2017年6月にスタートした『TKCシステムまいサポート』。TKCシステムを利用する中小企業からの問い合わせに、TKCの専門スタッフが直接回答する新しいサービスだ。税理士法人日野総研の顧問先であり、同サービスのユーザーでもある古溝建設(東京・国立)とエムワイ企画(東京・八王子)にうかがい、話を聞いた。

 古溝建設は、関東一円を商圏として、公共事業、テナントビル、集合住宅、高級住宅などの企画・設計などを一貫体制で請け負う由緒ある建設業者。ちなみに、創業者である古溝清市氏は、戦前、大倉土木(現・大成建設)の役員をつとめていた人物。1958年創業以来、クオリティーの高さと丁寧な仕事ぶりで成長を続けている。

「何でも教えてくれる…」

古溝敦子さん

古溝敦子さん

 経理を担当するのは、古溝敦子さん。『建設業用会計情報データベース(DAIC2)』と『戦略給与情報システム(PX2)』を使いこなす。

「私はもともとIT技術やシステムに弱いので、操作中になにかと行き詰まることが多く、それを税務顧問の高井先生(高井大輔税理士=税理法人日野総研)に相談したところ、〝良いサービスがあるよ〟と……」(古溝さん)

 紹介されたのが『TKCシステムまいサポート』。このサービスについての感想を求めると、古溝さんは「すぐに電話がつながるし、何でも教えてくれるので感動しました」と即座に表現した。

「仕訳辞書の登録方法もそうですし、たとえば給与計算においても、退職者が出たり、扶養家族が増えたりといった細かな修正作業にとまどうことが多々あります。これまでは高井先生の事務所に問い合わせていたのですが、担当の方が不在だと、リアルタイムで回答がいただけなかったりします。ところがTKCシステムまいサポートでは、すぐに、どんな質問でも回答いただけるので、とても重宝しています」

古溝建設

古溝建設

 TKCシステムまいサポートは、TKCカスタマーサポートサービスビル(栃木県鹿沼市、2018年3月竣工)に常駐する約200名のヘルプデスクスタッフ(コミュニケーター)が支えている(今後は300名程度まで順次増員していく予定)。コミュニケーターは、ハード・ソフト、あるいはシステムの種類ごとに担当が分けられ、3カ月間にわたり徹底した教育を施された後にようやくヘルプデスクスタッフとしてデビューできる。その後も研修などを積み重ね、スキルを研鑽(けんさん)していく仕組みが確立されているため、各人の専門性は極めて高い。

 こんなこともあった。

「以前使っていた当社のパソコンが古くて、操作中に画面が固まってしまいどうしたら良いのか分からなくなったことがあったんです。そのときには、コミュニケーターの方に、同じ画面を見ながら遠隔で指示や操作をしてもらい、データをクラウドに移し替え、新しいパソコンに移行するまで面倒を見ていただきました。この時は本当に助かりましたし、コミュニケーターの方の知識量に感心しました」

古溝敦子さん

 税理士法人日野総研との関係性も良くなったという。

「それまでは、何か疑問点があれば、すべてがすべて日野総研さんに問い合わせていたので時間的なロスが大きかったと思います。いまでは、TKCシステムまいサポートを利用して、私の方であらかじめある程度の疑問点を解決しているので、毎月の巡回監査の際にも、日野総研さんにより深く会計面を見てもらえるようになりました」

「安心して業務ができる」

原睦美さん

原睦美さん

 八王子市(東京)の市街地近郊に居を構えるエムワイ企画。いわゆる〝街の花屋さん〟の地域密着的な素朴さを残しつつ、生協や量販店向けの卸、契約農家からの産地直送、あるいは、カタログを有効に使った業務用の商品企画の提案などを積極的に実践。2000年設立以来堅実な経営を展開している。

 経理を担当するのは、原睦美さん。日夜、『戦略財務情報システム(FX2)』とPX2を使って管理を行っている。

「私が経理に携わるようになったのはほんの2、3年前からです。なので、操作するたびに疑問点が出てくるような状況が続いていました。たとえばソフトを更新する際なども、〝本当にこれでいいのだろうか〟などと不安になるんですね。そのたびに日野総研さんに電話して聞いていたのですが、あるとき、高井先生から、TKCのコールセンターに直接電話できるサービスがあるよと勧めていただいたのです。そのようなものがあるなら、ぜひ利用したいと飛びつきました」(原さん)

