注目の判例

刑法

2014.03.05
公職選挙法違反被告事件
LEX/DB25502779/宇都宮簡易裁判所 平成26年1月9日 判決 (第一審)/平成25年(ろ)第127号
被告人が、平成25年7月21日施行の参議院議員通常選挙に際し、立候補者の選挙運動者として、前記立候補者を当選させる目的をもって、選挙事務所選挙運動事務員を介して、選挙人35名に対し、封書合計35通を発送し、法定外選挙運動文書を頒布した事案において、罰金30万円、公職選挙法252条1項の選挙権及び被選挙権を有しない期間(公民権停止期間)を1年に短縮する旨を言い渡した事例。
2014.03.05
各海賊行為の処罰及び海賊行為への対処に関する法律違反被告事件
LEX/DB25502785/東京高等裁判所 平成25年12月18日 判決 (控訴審)/平成25年(う)第578号
被告人両名は、各海賊行為の処罰及び海賊行為への対処に関する法律違反により起訴され、原審がそれぞれ懲役10年を言い渡したところ、不法な公訴受理及び量刑不当を主張して、それぞれ控訴をした事案において、被告人両名の主張を排斥し、各控訴を棄却した事例。
2014.02.24
傷害致死被告事件
LEX/DB25502725/大阪地方裁判所堺支部 平成25年12月9日 判決 (第一審)/平成23年(わ)第1013号
被告人が、被害者である実父(当時70歳)の言動に腹を立て、胸ぐらをつかんできた同人に対し、手で同人の胸ぐらをつかみ返し、被害者を床に投げ倒して、その顔面辺りを手拳で殴打する等して死亡させたとして傷害致死罪で起訴された事案において、被告人の暴行と被害者の死亡結果との因果関係があるとは認められないとし、また、本件犯行当時被告人が心神耗弱の状態にあったとの弁護人の主張は採用できないとし、暴行罪が成立するにとどまるものとして、罰金20万円を言い渡した事例(裁判員裁判)。
2014.02.18
強制わいせつ、強盗強姦、強盗致傷、強盗強姦未遂被告事件
LEX/DB25502698/宇都宮地方裁判所 平成25年12月18日 判決 (第一審)/平成24年(わ)第576号
各犯行(強制わいせつ、強盗強姦、強盗強姦未遂)は、通りすがりの女性を狙い、約1か月の間に連続して行われた、常習性も認められる通り魔的犯行であり、被告人(犯行時17歳の少年)は、気に入った被害者を見かけるや執拗に追跡して犯行の機会をうかがい、背後から襲いかかってわいせつ行為あるいは強姦行為に及び、更に手際よく財物を強取しており、場当たり的で計画性が乏しかったことを考え合わせても、各犯行態様は卑劣かつ悪質であるとして、被告人を懲役5年以上10年以下に処した事例(裁判員裁判)。
2014.02.18
保護責任者遺棄致死被告事件
LEX/DB25502702/津地方裁判所 平成25年12月18日 判決 (第一審)/平成24年(わ)第402号
重度の産後うつ病に罹患していた被告人が、被害児を被告人車両内に放置し、その後も、同児に対して何ら救命の措置をしなかった結果、同児を死亡させるに至ったという事案において、被告人が、本件犯行当時、自分のしようとしていることが良いことか悪いことかを判断し、その判断に従って自分の行動をコントロールすることができる能力を欠いていたとまではいえないものの、自分のしようとしていることが良いことか悪いことかを判断し、その判断に従って自分の行動をコントロールすることが著しく困難であったと認めるのが相当であるとし、被告人は、本件犯行当時、重度の産後うつ病のため心神耗弱の状態にあったと認められるとして、被告人を懲役3年(執行猶予5年)に処した事例(裁判員裁判)。
2014.02.18
死体遺棄,住居侵入,強盗殺人,窃盗被告事件(あきる野資産家姉弟強殺事件)
LEX/DB25446171/最高裁判所第三小法廷 平成25年12月17日 判決 (上告審)/平成22年(あ)第2073号
被告人が、(1)共犯者と共謀の上、姉弟である被害者が暮らす住居に侵入し、被害者両名に暴行脅迫を加えて金品を強取した上、その頭部にビニール袋をかぶせて密封し、窒息死させて殺害し、その後、その死体を畑地に遺棄した住居侵入、強盗殺人、死体遺棄、(2)共犯者と共謀の上又は単独で、強取したキャッシュカード等を使用して現金自動預払機から現金を窃取した窃盗の事案において、被告人が犯行計画を立案し、共犯者をその計画に誘い入れた本件犯行の首謀者であり、本件犯行は、この計画に従って実行されたものであり、また、被告人は、その実行に当たっても、自ら、被害者両名に対する脅迫や金品の強取を行い、被害者のうち姉を殺害するなどの重要な役割を果たしている上、犯行による利得も、強取したキャッシュカード等を使用して単独でも現金を引き出すなどして、共犯者の3倍以上の現金を得ており、被告人の責任は、無期懲役刑に処せられた共犯者よりも格段に重いというべきであるとし、原判決が維持した第1審判決の死刑の科刑は、やむを得ないものとし、本件上告を棄却した事例。
