注目の判例

刑法

2014.07.01
業務上過失致死傷被告事件
LEX/DB25503829/大阪高等裁判所 平成26年4月23日 判決 (控訴審)/平成25年(う)第398号
被告人は、明石市に所在する歩道橋上で平成13年7月21日に発生して死者11人及び負傷者183人を出した事故に係る業務上過失致死傷被疑事件について、不起訴処分を受けたが、検察審査会において起訴相当の議決を受け、公訴提起をされ、原判決が、公訴時効が完成しているから、被告人を免訴すべきであるとして、被告人に対し、免訴を言い渡したので、これに対し、指定弁護士が控訴をした事案において、原判決は正当であるとして、控訴を棄却した事例。
2014.07.01
公職選挙法違反被告事件
LEX/DB25503797/東京地方裁判所 平成26年4月18日 判決 (第一審)/平成25年(特わ)第1703号
徳洲会グループによる組織的な選挙運動者の買収について、被告人(徳洲会グループの関連法人の経営企画室長)が、買収に付随して発出される文書の作成を容易にしたという公職選挙法違反の幇助の(共謀の成立を認めることはできないとした)事案において、正犯者らの犯行は、理事長であるAが中心となり、徳洲会グループの職員約600名に選挙区内で公示日前後にわたる違法な選挙運動をさせ、その報酬として、約1億5500万円相当の金銭及び財産上の利益を供与したというものであり、報酬が支払われた選挙運動員の数、供与された金銭等の額、いずれをみても他に類を見ない大規模なもので選挙の公正を害するものであったところ、被告人は、これらを認識した上で、本件買収等に伴って発出される平成24年版読後破棄文書の作成を容易にしたものであって、犯情は良くないが、幇助の程度は、平成24年版読後破棄文書の中でも事務的手続について相談に応じたに止まり、本件買収等自体を容易にした程度は大きくないとして、被告人を罰金25万円に処し、公民権停止の期間を3年に短縮するとした事例。
2014.07.01
証拠隠滅、虚偽有印公文書作成、同行使被告事件
LEX/DB25503728/大阪高等裁判所 平成26年3月26日 判決 (控訴審)/平成25年(う)第256号
警察官であった被告人が、原動機付自転車で走行中のAに対し職務質問をして交番に同行を求め、あらかじめ準備した虚偽の内容を記載した記録紙を用いるなどしてAの呼気中から所定量のアルコールが検知されたかのように装い、虚偽の公文書を作成するとともに証拠を偽造し、Aを酒気帯び運転の罪に陥れたとして、虚偽有印公文書作成・同行使等で起訴された事案の控訴審において、被告人が飲酒検知気を作動させていなかったと認めるには合理的な疑いが残るとして、一審判決を破棄し、被告人に無罪を言い渡した事例。
2014.06.24
強盗殺人、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反被告事件
LEX/DB25503663/さいたま地方裁判所 平成26年3月28日 判決 (第一審)/平成25年(わ)第1153号等
被告人は、被害者が所有していた多額の現金を強取するために、親密な交際をしていた被害者に対し、その腹部等を2回にわたり刃物で突き刺して殺害した上、1400万円相当の現金を強取したとの強盗殺人と、強取した現金の一部を両替させたとの犯罪収益等の処分を仮装した事案において、強盗殺人の犯行態様は強固な殺意に基づく残忍で非道なものであること、被害者は何の落ち度もなく突然絶命したこと、財産的損害も多額であること、遺族が厳しい処罰感情を有していること、公判廷で不自然な弁解に終始しており自責の念は無いことなどを考慮し、被告人に対し、無期懲役を言い渡した事例(裁判員裁判)。
2014.06.10
嘱託殺人被告事件
LEX/DB25446413/函館地方裁判所 平成26年4月30日 判決 (第一審)/平成25年(わ)第145号
被告人が、妻である被害者の真意に基づく依頼がないのに、それがあるものと思い込み、その首を両手で絞め、更に電気コードをその首に巻いて締め付けて、同人を頸部圧迫により窒息死させて殺害したという嘱託殺人の事案において、被告人の本件犯行が、重症うつ病という精神障害に起因する思考狭窄の影響を受けた心神耗弱の状態で行われたものであることを考慮しても、本件は、嘱託殺人の事案の中でも重い部類に位置づけられる事案というべきであるから、心神耗弱による減軽をした刑期の中では上限に近い刑が相当であるとして、被告人を懲役3年に処した事例。
