新商品を発売するにあたり、地元のメディアやウェブメディアに情報発信したいと考えています。各種メディアの目を引くプレスリリースの書き方、発信方法が知りたいです。(食品製造業)

 記者がプレスリリースを選別する最初のステップはタイトルです。タイトルで興味を引き付けるには、以下の点を心がけるべきです。

  1. 簡潔性 14字以内に収める。長文はNG。
  2. 具体性 情報は具体的に伝え、抽象的、専門的な表現は避ける。
  3. 新規性 新しい情報や話題になるポイントを強調する。

 また、視覚的要素はテキストよりも速く情報を伝えられるので、関連する写真を掲載することも重要です。写真は記事の内容と深く関わるものを選び、関連する人物が写っているとより注目を引きやすくなります。

 次に本文作成上のポイントを紹介します。本文の訴求ポイントは、内容に「広報価値があるか」です。広報価値とは「人に知らせたくなる内容」のことで、魅力的で注目される内容であることが肝心です。その価値を伝え、記者がさらなる情報を求めたくなるように構築する必要があります。

 具体的なポイントは次のとおり。

●導入部

  1. 重要事項 最初の1~2文で最も重要な情報を伝える。
  2. 5W1H  「誰が」「何を」「いつ」「どこで」「なぜ」「どのように」を明確にする。

●本文

  1. 具体性 数値や具体的な事例を提供して信頼性を高める。
  2. 簡潔性 必要な情報のみを提供し、冗長な説明は避ける。
  3. 引用  専門家の声やデータなど、製品やサービスの価値を強調するための第三者のコメントや評価を取り入れる。
  4. 結論  ホームページなど詳細な情報のありかに誘導するなど、記者に次のステップを促す。
  5. 連絡先 問合せ先を明記する。

 タイトルや写真が記者の注意を引くトリガーとするならば、内容はその興味を維持し、記者にさらなる行動をとらせる役割を果たします。簡潔かつ効果的なプレスリリースの内容を作成することで、メディアが取り上げる確率を高めることが期待できます。

記者に直接アプローチする

 プレスリリースは、ウェブ上で公開するだけでは広報効果が期待できません。広報活動の鉄則はアピールしたい内容をメディアに確実に伝えること。以下を押さえた上で情報を発信してください。

  1. ファクスの活用
    電子メールは見落とされる可能性がある一方、ファクスは物理的に記者の手元に届きます。デジタル化が進む現在も、ファクスで受け取った情報から優先的にチェックするという記者が多い印象です。
  2. 記者のもとに積極的に出向き、内容を直接説明する
    ターゲットとする地域や分野に合わせて最適な発信媒体を選び、社長や責任者の言葉でリリース情報を伝える姿勢が重要です。こうすることで、文書だけでは伝わりにくいポイントや背景情報を補足することができます。これにより、記者が内容を深く理解し、情報を正確に取り上げてくれる可能性が高まります。しっかり内容を伝えるためにも、あらかじめアポイントを取っておき、事前準備を万全にしたうえで出向くことが大切です。

 記者に直接アプローチすることは、情報の伝達だけでなく長期的な信頼関係の構築にもつながります。これら一連の活動を繰り返すことで、情報発信の効果を最大限に高めることができるのです。

掲載:『戦略経営者』2023年10月号