2014.02.18
準強姦被告事件
LEX/DB25502640/東京高等裁判所 平成25年12月11日 判決 (控訴審)/平成25年(う)第457号
女子柔道部の指導者である被告人が、教え子である未成年(当時18歳)に対し、共に飲食した際に酔って寝ているのに乗じ、姦淫したとして準強姦の罪により起訴され、原判決が被告人に懲役5年を言い渡し、被告人が控訴をした事案において、被告人の主張を排斥し、控訴を棄却した事例。
2014.02.10
自動車運転過失傷害、過失往来危険被告事件
LEX/DB25502561/神戸地方裁判所姫路支部 平成25年11月25日 判決 (第一審)/平成25年(わ)第98号
被告人が、中型貨物自動車を運転し、踏切を通過するにあたり、踏切の出口の前方に信号機により交通整理されている交差点があり、自車の前には普通乗用自動車が進行していたのであるから、踏切内で電車と衝突するなどの事故の発生を未然に防止すべき自動車運転上の注意義務を怠り、踏切手前で一時停止せず、踏切に進入したところ、侵入直後に信号機表示が赤色の点灯表示に変わったのに従って前車が交差点の前に停止したので、踏切内に自車後部を残したまま停止したが、遮断機が自車に降下してきたため、運転席から離れて自車に設置された道板を下ろすなどして時間を費やし、自車を発進させて移動させなかった過失により、電車に衝突させた上、自車の対向車線上に停車していた普通乗用自動車にも衝突させ、12名に対して傷害を負わせ、電車の往来の危険を生じさせた事案において、禁固2年6月、執行猶予4年を言い渡した事例。
2014.02.10
 
LEX/DB25502564/最高裁判所第二小法廷 平成25年11月21日 決定 (上告審)/平成25年(あ)第1378号
被告人(上告人)及び他の共犯者らは、路上において、通りすがりの被害者(当時42歳)を殴り、その際、被害者と一緒にいたAがこれを防ごうとした弾みで共犯者が転倒したことから、被告人はAが反撃したものと考えて激しく怒り、他の共犯者と共謀の上、逃げる被害者を追いかけ、被害者を引き倒した上、被害者の頭や顔などを多数回握りこぶしで殴り、蹴りつけ、殺意をもって、路上に横たわった被害者の頭を踏みつけて路面に打ちつけさせ、被害者を殺害し、また、傷害事件の関係者として事情聴取のために任意同行を求めた警察官であるB(当時24歳)に対し、「なんやお前殺したろか。」などと大声をあげながら、活動用帽子をつかみ取り、胸ぐらをつかんで数回突くなどの暴行脅迫を加えて、その職務執行を妨害した行為について、第一審が懲役19年の判決を言い渡したため、被告人が控訴したところ原審は控訴を棄却し、被告人が上告した事案において、被告人の弁護人の上告趣意は、事実誤認、量刑不当の主張であり、刑事訴訟法405条の上告理由に当たらないとして、上告を棄却した事例。
2014.02.04
住居侵入、強盗殺人、窃盗、、強盗傷人被告事件
LEX/DB25502469/東京地方裁判所 平成25年11月29日 判決 (第一審)/平成24年(刑わ)第2960号等
被告人が、路上を通行中の男性に対しその頭部を硬い物で殴ってキャッシュカード等の入ったかばんを強奪し、これを使ってATM機から現金を引き出して窃取し、その翌々月に、合計7件の空き巣を繰り返し、そのうち1件で盗んだキャッシュカードを使ってATM機から現金を引き出し、さらに、同様に空き巣に入った際、帰宅した女性を殺害してキャッシュカード等を強奪し、これを使ってATM機から現金を引き出して窃取したという強盗傷人、窃盗、住居侵入、強盗殺人の各事案(被害者参加人の求刑は死刑)において、殺人の計画性がなく、殺意についても積極的な意欲までは認められないことからすれば、本件が、死刑を選択すべき事案であるとはいえず、強盗殺人事件や強盗傷人事件を起こした直後にATM機から現金を窃取し、その現金で遊興するなど、当時の被告人が、自己中心的な考えで、自分の行ったことを顧みず、自らの罪の重さを全く自覚できていなかった上、当公判に至っても、供述にあいまいな点が多く、被告人の反省が深まっているとは認められないことなどを踏まえても、前記の判断は左右されないとして、被告人を無期懲役に処した事例。
