育児、介護と仕事との両立支援を目的とする助成金があると聞きました。3種類のコースがあるそうですが、各コースの詳しい内容を教えてください。(食品卸売業)

 両立支援等助成金は、職業生活と家庭生活が両立できる職場環境づくりに取り組んだ中小企業(一部コースの特例を除く)に対して支給される助成金です。男性の育児休業取得促進、仕事と介護の両立支援、仕事と育児の両立支援の3つの目的ごとにコースがあります。

  1. 出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)
     男性労働者が育児休業を取得しやすい雇用環境整備や業務体制整備を行い、実際に育児休業を取得した際に、20万円が支給されます。育児休業中の代替要員を新たに確保した場合は、さらに20万円(3人以上確保した場合は45万円)の加算もあります。その後、男性労働者の育児休業取得率が上がった場合は、追加の申請も可能です。また、2023年度から、自社の育児休業の取得状況を「両立支援のひろば」サイト上で公表した場合、2万円の加算もあります。
  2. 介護離職防止支援コース
    「介護支援プラン」を作成し、それに沿って労働者の円滑な介護休業の取得・職場復帰に取り組み、実際に介護休業を取得した労働者が生じた際、または介護のための柔軟な就労形態の制度の利用者が生じた場合に、助成金が支給されます。介護休業取得時に30万円、職場復帰時に30万円が支給されます。また、プランに沿って、介護のためのフレックスタイム制度などの介護両立支援制度を取り入れて、実際に利用者が出た場合、30万円の助成金が支給されます。介護支援プランとは、介護に直面した従業員の状況と希望を踏まえて事業主が作成する、仕事と介護が両立できる働き方を支援するためのプランです。策定マニュアルが厚生労働省サイトに掲載されているので、参考にしてください。
  3. 育児休業等支援コース
    「育児復帰支援プラン」を作成し、それに沿って労働者の円滑な育児休業の取得・職場復帰に取り組み、実際に育児休業を取得すると30万円、職場復帰した際に30万円が支給されます。また、育児休業中の社員の代替要員を新規雇用し、その後休業者を復帰させた場合、50万円の支給もあります。さらに、復帰後に仕事と育児の両立が困難な労働者のために、法律を上回る子の看護休暇制度や、保育サービス費用の補助制度を導入した場合にも助成金が支給されます。
     23年度から自社の育児休業の取得状況を両立支援のひろば上で公表した場合、2万円の加算もあります。育児復帰支援プランとは、社員の円滑な育児休業取得や育休後の職場復帰を事業主が支援するプランです。こちらも、策定マニュアルが厚労省サイトに掲載されています。

選ばれる企業に

 助成金受給のポイントとしては、事前に以下の準備をしっかり行っておくことが挙げられます。

  1. 〇 就業規則を作成し、社内に周知していること(特に、育児介護休業規程については、最新の法改正が反映されているか、確認が必要)
  2. 〇 上記①と③のコースについては、次世代育成支援対策推進法に基づく、一般事業主行動計画を策定し労働局へ届け出ていること
  3. 〇 雇用契約書、出勤簿、賃金台帳等の法定書類を整備していること

 その他にもさまざまな準備が求められるため、詳細は厚労省サイトで確認してください。日本の労働力人口は、今後ますます減っていきます。一方で働く人の意識も変わり、ワーク・ライフ・バランスを志向する人が増えています。育児や介護を行いながら働く社員を応援する企業は、求職者から選ばれる企業となります。貴重な人材を離職させないためにも、助成金を活用しながら育児や介護を行う社員を支援し、“選ばれる企業”を目指しましょう。

掲載:『戦略経営者』2023年9月号