「フラワーショップ花・花」

エムワイ企画が運営する「フラワーショップ花・花」

 とはいえ、最初は〝大丈夫かな〟と不安を少なからず感じたという原さん。「パソコン画面をクリックすると簡単につながったので少し驚きました」とまずは一安心。さらに、「音声もクリアに聞こえ、ヘッドセットをしながら、ハンズフリーで画面操作ができるので、使い勝手がとても良いと思いました」と、不安は完全払拭(ふっしょく)された。

 実際に、原さんがサービスを利用するのは、ソフトの更新時や年末調整時など。「いつもと違う操作が必要な場合」に、行き詰まってしまうのだという。また、それらは繁忙期に重なりがちで、そうなると「すぐにでも片付けてしまいたい」というストレスにさいなまれることになる。TKCシステムまいサポートは、そのような原さんのフラストレーションを解消するツールとして役立っているようだ。

 とくに印象的だったのは、〝コミュニケーターの対応の良さ〟だと原さんは言う。

原睦美さん

「とても親切ですね。〝普通のユーザーならしないだろうなあ〟というような初歩的な質問でも、丁寧に回答していただけるので安心です。その都度、不安感が払拭されます。みなさん、本当にきちんとした対応をしてくださいます」

 さらに、使い勝手の良さを感じるのは、「本当に聞きたいタイミングで、回答をもらえる」ことだという。

 原さんが続ける。

「日野総研さんには、非常によくしていただいているだけに、ちょっとしたことを聞く場合には、〝忙しいのではないか〟などと遠慮する気持ちが出てしまうこともありました。でも、TKCシステムまいサポートを利用すれば、無用な忖度(そんたく)をすることなくリアルタイムで回答をいただけます。それから、実際の操作面での課題解決という意味合いだけでなく、普段から安心感を持って業務を行えるというメリットもあると感じています」

課題解決へと導く仕組み

TKCカスタマーサポートサービスビル

TKCカスタマーサポートサービスビル

 ICTの進化、クラウドサービスの急速な普及などを背景に、TKCでも『FX4クラウド』『PXまいポータル』、あるいはフィンテックサービスなど各種クラウドサービスの提供を加速させている。その分、設定や運用方法は複雑化してきており、専門的知識を持ったスタッフが、よりリアルタイムかつ正確に回答できる体制を整える必要性が出てきている。

 そのような流れの一環としてスタートしたTKCシステムまいサポート。古溝さんや原さんのように「ITに不慣れ」な経理担当者であっても、電話一本でリアルタイムに、場合によってはリモート操作で課題解決まで導くことができる仕組みが、いよいよ爆発的普及の端緒についたといえよう。

(本誌・高根文隆)

高井大輔

コンサルタントから一言

税理士法人日野総研 代表社員税理士 高井大輔
東京都日野市日野本町 3-8-3
https://www.e-k-ei.com/

 これまで、巡回監査中や会議中に関与先から問い合わせが入り、すぐに対応できないことがありました。特に、給与締め間際の問い合わせなどは、1秒でも早く対応することが顧客満足度向上につながります。そのためTKCシステムまいサポートを活用してからは、お客さまをお待たせすることもなくなり、とても満足いただいております。また、当サービスの導入により、職員が本来業務にかける時間が増え、関与先へのサービスも向上しています。

柳沼絵美

ぜひ、ご活用ください!

TKCカスタマーサポートサービス株式会社
カスタマーサポート部
柳沼絵美

 私たちTKCヘルプデスクは、関与先さまからの『FX2』や『PX2』などのシステムの操作等に関するご質問にお答えしています。常日頃心がけていることは“お客さまの困りごとをしっかりとお聞きし、1分1秒でもお客さまの貴重な時間を無駄にしないよう迅速に、そして正確にお答えしなければならない”いうことです。お電話だけでは解決が難しい場合は、お客さまと同じ画面を共有できるリモートディスプレイサービスを使って回答しています。また、TKCシステムまいサポートには、電話だけでなく、メールで問い合せする機能があります。質問したいけどもうすぐ会議が始まる、という場合などは、会議が終わる時間を回答希望時間としてメールで質問できますので、ぜひご活用いただければと思います。

 TKCシステムの操作でお困りの場合は、私たちがご支援させていただきます。お電話お待ちしております!

掲載:『戦略経営者』2019年6月号