仕事用のワードやエクセルのファイルを自宅のパソコン等で利用できるという、米マイクロソフト社の「SkyDrive(スカイドライブ)」の魅力について教えてください。(機械部品販売)

 最近人気が高まっている「オンラインストレージ」をご存じでしょうか。インターネット経由でファイルを保存できるサービスです。DropboxやGoogleドライブなどが有名どころですが、マイクロソフトの「SkyDrive」もそれに負けないくらいメジャーなサービスです。

 SkyDriveは、一般的なオンラインストレージと同様にファイルのアップロード・ダウンロードに対応しています。会社で作った書類をアップロードしておけば、自宅に帰った後でダウンロードして作業を続けることができるのです。「SkyDriveデスクトップアプリ」をインストールしておけば、フォルダーの内容が自動で同期されますから、アップロードやダウンロードの作業を意識することもありません。複数台のパソコンで、指定したフォルダーの内容が常に同様に保たれます。また、アイフォーン、アイパッド、アンドロイド製品からのアクセスにも対応しており、ファイルのアップロード、ダウンロードができます。

 マイクロソフトでは、「Office Web Apps」というサービスも提供しており、これを使えばMicrosoft Officeを持っていなくても、SkyDriveに保存したワードやエクセルのファイルをブラウザー上で編集できます。編集機能はやや限られますが、パソコンはもちろん、アイパッドのブラウザーでも利用可能です。

 SkyDriveにファイルを保存しておくと、いつでもどこでも、さまざまな端末から書類を開いて確認し、簡単な編集作業が行えるわけです。出先でついうっかり書類を持ち出し忘れた際にも、スマホでSkyDriveにアクセスすればよいのです。取引先にメールで送信してプリントしてもらえば、うっかりミスも取り戻せます。しかも7GBまでの容量は無料で使えます。

 さらに、他の人とファイルを共有することも可能です。会社のメンバーとファイルを共有しておけば、チームでの作業が快適になります。出張先と会社にいるスタッフが共同で書類を編集することもできます。

情報漏えいリスク軽減のために

 SkyDriveは、マイクロソフトが提供するサービスですから、セキュリティーは万全だと考えてよいでしょう。それでも、例えばパソコンやスマホを紛失した際には、ファイルを覗かれたり盗まれる可能性もあります。そのため、端末自体にロックを掛けておくだけでなく、SkyDrive自体を簡単に使えないようにしておくべきです。SkyDriveを使う際に「サインインしたままにする」にチェックを付けると、タブレットなどを拾った人が簡単にアクセスできてしまいます。やや面倒ですが、使う度にパスワードを入力する設定にしておくのが安全です。中小企業でも、ほとんどコストを掛けずに利用できるサービスだからこそ、一定のルールを決めて、安全に活用したいものです。

 とはいえUSBメモリーやモバイルノートに保存したファイルを持ち出すより、安全性が高いと考えてもよいでしょう。万一の際にも、急いでパスワードを変更すれば、不正利用される可能性は低くなります。

掲載:『戦略経営者』2014年1月号