2014.06.10
覚せい剤取締法違反、関税法違反被告事件
LEX/DB25503359/東京高等裁判所 平成26年3月24日 判決 (控訴審)/平成25年(う)第443号
被告人が、氏名不詳者と共謀の上、営利の目的で、カナダ所在の空港において、覚せい剤を隠し入れたスーツケースを航空機に積み込ませ、覚せい剤の本邦への輸入を行うとともに、覚せい剤を携帯しているにもかかわらず、その事実を申告しないまま旅具検査場を通過して輸入しようとしたが、税関職員に発見されたため、これを遂げることができなかったとして起訴され、無罪が言い渡されたため、検察官が控訴した事案において、原審で取り調べた証拠によっても、被告人の弁解を不自然不合理であるとして排斥できないとした原判決の判断は、論理則、経験則等に照らし不合理なものであり、その判断を是認することはできず、被告人に覚せい剤を含む違法薬物ではないかとの認識があったものと認めることができるとし、原判決を破棄し、懲役11年及び罰金600万円を言い渡した事例。
2014.06.03
詐欺被告事件
LEX/DB25503287/京都地方裁判所 平成26年3月25日 判決 (第一審)/平成24年(わ)第860号
被告人は、暴力団準構成員として活動をしていたところ、そのことを秘して、反社会的勢力に該当しない旨を確約する内容の重要事項説明書や契約書に署名押印するなどして、マンションの一室の売買契約を成立させ、これを詐取したとして、詐欺により起訴された事案において、被害結果は軽視できないものの、被告人には前科が無く、既に1年半以上身柄を拘束されていることなどを考慮し、被告人に対し、懲役2年、執行猶予4年間を言い渡した事例。
2014.05.27
再審請求事件(恵庭OL殺人事件再審請求審)
LEX/DB25503393/札幌地方裁判所 平成26年4月21日 決定 (再審請求審)/平成24年(た)第3号
殺人、死体損壊被告事件において、懲役16年の有罪判決を受け、判決が確定した請求人が、請求人は犯人ではないとして、再審の請求をした事案において、新証拠及び弁護人の主張を検討しても、確定判決等の認定又は判断の正当性を減殺して請求人が被害者を殺害し、その死体を焼損したことに疑いを生じさせるものは無く、請求人に対して無罪を言い渡すべきことが明らかであるとはいえないとして、請求を棄却した事例。
2014.05.20
詐欺被告事件
LEX/DB25446389/最高裁判所第二小法廷 平成26年3月28日 判決 (上告審)/平成25年(あ)第911号
被告人が、Cと共謀の上、宮崎市内のゴルフ倶楽部で、そのゴルフ場利用細則等により暴力団員の利用を禁止しているにもかかわらず、被告人及びCが暴力団員であるのにそれを秘し、同倶楽部の従業員に対し、被告人において「A」と署名した「ビジター受付表」を、Cにおいて「C」と署名した「ビジター受付表」を、それぞれ提出して被告人及びCによる施設利用を申込み、従業員をして、被告人及びCが暴力団員ではないと誤信させ、被告人及びCと同倶楽部との間でゴルフ場利用契約を成立させた上、被告人及びCにおいて、同倶楽部の施設を利用し、それぞれ人を欺いて財産上不法の利益を得たという事案の上告審において、第一審判決は、暴力団員であることを秘してした施設利用申込み行為自体が、申込者が暴力団関係者でないとの事実を表しており、ゴルフ場の利便提供の許否判断の基礎となる重要な事項を偽るものであって、詐欺罪にいう人を欺く行為に当たるとし、被告人を懲役1年6月、執行猶予3年に処し、被告人からの控訴に対し、原判決も、第一審判決の認定を是認し、控訴を棄却したが、上告審では、暴力団関係者であるビジター利用客が、暴力団関係者であることを申告せずに、一般のビジター利用客と同様に、氏名を含む所定事項を偽りなく記入した「ビジター受付表」をフロント係の従業員に提出して施設利用を申し込む行為自体は、申込者が当該ゴルフ場の施設を通常の方法で利用し、利用後に所定の料金を支払う旨の意思を表すものではあるが、それ以上に申込者が当然に暴力団関係者でないことまで表しているとは認められず、本件における被告人及びCによる本件ゴルフ場の各施設利用申込み行為は、詐欺罪にいう人を欺く行為には当たらないというべきであるとして、詐欺罪の成立を認めた第一審判決及びこれを是認した原判決を破棄し、既に第一審及び原審において検察官による立証は尽くされているので、上告審において自判するのが相当であるところ、本件公訴事実については犯罪の証明が十分でないとして、被告人に対し無罪を言渡した事例。
