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地域企業の伴走支援において、金融機関と税理士は同じ顧客を支える重要なパートナーです。しかし、互いの知見を現場の支援に十分に活かしきれているでしょうか。
本記事では、筑波銀行の生田雅彦頭取と、TKC関東信越会の増山英和会長による対談から、両者が「顔の見える関係」を築く意義を紐解きます。業績悪化時こそ不振の理由を共に考える「予兆管理」の重要性や、経営者の生の声を聞く「決算報告会」の価値など、事業性評価の質を高める実践的なヒントをお届けします。
1.最大の課題「企業の実態把握」をどう乗り越えるか
金融機関が事業性評価の高度化を進める上で、最大の課題となるのが「企業の実態をいかに正確につかむか」という点です。
筑波銀行が普段向き合っている顧客層と、税理士が支援している顧客層はほぼ重なっています。日々の経営状況をどうやってタイムリーに把握するかについて、筑波銀行の生田頭取は次のように語ります。
「年1回の決算書だけでは、企業の実態を把握するには不十分です。
ですから、TKCモニタリング情報サービス(MIS)を通じて、月次で試算表が提供される仕組みは大変ありがたいです。
従来のような決算書の受領にかかる手間がなくなり、単なる業務の効率化だけでなく、業務の『質』自体の向上にも貢献しています」
さらに生田頭取は、毎月のデータ共有がもたらす「予兆管理」の重要性について、こう強調します。
「企業側からすると『業績が悪いから今月は送らないでほしい』ということもあるかもしれません。
しかし、銀行としてはそのような時こそ、不振の理由や今後を一緒に考えたいのです」
業績が変化した際、月次のデータがあればいち早く異変を察知し、企業に寄り添った早期対応が可能になります。
2.筑波銀行が実践する「とことん支援」
筑波銀行では「とことん支援」をキーワードに、資金提供後も企業の経営改善や成長に深く関与する伴走型支援を実践しています。
生田頭取は同行の強みについて、次のように説明します。
「融資では事業性評価を重視し、決算書の数字だけを見るのではなく、事業内容、将来性まで踏み込んで評価した上で支援するので、企業の実態に即した支援ができる点が強みです」
筑波銀行では、地域密着型の伴走支援として具体的に以下のような多角的なサポートを展開しています。
- 本業支援:販路拡大に向けたビジネスマッチングや商談機会の提供など、売上を伸ばすための支援
- 事業承継・M&A支援:「筑波の結び目」という仕組みを活用し、後継者不在の企業に対する第三者承継を含めたワンストップ支援
- 一体的なソリューション提供:融資を起点に「本業支援・承継支援・再生支援」をシームレスに提供
3.「決算報告会」を通じた事業性評価の精緻化
金融機関と税理士の協働をさらに現場で進めるための具体的な枠組みとして、経営者・金融機関・税理士の3者で行う「決算報告会」が有効です。
決算報告会では、経営者自らが自社の数字を説明し、将来の投資や資金調達について語ることで、単なる業績報告を超えた深い対話が生まれます。
生田頭取は、決算報告会を通じた対話への期待と、税理士との連携について次のように結んでいます。
「決算報告会のような場で『現状』、『課題』、『今後の方針』が一本のストーリーとして聞けるのであれば、事業性評価の精度は大きく向上すると思います。
当行としてもTKC会員の先生との『顔の見える関係』構築に向け、連携を深めていきたいと考えております」
現場レベルで税理士との「顔の見える関係」を深めることは、結果として地域経済の持続的な発展を支える強いネットワークになっていくのです。






























