2021.07.20
損害賠償請求控訴事件(SMBC日興証券インサイダーを巡る執行役員に対する損害賠償請求控訴事件)
LEX/DB25590025/東京高等裁判所 令和 3年 3月25日 判決 (控訴審)/令和2年(ネ)第1325号
控訴会社(証券会社)の執行役員で投資銀行本部副本部長であった被控訴人が、株式公開買付けが実施される予定の会社3社についてのその実施に関する情報を、その公表前に控訴会社内の会議で知ったところ、3社の株式公開買付け実施に関する情報(本件インサイダー情報)を、知人のBに漏洩し、Bが知人のF名義でそれらの会社の株式を購入したとして金融商品取引法167条3項違反の罪で逮捕され、地方裁判所で懲役2年6月、執行猶予4年の有罪判決を受け、控訴審の高等裁判所は控訴棄却の判決をし、最高裁判所は上告棄却の決定をして、被控訴人に対する有罪判決が確定したことから、控訴会社が被控訴人に対し、不法行為(又は債務不履行)に基づき、控訴会社が被ったと主張する6億1191万1411円の損害の一部である5991万1411円及びこれに対する遅延損害金の支払を求め、原審は、被控訴人の犯罪行為の事実を否定し、控訴会社の請求を棄却したため、控訴会社が控訴した事案で、原判決を取消し、控訴会社の請求は、被控訴人に対し、1500万円及びこれに対する不法行為又は債務不履行の後である平成24年8月7日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で一部認容し、その余の控訴人の請求は棄却した事例。