2014.05.20
殺人,殺人未遂,銃砲刀剣類所持等取締法違反,火炎びんの使用等の処罰に関する法律違反,放火予備,現住建造物等放火未遂,盗品等有償譲受け,旅券法違反,有印私文書偽造,同行使被告事件(前橋スナック銃乱射殺人等事件)
LEX/DB25446392/最高裁判所第二小法廷 平成26年3月14日 判決 (上告審)/平成21年(あ)第2058号
暴力団の組長である被告人が、配下の組員らと共謀の上、(1)対立する暴力団の組員による被告人が所属する暴力団組織の幹部の射殺事件への報復として、〈1〉対立する暴力団の元幹部宅に火炎びん等を用いて放火することを企て、実行犯の組員らが火炎びん等を準備し、1度目は放火の着手に至らず、2度目は着手したものの、放火は未遂に終わり、現場から逃げる際にけん銃を発射するなどした、〈2〉同暴力団の別の元幹部を殺害することを企て,実行犯の組員らが,同元幹部を公道上で待ち伏せ,同人の運転する車両に向けてけん銃を発射したが,同人に重傷を負わせたにとどまり,殺害の目的を遂げなかった、〈3〉再び同元幹部らを殺害することを企て、実行犯の組員2名が、けん銃等を所持して同元幹部らがいた営業中のスナックに赴き、スナック店外で同元幹部のボディーガード1名を至近距離から射殺した上、スナック店内で同元幹部らに向けて弾丸十数発を発射し、たまたま居合わせた暴力団とは何ら関係のない一般客3名を射殺し、同元幹部ほか1名にも重傷を負わせたが殺害の目的を遂げなかった、〈4〉これらの事件の準備のために組員らにけん銃や盗難自動車を譲り受けさせ、けん銃を試射させるなどした、〈5〉これらの事件の犯跡隠ぺいのために、実行犯を海外逃亡させるべく他人名義の旅券の交付を受けさせ、出国の際に行使させ、組織として保管していたけん銃を山林内に隠匿させるなどした、(2)(1)〈1〉の事件の一部に関与した組員1名が命令に従わなくなったことから、制裁及び口封じのために同組員を殺害することを企て、病院の集中治療室に入院中であった同組員のベッドの位置を探り出した上、実行犯2名が、けん銃等を所持し、他の患者や病院関係者も在室する集中治療室内のベッドで寝ていた同組員に近づき、至近距離から弾丸5発を発射して同組員を射殺した事案において、被告人には懲役前科5犯を含む前科が11犯あることなどを踏まえると、被告人の所属する暴力団組織の幹部が(1)〈3〉の事件の被害者遺族らと和解をして一定額が遺族らに支払われたことなど被告人のために酌むべき情状を十分考慮しても、被告人の刑事責任は極めて重大であり、被告人を死刑に処した第一審判決を維持し、上告を棄却した事例。
 
 
2014.05.20
逮捕監禁、爆発物取締罰則違反、火炎びんの使用等の処罰に関する法律違反被告事件
LEX/DB25503234/東京地方裁判所 平成26年3月7日 判決 (第一審)/平成24年(合わ)第29号等
本件教団の信者であった被告人が、被害者Aを拉致することを企て、共犯者と共謀の上、Aを自動車の後部座席に押し込んで同車を発車させ、本件施設内において、同人に全身麻酔薬を投与して意識喪失状態を継続させるなどして同人を脱出不可能な状態におき、治安を妨げ、かつ、人の身体財産を害する目的をもって、教団信者らが現在するビル店舗内に火炎びんを投てきし、人の身体及び財産に危険を生じさせた事案において、被告人は、BとCから、教団代表者の指示により、Aを拉致すること、レーザーでボディーガードの目くらましをすることを了承して犯行現場に赴き、他の共犯者の役割等も知った上で、被告人自身はCが乗るギャランの運転手として本件に関与していたと認められ、被告人には、逮捕監禁事件の事前共謀が認められるとし、懲役9年を言い渡した事例(裁判員裁判)。
2014.05.20
現住建造物等放火,殺人,殺人未遂被告事件(大阪個室ビデオ店放火殺人事件)
