【ユーザー事例】全庁横断的な組織で公会計対応方針を議論

公会計システム > 群馬県渋川市

総務部財政課 課長 石北尚史 氏 / 財政係 主査 荒井啓充 氏 / 企画部事務管理課情報管理係 主幹 林 明美 氏

住所
群馬県渋川市石原80
電話
0279-22-2111
面積
240.27平方キロメートル
人口
80,430人(平成28年4月末日現在)
URL
http://www.city.shibukawa.lg.jp/
渋川市は、「日本のまんなかへそのまち」を標榜し、自然が豊かで起伏に富んだ風光明媚なまちだ。古くから交通の要衝として栄え、工業、農業、観光業を主要産業とし、首都圏の奥座敷として知られる「いで湯のまち」である。写真は、伊香保温泉石段街(左)と、渋川へそ祭り(右)

――「統一的な基準による地方公会計」制度へのこれまでの取り組みについてお聞かせください。

石北 渋川市は平成18年2月に6市町村が合併して誕生しました。

 固定資産の情報はそれぞれの市町村がそれまで管理していたデータを合算しただけでしたので、まずは固定資産台帳の整備から始めました。平成27年1月に地方公会計に関係する部署で構成する会議を設け、情報共有と連携を密にすることを確認しました。同年4月にこの会議を「地方公会計整備推進会議」とし、中心的な役割を持たせて、統一的な基準による地方公会計制度の地ならしを進めているところです。

荒井 財政係が会議の事務局をつとめ、27年度には15回の会議を開催しました。ここでの全庁横断的な議論を踏まえ、11月には渋川市としての「地方公会計の統一的な基準への対応方針」を定めることにつながり、これが大きな成果であると捉えています。加えて、日々仕訳に舵を切るために、現行の財務会計システムから「TASKクラウド公会計システム」への移行を結論付けました。

石北尚史 課長

石北尚史 課長

荒井啓充 主査

荒井啓充 主査

対応方針を実現するシステムを選択

――方針について具体的にお聞かせください。

石北 主に三点です。一つは固定資産台帳の整備をしっかり進める。二つ目は日々仕訳による財務書類等を作成する。三つ目に次の段階の財務書類等の積極的な活用を図る――これらを三本柱として位置付けました。

 まず着手したのは、固定資産台帳の整備です。これは平成27年度期首を基準として整備を行い、28年度期首には27年度期中の増減を反映させる予定です。固定資産台帳をしっかりと整備し、日々仕訳による財務書類等を作成することで、適切な資産管理や、予算編成、行政評価などへの積極的な活用につながると考えています。

――TKCシステムを選定したポイントをお聞かせください。

荒井 選定の条件の一つに、財務会計と公会計を一体として、伝票入力から財務書類の作成まで可能なシステムを挙げました。現行システムで公会計に対応するには、執行伝票の起票とは別にシステムを起動し仕訳入力するなど、かなり非効率な運用になりそうでした。そのような仕訳業務が決算書作成の繁忙期に重なった場合に果たして運用可能なのか、気になりました。

 また、総務省では毎年9月末までに財務書類を公表することが望ましいとしています。そこで、職員にできるだけ負担がかからないようにするために、伝票と仕訳が一体的なシステムで日々仕訳できることが選定では重要な基準となりました。

石北 複式簿記を理解している職員が少ない中で、職員一人一人が正確に仕訳を起こすことはおそらく困難でしょう。期末一括仕訳による事務負担を考えると日々仕訳を選択することが正しいのですが、職員に正確な仕訳を起こしてもらえるか、これが非常に大きな課題でした。しかし、TKCのシステムは日々の正確な仕訳が自動化され、職員の負担が少ないので、この課題が解決できる。そこがポイントでした。

 仕訳の自動化だけでなく、起票するタイミングで固定資産まで登録できることもポイントになりましたね。職員が漏れなく、また間違いなく入力できる仕組みができていました。

荒井 そうですね。起票したら画面遷移して固定資産の登録もできる一体的なシステムをなかなか見つけられませんでした。TKCシステムはそれが可能だった点が最終的な決定打になりましたね。自分たちが定めた方針を実現できるのはこれしかない、と結論しました。

 また選定を進める中で、①TKCシステムがLGWANクラウド方式を採用している、②提供実績も豊富である、③データセンターも自社運用で、情報セキュリティー基準を満たしている点も評価しました。

――今後の計画についてお聞かせください。

林 明美 主幹

林 明美 主幹

荒井 推進会議も2年目を迎え、今後は方針に掲げているとおり、 “財務書類等の積極的な活用”を検討することとなります。例えば施設別の老朽化比率を予算編成の判断材料にするなど、財務書類の具体的な活用方針を定めていきます。

石北 今後の課題としては、全庁での公会計の普及と理解が挙げられます。昨年12月から庁内報を作成して、公会計の基本の周知に取り組んでいます。

 また、システムで自動的に起票されたデータが財務書類のどこに反映されるのかなど、理解を深めるための研修も必要だと考えています。

――この先、当社に期待することは何でしょう?

荒井 9月から予算編成が始まります。それまでに職員が抵抗なくシステムを利用できるようにシステム研修や今後のサポートにも期待しています。

石北 28年度から推進会議に行政評価の担当者も加わりました。今後、第2次総合計画の策定などにも目を向けた取り組みが求められます。TKCには、先行する団体の事例などを積極的に提供してもらいたいですね。

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