該当するとした上で、賠償額につき原判決を変更した事例。
2013.09.24
商標登録取消決定取消請求事件
LEX/DB25445829 / 知的財産高等裁判所 平成25年 8月28日 判決 (第一審) / 平成24年(行ケ)第10352号
 「ほっとレモン」との文字を輪郭線で囲んだ本件商標の商標権者である原告が、本件商標の商標登録を取り消す旨の特許庁の審決の取消しを求めた事案において、本件輪郭部分と本件文字部分からなる本件商標は、これを全体としてみたとしても、商品の出所識別機能を有するに至ったとすることはできないとして、原告の請求を棄却した事例。
2013.09.17
職務発明の対価(特許権)請求控訴事件
LEX/DB25445818 / 知的財産高等裁判所 平成25年 7月11日 判決 (控訴審) / 平成24年(ネ)第10099号
 被控訴人の元従業員である控訴人が、被控訴人に対し、在職中に、単独又は共同でした職務発明(15件)、職務考案(2件)及び職務創作意匠(3件)に係る特許等を受ける権利又はその共有持分を被控訴人に承継させたとして、平成16年法律第79号による改正前の特許法35条3項、実用新案法11条3項、意匠法15条3項に基づき、相当の対価の未払い分の支払を求めた事案の控訴審において、仮装実施料率(第三者に発明の実施を許諾した場合の実施料率)に係る原判決の認定を改め、本件控訴に基づき原判決を変更した事例。
2013.09.10
審決取消請求事件(発明等名称:化粧用チップ)
LEX/DB25445809 / 知的財産高等裁判所 平成25年 8月 9日 判決 (第一審) / 平成24年(行ケ)第10412号
 原告が、発明の名称を「化粧用チップ」とする発明について特許出願をし、拒絶査定を受けたので、これに対する不服の審判を請求したところ、本件審判の請求は成り立たないとの審決がされたことから、その取消しを求めた事案において、化粧用チップとアイライナーの芯2とは、一部において用途が共通するとしても、その主たる用途は異なるものであり、これを化粧用具の先端部として同一のものとみることはできず、審決が、両者は、「塗布部先端の端縁部を線状又は面状にしてなる化粧用チップ」である点で共通すると認定したことは誤りであるとし、請求を認容した事例。
2013.09.10
損害賠償請求控訴事件(発明等名称:カツター装置付きテープホルダー)
LEX/DB25445813 / 知的財産高等裁判所 平成25年 8月 9日 判決 (控訴審) / 平成25年(ネ)第10050号
 考案の名称を「カッター装置付きテープホルダー」とする考案に係る実用新案権を有していた原告(控訴人)が、被告(被控訴人)の製造販売した製品が上記考案の技術的範囲に属するものであったとして、被告に対し、損害賠償を求めたところ、本件訴えに係る当事者、請求の趣旨及び請求原因は、原告が従前提訴し、訴権の濫用に当たる不適法な訴えとして却下された前訴のそれと同一であるとして、前訴の既判力に基づき、訴えが却下されたため、原告が控訴した事案において、原告は、被告の製造販売に係る被告侵害物の目録を変更したが、被告侵害物が目録の記載の変更の前後を通じて実質的に同一であることは、明らかであるから、かかる変更をもって、原告主張に係る被告侵害物が前訴における被告製品と異なるものということはできないとし、控訴を棄却した事例。
2013.09.10
特許権侵害差止請求控訴事件(発明等名称:液体インク収納容器,液体インク供給システムおよび液体インク収納カートリッジ)
LEX/DB25445815 / 知的財産高等裁判所 平成25年 8月 9日 判決 (控訴審) / 平成24年(ネ)第10093号
 名称を「液体インク収納容器、液体インク供給システム及び液体インク収納カートリッジ」とする発明につき特許権を有する原告(被控訴人)が、被告(控訴人)による各インクタンクの輸入、販売等が本件特許権を侵害する旨主張して、被告各製品の輸入等の差止めを求めたところ、請求が認容されたため、被告が控訴した事案において、本件訂正明細書の記載から、「光照合処理」の構成を採用する際に「光」を赤外線とする構成を想定することができるものといえ、本件訂正明細書の詳細な説明には、当業者において、特許請求の範囲に記載された本件各発明の課題とその解決手段その他当業者が本件各明細を理解するために必要な技術的事項が記載されているとし、控訴を棄却した事例。
2013.09.03
審決取消請求事件(発明等名称:麦芽発酵飲料)
LEX/DB25445782 / 知的財産高等裁判所 平成25年 8月 1日 判決 (第一審) / 平成24年(行ケ)第10237号
 原告が、発明の名称を「麦芽発酵飲料」とする被告の本件特許を無効とするとの審判を請求したが、特許庁から請求不成立の審決を受けたことから、その取消しを求めた事案において、本件発明1は、A成分とB成分とを混合してなる周知の麦芽発酵飲料の当然に行われたバリエーションの一つであるとはいえないし、当業者が容易に想到し得たものともいえないなどとして、原告の請求を棄却した事例。
2013.08.27
ドメイン名使用差止請求権不存在確認請求控訴事件
LEX/DB25445770 / 知的財産高等裁判所 平成25年 7月17日 判決 (控訴審) / 平成25年(ネ)第10024号
 ドメイン名「CITIBANK.JP」をJPRSに登録している控訴人(原審原告)が、被控訴人(原審被告)の申立てに係るJPドメイン名紛争処理手続において、日本知的財産仲裁センター紛争処理パネルが本件ドメイン名の登録を被控訴人に移転せよとする裁定がなされたため、被控訴人に対し、本件ドメイン名の使用差止請求権の不存在確認を求めた事案の控訴審において、本件は、判決をもって法律関係の存否を確定することにより、その法律関係に関する法律上の紛争を解決するものではないから、確認の利益が認められないとして、訴えを却下した原判決を相当とし、本件控訴を棄却した事例。