2014.02.04
不正競争防止法違反被告事件
LEX/DB25502498/長野地方裁判所伊那支部 平成25年11月14日 判決 (第一審)/平成25年(わ)第34号
被告人Aと被告人Bの両名が、食肉の処理及び加工販売などを業とする被告会社の取締役あるいは輸入馬肉担当の従業員として、共謀の上、大腸菌群の陽性結果が出たため生食用として使用できない輸入馬肉を、生食用として販売しようと企て、商品の内容を誤認させるような表示をし、生食用馬肉に偽装して取引先に販売譲渡したという不正競争防止法違反の事案において、国民に食肉の安全性に対する危惧を抱かせ、食肉の流通業界全体の信用を失墜させた意味においても厳しい非難を免れず、被告人両名の刑事責任は重いものがあるとして、被告人Aを懲役2年(執行猶予4年)に、被告人Bを懲役1年6月(執行猶予3年)に、被告会社を罰金100万円に処した事例。
2014.02.04
偽証教唆被告事件
LEX/DB25502479/岐阜地方裁判所 平成25年10月25日 判決 (第一審)/平成25年(わ)第137号等
弁護士である被告人が、私選弁護人を受任していたAに対する別件被告事件について、Aと共謀の上、同事件で共犯者とされたBらに対し、接見交通権を濫用する方法等で受領したA作成に係る文書等を渡すなどして、複数回にわたって、Aは関与していない旨偽証するよう働きかけ、別件被告事件の証人尋問において、Bらにそれぞれ虚偽の証言をさせたという偽証教唆の事案において、本件各犯行は、被疑者・被告人の人権を擁護し、適正な防禦権を行使するために保障された弁護人の接見交通権等の弁護権を濫用したものである上、遮蔽板の丸穴を通じて偽証指示文書を授受するなど、常軌を逸した大胆な手口を用い、かつ複数回にわたり多くの関係者を巻き込みつつ、数か月間にわたり行われており、その犯行態様は、前例を見ない極めて悪質なものというべきであるとして、被告人を懲役3年(執行猶予4年)に処した事例。
2014.01.28
インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律違反被告事件
LEX/DB25446152/最高裁判所第一小法廷 平成26年1月16日 判決 (上告審)/平成23年(あ)第1343号
インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律7条1項、32条1号所定の罰則を伴う届出制度は、正当な立法目的を達成するもの手段として必要かつ合理的なものというべきであり、憲法21条1項に違反するものではないとして、本件上告を棄却した事例。
2014.01.28
心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律による処遇事件
LEX/DB25446101/最高裁判所第二小法廷 平成25年12月18日 決定 (上告審)/平成25年(医へ)第34号
心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律42条1項3号の同法による医療を行わない旨の決定に対しては、対象行為の認定を争うものであっても同法64条2項の抗告をすることは許されないとした原決定は正当であるとして、本件抗告と棄却した事例。
2014.01.28
覚せい剤取締法違反被告事件
LEX/DB25446109/最高裁判所第三小法廷 平成25年11月19日 判決 (上告審)/平成25年(あ)第508号
控訴審が被告人の控訴に基づいて第1審判決を破棄する場合には、控訴申立後の未決勾留日数は、刑事訴訟法495条2項2号により、判決が確定して執行される際当然に全部本刑に通算されるべきものであって、控訴裁判所には、上記日数を本刑に通算するか否かの裁量権が委ねられておらず、刑法21条により判決においてその全部又は一部を本刑に算入する旨の言渡しをすべきでないとした事例。
2014.01.28
器物損壊,傷害,窃盗事件
LEX/DB25446129/横浜地方裁判所 平成25年11月8日 判決 (第一審)/平成24年(わ)第350号
