2014.11.11
損害賠償請求事件(裁判員制度は合憲 福島 ストレス障害訴訟)
LEX/DB25504784/福島地方裁判所 平成26年9月30日 判決 (第一審)/平成25年(ワ)第117号
福島地方裁判所郡山支部で行われた刑事裁判において裁判員の職務を務めた原告が、その職務を務めたことにより急性ストレス障害を発症したとし、その原因は、裁判員の参加する刑事裁判に関する法律が、裁判員候補者に対して裁判員等選定手続への出頭を義務づける制度を設けて原告に出頭を強制し、その結果、原告が裁判員に選出され、上記刑事裁判の審理に参加して凄惨な内容を含む証拠を取調べ、死刑判決に関与せざるを得なくなったからであり、裁判員法の規定は憲法18条後段、憲法22条1項及び憲法13条に違反するから、裁判員法を制定した国会議員の立法行為は違法であると主張するとともに、最高裁判所裁判官は、最高裁平成23年11月26日大法廷判決において、裁判員制度の推進を図るという政治的目的をもって裁判員法の合憲判断を行い、下級裁判所が裁判員法が違憲であるとの判断を示すことを困難にさせて裁判員法を運用させた違法があると主張し、国家賠償法1条1項に基づき、損害賠償の支払を求めた事案において、請求を棄却した事例。