2013.08.27
審決取消請求事件(発明等名称:ダブルアーム型ロボット)
LEX/DB25445777 / 知的財産高等裁判所 平成25年 7月18日 判決 (第一審) / 平成24年(行ケ)第10370号
 原告が、発明の名称を「ダブルアーム型ロボット」とする被告の本件特許を無効とするとの審判を請求したが、特許庁から請求不成立の審決を受けたことから、その取消しを求めた事案において、本件審決の相違点1に係る判断は誤りであるところ、本件審決は、その余の相違点に係る各構成が当業者にとって容易に想到し得たか否かについて審理を尽くしていないとして、上記審決を取り消した事例。
2013.08.20
損害賠償請求事件
LEX/DB25445744 / 東京地方裁判所 平成25年 6月21日 中間判決 (第一審) / 平成23年(ワ)第27781号
 原告が、発明の名称を「タッチスクリーンディスプレイにおけるリストのスクローリング、ドキュメントの並進移動、スケーリング及び回転」とする特許権に基づき、被告製品の輸入・販売等について、不法行為に基づく損害賠償を求めた事案において、被告製品は、本件発明の構成要件を充足し、本件発明の技術的範囲に属するものであって、本件発明に係る特許は特許無効審判により無効にされるべきものとは認められないとして、その旨の中間判決をした事例。
2013.08.20
サービスフィー支払等請求事件
LEX/DB25445748 / 東京地方裁判所 平成25年 7月10日 判決 (第一審) / 平成24年(ワ)第7616号
 「CENTURY21」の名称を用いてフランチャイズチェーンを営む原告が、本件ドメイン「CENTURY21.CO.JP」の登録名義を有する被告に対し、フランチャイズ契約又は不正競争防止法2条1項12号、3条、4条に基づき、本件ドメインの使用差止め、登録抹消及び損害賠償を求めるとともに、未払サービスフィーの支払を求めた事案において、被告は、少なくとも本件フランチャイズ契約が終了した日以降は、原告の特定商品等表示である「CENTURY21」の顧客吸引力にフリーライドして不当に自己の利益を図る目的で本件ドメインを保有しているものと認めるのが相当であり、被告には「不正の利益を図る目的」が認められるなどとして、原告の請求を認容した事例。
2013.08.20
商号使用差止等請求事件
LEX/DB25445747 / 東京地方裁判所 平成25年 7月12日 判決 (第一審) / 平成225年(ワ)第5595号
 いわゆる三菱グループに属する原告らが、同グループに属せずかつ「株式会社三菱エステート」の商号による商業登記を有する被告に対し、不正競争防止法2条1項2号、不正競争防止法3条、不正競争防止法4条に基づき、被告商号等の使用差止め、商号変更登記の抹消登記手続及び損害賠償を求めた事案において、上記商号は原告らの著名な商品等表示と類似し、被告が上記商号を使用する行為は不正競争防止法2条1項2号の不正競争に該当するとして、原告らの請求を認容した事例。
2013.08.20
商号使用差止等請求事件
LEX/DB25445746 / 東京地方裁判所 平成25年 7月12日 判決 (第一審) / 平成25年(ワ)第8943号
 いわゆる三菱グループに属する原告らが、同グループに属せずかつ「株式会社三菱商会」の商号による商業登記を有する被告に対し、不正競争防止法2条1項2号、不正競争防止法3条に基づき、被告商号等の使用差止め及び商号変更登記の抹消登記手続を求めた事案において、上記商号は原告らの著名な商品等表示と類似し、被告が上記商号を使用する行為は不正競争防止法2条1項2号の不正競争に該当するとして、原告らの請求を認容した事例。
2013.08.20
商標権侵害差止等請求事件(発明等名称:ratiofin)
LEX/DB25445757 / 東京地方裁判所 平成25年 7月25日 判決 (第一審) / 平成23年(ワ)第18317号
 原告が、サーフボード用フィンのブランドである「ratiofin」の商標権を有するとして、被告に対し、被告の商標登録の抹消登録手続、被告による被告標章の使用の差止め及び被告標章を付した商品等の廃棄並びに本件商標権侵害による損害賠償を求めた事案において、原告は、被告代表者らに本件事業を譲渡するに当たり、被告代表者らのほか、被告代表者らが本件事業を行うために設立することを予定していた会社に対しても、本件事業において本件商標を使用することを許諾し、被告はこれに基づき本件商標の使用として被告標章を使用したと認められるから、被告が本件商標権を侵害したということはできないなどとして、原告の請求を抹消登録手続を求める限度で認容した事例。
2013.08.06
損害賠償請求控訴事件
LEX/DB25445723 / 知的財産高等裁判所 平成25年 7月 9日 判決 (控訴審) / 平成25年(ネ)第100003号
 発明の名称を「インターネット電話用アダプタ」とする特許権を有する控訴人(原告)が、被控訴人(被告)が譲渡、貸与等しているインターネット電話用アダプタが同特許権の技術的範囲に属すると主張して、被控訴人に対し、特許権侵害の不法行為に基づく損害賠償金のうち一部の支払を求めた事案の控訴審において、被告アダプタは本件発明の技術的範囲に属するものとは認められないなどとした原判決を相当とし、本件控訴を棄却した事例。