被告人が、親密な関係にあったCの男性関係に怒り、Cがアルバイトをするコンビニ店の駐車場でCとトラブルとなり、Cを迎えに来ていたBが間に入るなどしたことにも腹を立て、Bの自動車に傷をつけ、同人を殴ってけがを負わせたほか、Cの金品在中の本件バックを窃取したという公訴事実につき、本件認定事実によれば、被告人が本件バッグを持ち去ることについてCの承諾があったとして、窃盗の公訴事実については被告人を無罪とした上で、器物損壊及び傷害の点については被告人を有罪とし、被告人を罰金50万円に処した事例。
2014.01.28
収賄、地方公務員法違反、犯人隠避被告事件並びに贈賄被告事件
LEX/DB25502351/福岡地方裁判所 平成25年11月8日 判決 (第一審)/平成24年(わ)第1069号等
警察官である被告人Aは、Bに係る覚せい剤取締法違反被疑事件の捜査主任官に指名された者であるが、被告人Aが指定暴力団の会長に電話し、事務所に対する捜索の実施が予定されている旨を告げ、もってその職務上知り得た秘密を漏らし、前記事件に関し、Cを取り調べた際、CがBとの共犯関係を認める供述をしたのに、Cの処罰を免れさせるため、Cを覚せい剤取締法違反事件の被疑者として取り調べるなど必要な捜査を行わず、「Bは知らない」旨を記載したCを供述人とする供述調書1通を作成し、同供述調書を上司に提出するなどし、覚せい剤取締法違反の罪の犯人であるCを隠避させ、被告人Dは、恐喝等被疑事件への関与が疑われていたもの、被告人Eは、被告人Dの兄貴分に当たるものであるが、被告人Aは、被告人D及び被告人Eから、捜査方針や捜査状況に関する情報を漏洩するなど有利かつ便宜な取り計らいを受けたことに対する謝礼の趣旨の下に供与されるものであることを知りながら、現金約10万円の供与を受け、自己の職務に関し賄賂を収受し、被告人D及び被告人Eは、共謀の上、被告人Aに対し、現金約10万円を供与し、被告人Aの前記職務に関し賄賂を供与した事案において、被告人Aの地方公務員法違反、犯人隠避については懲役1年、執行猶予3年を言い渡し、被告人Aの収賄、被告人D及び同Eの贈賄については無罪を言い渡した事例。
2014.01.28
傷害被告事件
LEX/DB25446095/横浜地方裁判所 平成25年10月31日 判決 (第一審)/平成24年(わ)第1049号
飲食店の店長である被告人が、客であるAの顔面を殴打するなどして傷害を負わせたとして、起訴された事案において、被告による殴打の事実を認定した上で、被告人は、客同士のトラブルを避けるため、Aらを退店させようとしたところ、店内でCから暴行を受け、さらに路上でもCから殴られそうになったため、Cの顔面を殴り、その後にBに押し倒されて起き上がったところ、Aから暴行を受けそうになったため、本件暴行に及んだものであり、被告人の暴行には正当防衛が成立するとして、被告人に対し無罪を言い渡した事例。
2014.01.28
傷害致死、監禁、傷害、逮捕監禁、死体遺棄被告事件
LEX/DB25502421/神戸地方裁判所 平成25年10月31日 判決 (第一審)/平成24年(わ)第125号等
大手私鉄に勤務していた被告人Aが、電車のドアにベビーカーが挟まれたと執拗に苦情を申し立てたGに対応したことに端を発し、Aの元妻である被告人C及びCの姉である被告人BらとともにGの指示に盲従して共同生活を営むようになり、被告人3名が、Gらと共謀の上、被告人B及び被告人Cの実母である被害者を居室に監禁し、虐待を継続的に加えて死亡させ、同人の死体をドラム缶に詰めて遺棄するなどした事案において、被告人3名いずれについても、本件各犯行当時、責任能力を有していたと認められ、また、警察に保護を求めるなどの行動に出て本件各犯行に及ばないことが物理的に十分に可能であったことなどに照らすと、期待可能性もあったと認められるとして、被告人Aを懲役3年6月、被告人Bを懲役3年(執行猶予4年)、被告人Cを懲役2年(執行猶予3年)を言い渡した事例(裁判員裁判)。
2014.01.28
傷害致死被告事件
LEX/DB25502416/横浜地方裁判所小田原支部 平成25年10月11日 判決 (第一審)/平成25年(わ)第188号
被告人が、近隣住民に異物を飲まされたとか、自分はがんであると思いこむなどの妄想性障害を発症し、これによるイライラ感からくる暴力的衝動に駆られ、実母である被害者に対して暴行を加えて死亡させた傷害致死の事案において、本件犯行は、妄想性障害の中身とは関係のない母親に向けられたものであって、上記妄想に支配されて行われたものとは認められず、単に妄想によって生じたイライラを母親に対する八つ当たりという形で発散させたに過ぎないと評価すべきであることなどから、被告人の完全責任能力を認め、被告人を懲役6年(求刑5年)に処した事例(裁判員裁判)。