【ユーザー事例】利便性を享受しつつ、窓口の効率化を図る

市民部 戸籍住民課 住民異動係 係長 藤貫謙一 氏 / 主事 東宮秀一郎 氏

住所
神奈川県小田原市荻窪300
電話
0465-33-1300
面積
113.81平方キロメートル
人口
191,366人(2018年5月1日現在)
URL
http://www.city.odawara.kanagawa.jp/
神奈川県小田原市

──証明書コンビニ交付サービスを導入するに至った経緯を教えてください。

藤貫 コンビニ交付サービスについては、これまでも何度か検討してきました。しかし、市が提供する行政サービス全体で捉えたときに費用対効果の観点などから導入を見送ってきました。
 一方で、証明書を交付している支所等では施設の老朽化が進み、安全面を確保しつつ、窓口サービスを維持していくための財政負担が課題となっていました。
 そこで、2019年度までにコンビニ交付サービスを導入すれば特別交付税による財政支援があることも踏まえ、改めて庁内で検討した結果、19年3月に支所等も含め市内16カ所にある住民窓口のうち11カ所を廃止し、それに替えて新たにコンビニ交付サービスを導入する方針となりました。

藤貫謙一 係長

藤貫謙一 係長

──住民窓口が16カ所というのは多いですね。

藤貫 もともと当市は、「昭和の大合併」で複数自治体が編入され、市域を拡大してきた経緯があり、その際にそれぞれの庁舎を支所等として運営してきたため、他自治体と比べて多くの窓口を運営してきました。今回、支所の再編を行うことにより施設維持の課題が解消に向かい、同時期にコンビニ交付サービスを導入することで、市内に約80店舗あるコンビニエンスストアで証明書の交付サービスが行えるようになります。これにより証明書の発行については住民の利便性向上を図ることができると考えています。

──選定時に重視したポイントは。

東宮 選定はプロポーザル方式で実施しましたが、サービスの特性上膨大な個人情報を取り扱うため、いかにコストを低く抑えるかよりもシステムの信頼性が重要と考えました。調達仕様の作成にあたっては、先行導入している団体の事例も参考にしました。調達方法やシステムの運用など団体ごとに異なるため、非常に参考になりました。
 最終的には、総務省の特別交付税措置の要件とされていることに加え、システム運用にかかる職員負担を軽減できることから、クラウド型サービスを前提とし、「システムの信頼性」と「実績」を重視した選定を行いました。

藤貫 まず信頼性の面では、LGWAN─ASP業者であること、自社のデータセンターでサービスを運用することに加え、運用体制やセキュリティーに関する公的資格の取得状況などをポイントにしました。
 TKCは、この条件をクリアしていた上に、LGWANへの接続も東日本POIと西日本POIへ常時接続しており、年に1~2回ある県域のLGWAN設備のメンテナンス時でもサービスを継続できる点を評価しました。
 コンビニ交付サービスは、年末年始を除き早朝から深夜まで利用できる利点があるため、できるだけサービスを止めずに運用できるものを選択したいと考えていました。
 また、実績面でも政令市を含め多くの導入実績があり、申し分ありませんでした。
 そして、これらに加えて評価したのがサポート体制です。TKCには、システム以外の部分でもさまざまな情報を提供してもらい大変助かりました。

負担軽減とサービスの均一化へ
「かんたん窓口」を採用

東宮秀一郎 主事

東宮秀一郎 主事

──合わせて「かんたん窓口システム」を採用されましたが、その目的は?

東宮 一つは、窓口の負担軽減のためです。支所の再編により、存続する窓口への来庁者の増加が想定されるため、職員を介することなく証明書の申請・発行をしてくれる「かんたん窓口システム」によって、職員の負担が軽減されることを期待しています。

藤貫 それ以外に、サービスの均一化を図る狙いもあります。一例として印鑑登録証明書を取得する場合、マイナンバーカードを持っていればコンビニエンスストアでは取得できますが、窓口は印鑑登録証が必要です──では、マイナンバーカードの利便性のイメージも低下してしまいます。
 TKCの「かんたん窓口システム」であれば、窓口でもマイナンバーカードを活用した証明書の交付申請が行えるようになり、前述の問題も解消できます。また、タブレット端末等を設置することで、交付申請書の記入や窓口での本人確認も不要となり、市民の利便性向上にもつながると考えました。さらに、運用に合わせたオプション機能を追加することができ、マルチコピー機を設置するより手間もかからず、安価に導入できる点も魅力的でした。
 加えて、来庁された市民がこのような仕組みを目にすることで、コンビニ交付サービスを知るきっかけとなり、利用者の増加やマイナンバーカードの普及につながればとも考えています。

──今後の取り組みを教えてください。

藤貫 当市では、19年1月からのコンビニ交付サービスの導入と同時に、窓口を廃止する支所等の近隣の郵便局10局と連携して、住民票の写し等の発行サービスをスタートさせることも計画しています。調整すべきことはまだありますが、支所の再編によってサービスが低下したという印象を与えないよう準備を進めています。

東宮 来庁した住民の待ち時間短縮や、窓口で応対する職員の業務効率の向上は永遠の課題です。
 今後は、マイナンバーカードを活用し、来庁した住民の異動届出の受付を効率化する、公的個人認証の活用で来庁前に自宅で申請書を入力できるようにするなど、さらなるICTの発展にも期待していきたいですね。

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