LEX/DB25446393/最高裁判所第一小法廷 平成26年3月6日 判決 (上告審)/平成23年(あ)第1517号
いわゆる個室ビデオ店において、客として入店した被告人が、深夜、自殺を図ろうとして、他の客が死亡するであろうことを認識しながら、個室内に持ち込んだキャリーバッグ内の衣類等に火を付け、その火を個室の側壁等に燃え移らせて同店舗を全焼させ、同店の客16名を急性一酸化炭素中毒等により死亡させるとともに、他の客7名は死亡させるに至らなかった(うち4名は、全治約1週間ないし1か月間を要する気道熱傷等の傷害を負った。)という現住建造物等放火、殺人、殺人未遂の事案の上告審において、多数の死者が出ることを確定的に認識していたわけではないこと、前科がないことなど、被告人のために酌むべき事情を十分考慮しても、被告人の刑事責任は極めて重大であり、原判決が維持した第一審判決の死刑の科刑は、やむを得ないものとして、上告を棄却した事例。
2014.05.20
強盗殺人、銃砲刀剣類所持等取締法違反、窃盗未遂被告事件
LEX/DB25503235/東京地方裁判所立川支部 平成26年2月7日 判決 (第一審)/平成25年(わ)第430号
少年である被告人が、Aと共謀の上、殺意をもって、ペティナイフ(刃体の長さ約12.8センチメートル)でBの左背面を突き刺すなどし、よって、同人を失血により死亡させた上、その際、同人所有又は管理の現金等の入ったバッグを強奪し、現金自動預払機にB名義のキャッシュカードを挿入し、現金を引き出して窃取しようとしてが、暗証番号が合致しなかったことから、その目的を遂げなかった事案において、被告人は、共犯少年が被害者の背中をナイフで刺した直後に、ナイフで被害者の脇腹付近を狙って刺すという自身の行為が、被害者の生命を奪う危険性が高い行為であることを認識しながら、あえて本件犯行に及んだものであり、被告人には殺意があったと認められるとし、無期懲役を言い渡した事例(裁判員裁判)。
2014.05.13
金融商品取引法違反、詐欺(変更後の訴因組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(以下「組織的犯罪処罰法」という)違反)被告事件、公正証書原本不実記載、同行使被告事件
LEX/DB25503199/大阪地方裁判所 平成26年3月5日 判決 (第一審)/平成24年(わ)第458号等
被告人両名が、共犯者とともに被告人Aが実質的に保有するA社の株式を無届け、無登録で売り出し、同じ詐欺集団所属の他の12名とともに、A社の株式を販売することを名目に、詐取行為を繰り返し、被害者17名から金員をだまし取るなどした事案において、被告人Aは、自らが保有するA社の株式を、その取得価格をはるかに上回る高値で売り捌いて利益を上げるために、共犯者らと主導して本件犯行に及んだもので、共同正犯の罪責を負うのは当然であり、被告人Bも、被告Aに雇われて、被告人Aの意図を分かった上で、犯行を実現する上で欠かせない役割を果たしたことが明らかであり、共同正犯の罪責を免れないとし、被告人Aに懲役13年及び罰金500万円、被告人Bに懲役4年及び罰金200万円を言い渡した事例。
2014.05.13
詐欺(変更後の訴因組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反)、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反被告事件
LEX/DB25503196/福岡地方裁判所 平成26年3月3日 判決 (第一審)/平成24年(わ)第1699号等
A社の会長である被告人が、共犯者と共謀の上、利益を出すのが極めて困難なオプションを顧客に購入させて損失を被らせることになること等を認識しながら、その情を秘して、確実に利益を得られるかのように装ってオプションを購入させるなどして、預託金名目で金員を詐取したという組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)罪の事案において、強い関心をもってA社の収支状況を把握し、同社の経営にとって重要な事項を決定するなどしていた被告人が、A社のほぼ唯一の収入源である手数料収入を得るための営業活動の実体を把握していなかったということはおよそ考え難く、これらの事実は、本件認識を有していたことを強く推認させるものであり、被告人が本件認識を有し、これらを認容していたことは明らかであるから、被告人に詐欺の故意が認められ、また、共犯者との間の共謀が認められることも明らかであるとし、懲役6年を言い渡した事例。
