2022.11.22
裁決取消請求事件
LEX/DB25593481/東京高等裁判所 令和 4年10月12日 判決 (第一審)/平成31年(行ケ)第8号
原告が船長として操船する第二●丸(●丸)が、未明に、きびなご刺し網漁のため、甲板員2名(兄2名。うち1名はP4)を乗せて、無灯火のまま航行して鹿児島県南さつま市坊津町所在の坊泊漁港泊地区の泊所在の船だまり(泊船だまり)から出港し、P5船長が操船する▲丸と、港口付近で衝突し、これにより、●丸の右舷船尾部に圧潰等を、▲丸の船首部及び船底部に破口、亀裂等をそれぞれ生じさせ、原告が入院加療約2箇月を要する右外傷性気胸等の傷害を負った海難事故(本件海難)についての海難審判事件において、門司地方海難審判所が、原告の小型船舶操縦士の業務を1箇月停止する一方、P5を懲戒しないとの裁決をしたところ、原告が、本件海難は、原告の職務上の過失によって生じたものではなく、P5の過失(見張り懈怠、安全な速力違反等)により生じたものであると主張して、本件裁決のうち原告の小型船舶操縦士の業務を1箇月停止した処分の取消しを求めた事案で、本件衝突と原告の無灯火との間には、因果関係があり、本件裁決における業務停止期間が法定の最短期間である1箇月であることも考慮すれば、やむを得ない範囲のものと認められ、本件裁決には裁量権を逸脱した違法はないとして、原告の請求を棄却した事例。