「B-1グランプリ」が毎年開催され話題になっていますが、そもそもどんなイベントなのでしょうか。(菓子製造業)

 B-1グランプリは昨年10月、第7回大会が北九州市で開催されました。全国63の食のまちおこし団体が出展し、2日間でのべ61万人が来場するなど広く知られたイベントになりましたが、誤解の多い催しでもあります。「日本最大のグルメイベント」などとよくいわれますが、本質はグルメイベントではなく「まちおこしイベント」なのです。

 飲食店や企業は出展資格がなく、食のまちおこしに取り組むボランティア団体のみが出展できます。さまざまな業種の人々が参加しており、表彰は料理ではなく、まちおこし団体に対してなされます。前回大会では青森県の「八戸せんべい汁研究所」が優勝しました。

 B-1グランプリは、日ごろのまちおこし活動のお披露目の場です。開催地では数千名にのぼるボランティアスタッフが運営に携わります。大手広告代理店などはかかわっておらず、大規模なイベントながら広報・人件費が極端に少ないのが特徴です。

人おこしにも成果あり

 まちおこし活動は目に見える成果がなかなかあらわれないのが実情であり、継続的に活動できるスタッフを確保することが難しいという話をよく聞きます。B-1グランプリは、これまでのまちおこし的手法がなしえなかった効果をもたらしています。たとえ上位に入賞できなくても、熱心に取り組む方々の姿が繰り返しメディアで発信されることで、多くの方々が地元を訪れるようになります。

 また人おこし、人づくりという点においても画期的な成果を生んでいます。

 昨年のB-1グランプリにまちおこし団体の一員として初めて参加したある方は「出展団体の方々のすごい熱気に圧倒された」と話していました。メディアを眺めているかぎりでは単なるグルメイベントと映るかもしれませんが、実際に行ってみると、まちのPRに真剣に取り組む数多くの人たちを目の当たりにできます。大人になると、仕事や趣味以外で打ち込む機会などなかなかありませんが、B-1グランプリに参加することで、郷土への愛着心を呼びさます人も多いようです。

 今年から正式名称が「B級ご当地グルメの祭典!」から「ご当地グルメでまちおこしの祭典!B-1グランプリ」に変わります。まちおこしの共同情報発信というコンセプトは第1回大会から変わりませんが、グルメの祭典という誤解を払拭するためです。なお第8回豊川大会は11月9日、10日に開催される予定です。詳しくはB-1グランプリホームページ(http://b-1grandprix.com)でご確認ください。

掲載:『戦略経営者』2013年4月号