2014.05.13
暴行、傷害、銃砲刀剣類所持等取締法違反被告事件
LEX/DB25503201/福岡地方裁判所 平成26年3月3日 判決 (第一審)/平成25年(わ)第198号
被告人が、駅構内及びその周辺において、無差別に次々と6名の通行人を包丁で突き刺すなどし、うち5名に傷害を負わせた事案において、被告人は、本件犯行当時、自己の置かれた状況や自らの行為が社会的に許されない行為であることを認識し、自己の思いに従って合理的な行動をする能力を有し、運動機能にも特段の問題なく、本件犯行の動機がおよそ理解不能であるとはいえず、被告人が大量に向精神薬を服用して精神作用物質による障害の状態であった点を考慮しても、被告人の行為の是非を弁別する能力及びこれに従って自己の行動を制御する能力への影響は大きなものではなく、著しく減退していなかったと認められ、被告人には完全責任能力が認められるとし、懲役6年6月を言い渡した事例。
2014.05.13
有価証券偽造、同行使、詐欺、証券取引法違反被告事件
LEX/DB25503202/福岡高等裁判所 平成26年2月27日 判決 (控訴審)/平成25年(う)第315号
被告人が、共謀の上、有価証券偽造、同行使、詐欺、証券取引法違反により起訴され、第一審が有罪判決を言い渡し、被告人が、有価証券偽造、同行使、詐欺について無罪であるとして、控訴をした事案において、被告人が有価証券偽造、同行使、詐欺の故意を有していたことを認め、また、原判決の量刑不当との主張を退け、控訴を棄却した事例。
2014.05.13
 
LEX/DB25503227/最高裁判所第一小法廷 平成26年2月18日 決定 (上告審)/平成25年(あ)第631号
被告人が、里親として養育していたAに対し、複数回にわたり、その頭部等に打撃を加え、髪の毛を引っ張るなどの暴行を加え、同人に急性脳腫脹等の傷害を負わせ、同人を死亡させた傷害致死被告事件の上告審において、弁護人の上告趣意は、憲法違反、判例違反をいう点を含め、実質は単なる法令違反、事実誤認の主張であり、被告人本人の上告趣意は、事実誤認の主張であって、いずれも刑事訴訟法405条の上告理由に当たらないとし、上告を棄却した事例。
2014.05.13
傷害致死被告事件
LEX/DB25503204/福岡高等裁判所 平成26年2月18日 判決 (控訴審)/平成25年(う)第129号
被告人(犯行当時19歳)は、同居女性の長男(当時2歳)に対し、その右側脇腹に作用面の小さな鈍体による打撲的圧迫作用を加えるなどの暴行を加えて、同人に十二指腸破裂等の傷害を負わせ、同人を死亡させたという傷害致死により起訴され、原判決が、被害者の死亡原因となる傷害を負わせることができたのは被告人のみであると認めることができないとして、被告人に無罪を言い渡したのに対し、検察官が控訴をした事案において、平成24年3月6日午後11時46分頃から翌7日午前2時40分頃までの時間帯に被害者に十二指腸破裂が生じたことについて合理的な疑いが残るとした原判決に事実誤認があるとして、原判決を破棄し、地方裁判所に差し戻した事例。
2014.05.13
 
LEX/DB25503229/最高裁判所第三小法廷 平成26年2月12日 決定 (上告審)/平成25年(あ)第1277号
被告人が、金品窃取の目的で被害者方に侵入し、被害者に対し刃物を示して脅迫し、その犯行を抑圧して、同人管理のキャッシュカードを強取した上、強いて同人を姦淫した後、殺意をもって、その背部を刃物で突き刺すなどし、同人を失血及び頸部圧迫による窒息の競合により死亡させて殺害した事実につき、原判決が、懲役15年を言い渡した第一審判決を維持し、控訴を棄却したため、被告人が上告した事案において、弁護人及び被告人本人の各上告趣意は、いずれも憲法違反を言う点を含め、実質は単なる法令違反、事実誤認の主張であって、刑事訴訟法405条の上告理由に当たらないとし、上告を棄却した事例。