【ユーザー事例】 クラウド導入による効率化で
新たな住民サービスに挑む

基幹系ソリューション > 大阪府四條畷市

総務部部長兼田原支所長 田中俊行氏 / 総務部情報統計課課長 明田清孝氏 / 総務部情報統計課課長代理 奥 大輔氏

住所
大阪府四條畷市中野本町1番1号
電話
072-877-2121
面積
18.74平方キロメートル
人口
57,332人(平成25年2月末現在)
URL
http://www.city.shijonawate.lg.jp/
田中俊行部長

田中俊行部長

──大阪府内で初となる基幹系システムへのクラウド採用となりました。これまでの情報化の取り組みを教えてください。

明田 四條畷市では、平成6年よりパッケージシステムを採用し、平成11年からはクライアント/サーバ型の基幹系システムを導入(平成19年に更新)しました。クラウド方式の採用については、平成25年3月に住民情報システムの更新時期を迎えることから、サーバを庁内に設置する方式とクラウドサービスを導入する方式の比較検討を行いました。

 その結果、①法改正などによるシステム改修(直近でいえば住基法の改正など)が頻繁に発生したことに加え、今後もマイナンバー制度の導入などシステム改修が予想される、②危機管理の面で、災害発生時における住民情報の保護が求められる──ことから、制度改正への柔軟な対応と職員の負担軽減、業務継続を確保できる体制づくりを実現するため、住民情報などの「データセンターへの移行」と「クラウドシステムの導入」を決定しました。

田中 その背景には、平成21年度から議会においても議論があり、クラウドの動向を常に意識してきたことがあります。実際、山梨県甲府市で定額給付金支給管理システムにクラウドサービスが採用された際には、議会でもその費用削減効果が注目され、本市でもクラウドを採用したらどうかという意見が出たほどです。

 また、大阪府と府内の全市町村が参加している「大阪電子自治体推進協議会」の場でも、自治体クラウドの導入について調査研究が進められていました。これまでもコンビニ収納など先進的に取り入れてきた四條畷市としては、自治体クラウドの導入についても早期に取り組もうという土壌があったといえますね。

クラウド採用で経費を20%削減

──クラウドサービスを導入する上で重視された点はどこですか。

明田清孝課長

明田清孝課長

田中 費用面だけで安易にシステムを選定することは、住民サービスや事務効率の低下を招きかねないことから、費用と効果を総合的に評価しました。そのため、選定にあたっては業者選定委員会を設置しました。

明田 加えて、システム品質の担保や情報セキュリティの観点から、調達仕様書では自社開発のシステムであることと、データセンターの運用業務について自社の社員が行うことなどを条件としました。

 さらに、今回の選定では見積書や提案内容によっては10年間の長期契約(債務負担行為による)を行うこととしました。クラウドの特長として①ハードのリプレースに伴うシステム更新を気にする必要がない、②むしろ、システムをじっくり使いこなすことで職員のスキルを引き出せる業務環境作りを行うことが効果的である──と考えたためです。

 例えば5年間で更新時期を迎えるとすると、初年度はシステムの操作に慣れるために、多くの操作研修や説明会に時間をとられ、また、5年目には更新に向けた準備を開始しなければならず、無駄な業務が発生しますからね。

 ただし、6年目の時点で機能面やコスト面からシステムの再評価を行い、場合によってはシステムを入れ替える検討もできるようにしています。

──選定はどのように進めましたか。

明田 選定ではベンダー数社に提案を依頼しました。要件としては新システム移行後の経常経費等は現行の経費を超えない範囲とし、システムのプレゼンテーションの内容を加味して総合的に判断した結果、最終的に「TASKクラウドサービス」の採用を決めました。これにより四條畷市では、サーバ室の電気代なども含めた例年経費の部分で、年間20%近くも削減される予定です。

田中 このコスト削減効果には正直驚きました。14年前にオープン化を実施し、すでにパッケージシステムを導入している四條畷市では、クラウドを導入したとしてもこれほどの効果があるとは考えていませんでした。

 また、クラウドサービスの導入にあたっては住民情報を庁外へ預けることへの不安を解消し、職員の理解を得るため、データセンターの視察も実施しました。

 この効果は大きかったと感じています。「百聞は一見にしかず」ではありませんが、データセンターの堅牢性や高度な情報セキュリティ対策などについて、実際に視察した職員からの報告はクラウドに対する不安を解消するのに十分な説得力があり、庁内の合意形成もスムーズに進めることができました。

クラウドサービス導入の経験を生かす

──今後の計画はいかがでしょうか。

奥 大輔課長代理

奥 大輔課長代理

明田 これを機に災害時における重要業務の継続の確立を目指して、情報システムに特化した業務継続計画の策定に取り組みたいと考えています。また、情報化の観点では、今回の経験を生かして基幹系システム以外についてもクラウド化の検討を進めます。

田中 また、平成26年秋には市内に大規模商業施設ができるなど、四條畷市の環境も年々変化していきます。市では、これに合わせて市民サービスコーナーを新たに設けるなど窓口サービスの拡張や、それ以外にも電子納税の導入により収納チャネルを拡大することなども検討しています。

 「いかに負担を増やさずに職員ができる業務の範囲を拡げるか」、クラウドサービスを導入することで節減した原資を基に、住民サービス向上に向けた新たな取り組みを進めていきたいと考えています。

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