【ユーザー事例】窓口の業務改革へコンビニ交付サービスをスタート

証明書コンビニ交付システム > 奈良県奈良市

市民生活部 市民課 課長 中川佳男 氏 / 課長補佐 森田 円 氏

住所
奈良県奈良市二条大路南1-1-1
電話
0742-34-1111
面積
276.94平方キロメートル
人口
357,785人(2018年8月1日現在)
URL
http://www.city.nara.lg.jp/
奈良県奈良市

――窓口業務の改善に向けた取り組みについて教えてください。

中川 奈良市では、窓口サービスの分散化を図るため、出張所や行政センターへの業務の分散、職員・財源の効率的な運用で〈便利でコンパクトな市役所〉の実現を目指しています。具体的には、5カ所の出張所と行政センター、商業施設内の市民サービスセンターで窓口サービスを提供しています。なかでも市民サービスセンターは、年末年始を除き、土日・祝日を含む毎日、証明書交付サービスを提供しています。
 しかし、市民の認知度がまだまだ低く、混雑の緩和に至っていないのが現状です。転入・転出の多い3月、4月には住民異動の手続きをする市民が本庁市民課の窓口に集中し、長時間お待たせするケースも散見されています。
 これらの課題を解消するため、市民課や出張所職員で構成する「窓口改善プロジェクトチーム」を編成し、窓口での統一的な業務運用ルールの策定、これに基づく業務の標準化を図ることで、業務の効率化と市民サービスの一層の向上に取り組むこととしました。

――コンビニ交付導入の背景は。

中川佳男 課長

中川佳男 課長

中川 これまでも庁内でコンビニ交付サービスの検討を進めてきました。また、市民からもその利用が望まれていました。そこで、窓口の業務改善への本格的な取り組みをきっかけにサービス導入を決めました。これにより、証明書交付の場所や時間の拡大による市民の利便性が向上するとともに、証明書の交付申請のために来庁される市民へサービス利用を勧めることで、窓口の混雑緩和にもつながります。

森田 そのためには、多くの市民にマイナンバーカードを保有していただく必要があります。そこで、自治会にも協力いただき〈マイナンバーカード出前申請〉を開始し、交付率の向上にも取り組んでいます。これを契機に申し込みも増えてきました。これからも普及拡大へつなげていきたいですね。

――合わせて「かんたん窓口システム」も採用されました。その目的は。

中川 これは、〈出張所改革〉の一つで先駆的な取り組みを目指すものです。TKCの「かんたん窓口システム」はマイナンバーカードがあれば、コンビニ交付サービスと同様の方法で証明書の交付申請が可能となります。これにより混雑緩和に加え、窓口のバックヤード処理の効率化も図れます。また、来庁された市民がコンビニ交付サービスの手軽さを“疑似体験”することで、次回からはコンビニ交付の利用へ誘導できる相乗効果も期待できます。

“安心”でシステムを決定

――選定時に重視したポイントは。

森田 円 課長補佐

森田 円 課長補佐

森田 選定では、信頼性や職員の運用のしやすさを重視しました。また、総合評価落札方式を採用して調達することで、透明性があり、費用対効果の高い製品を選定できるようにしました。
 システムの運用方式はクラウド型サービスを前提としました。それは、総務省の特別交付税措置の要件であるのに加え、実際に運用してからも職員負担の軽減、ムダを排除できると考えたからです。自庁設置型の場合、電気設備の定期点検に伴う停電でサービスの停止や、早朝から夜間までのシステム運用、メンテナンスの立ち会いなど、負担が非常に大きくなります。
 この点、TKCの提案はクラウドサービスで多くの導入実績があるほか、自社データセンターでの自社社員による一貫したシステム運用で、非常に安心できます。東日本大震災の経験を生かし、業務継続性を向上させるため、日々、サービスの改善を図っている点も評価しました。

森田 また、かんたん窓口システムで証明書交付申請があった場合、音や光で通知するなど、職員が運用しやすいアイデアや細かな配慮を、調達時の外部審査員が高く評価していました。
 最終的には、価格についても、全国で利用されるクラウドサービスの特長を生かして他社よりも安価で、申し分なかったと思っています。

サービス向上と業務効率化へ
ICTを徹底活用

──今後の取り組みを教えてください。

中川 奈良市では、市長の指示の下、市民にとって「市役所の顔」となる窓口サービスの一層の向上へ、さまざまな取り組みを進めています。
 まず、本庁舎の耐震工事に合わせて、来庁者がスムーズで快適に目的を達成できるよう、市民に分かりやすい窓口案内表示や配置、さらにコンシェルジュによる親切・丁寧な案内などを検討しています。そのためには、ICTの活用も欠かせません。具体的には、証明書交付に加えて各種異動届出に必要な申請書作成でマイナンバーカードを活用した業務の効率化を進めます。
 一方で、システムを活用してライフイベントに伴う各種手続き案内をするなど、市民の待ち時間解消、市民サービスの向上にもつなげていきたいと考えています。当初は、市民課の手続きに限られますが、他の課にもこれが広がり、職員同士のコミュニケーションが強化されることを期待しています。
 将来は行政手続きのオンライン化を実現し、市役所に来なくても自宅のパソコンやスマートフォンを活用して行政手続きが実現できるといいですね。合わせて、市民へさまざまなお知らせや通知にも活用したいと考えます。
 かんたん窓口システムは、こうした取り組みにも対応すると聞いています。TKCのシステムとサービスの成長で、今後も奈良市の継続的な窓口業務の改善に向けた取り組みを支援いただけるよう、期待しています。

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